TSKさんいん中央テレビが制作した『命の選択~ALSとの闘い~』が、第30回FNSドキュメンタリー大賞に決定。フジテレビで、1月3日(4:55~ ※関東ローカル)に放送される。
この番組は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)という全身の筋力が急速に衰える難病患者を取材した作品。ALSは喉の筋肉が弱くなり自発呼吸ができなくなったとき、人工呼吸器を装着するかどうかを自ら決めなければならない。人工呼吸器をつけない選択は死を選ぶことを意味し、呼吸器をつければ手足が動かず声を発することはできなくても、生き続けることはできる。
番組では、鳥取・島根両県の3人のALS患者を中心に取材を進め、厳しい選択を目の前にした患者たちの迷いや希望、葛藤を追っている。取材対象者に真摯(しんし)に向き合い、丹念に取材を重ねたことなどが高く評価され、大賞受賞となった。
制作したTSKさんいん中央テレビ報道部の藤谷裕介ディレクターは「重度ALS患者は、動けない、話せないため、テレビ報道が題材として避ける恐れがあると思います。それでも患者には健常者と同じように意思がある。それを伝えようとしました。そして、普段でさえ社会からの疎外感を募らせ、それに加えコロナ禍による面会謝絶などでさらに孤独感が増す中、その心情を追いました。COVID-19はワクチンや治療薬が次々に開発されています。こうした番組が難病治療薬の開発や生活支援の一助になれば幸いです」とコメントを寄せた。
優秀賞は、岩手めんこいテレビ『奇跡と呼ばれなくなる日まで~震災10年 釜石の軌跡~』。特別賞は、OHK岡山放送『忘れてはいけないこと~認知症受刑者が問いかけるもの~』、沖縄テレビ放送『てぃんさぐぬ花 ママたちの沖縄』が受賞した。