現在放送中の『仮面ライダーリバイス』と今年8月に放送終了した『仮面ライダーセイバー』が夢のコラボを果たし、さらに「仮面ライダー生誕50周年」を祝うスペシャルな映画『仮面ライダー50周年記念映画 仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』が、12月17日より劇場公開される。

  • 木村昴(きむら・すばる)。声優・俳優・ナレーター・ラッパー。1990年生まれ、ドイツ出身。7歳のころ日本に移住し、芸能活動を開始。中学時代『ドラえもん』声優オーディションに合格し、2005年からジャイアンの声を演じる。声優としてアニメ・ゲーム・洋画吹き替えなどで活躍する一方で、テレビ『おはスタ』(メインMC)や映画、舞台公演、歌手など幅広い分野で精力的に活動を行う。撮影:大塚素久(SYASYA)

本作では、仮面ライダーの歴史を揺るがすほど、すべてを超越(BEYOND)した予測不可能な物語が描かれるという。仮面ライダー1号が誕生した「1971年」、仮面ライダーリバイとバイスが活躍する「2021年」、そして仮面ライダー生誕から100年後となる「2071年」と、100年の時間と空間をまたいで各仮面ライダーが未知の敵に挑む。

ここでは、テレビシリーズ『仮面ライダーリバイス』で悪魔バイスの声を演じ、主題歌「liveDevil」のラップパートを担当している声優・木村昴が登場。放送開始から約3ヶ月が過ぎ、『仮面ライダーリバイス』への反響は回を追うごとに大きくなっている。その盛り上がりの原動力のひとつになっているのが、バイスの魅力的なキャラクターにあるのは間違いない。そのキャラクターはどのように作られているのだろうか。

――『仮面ライダーリバイス』のテレビ放送も好調に回を重ねており、木村さんが声を演じるバイスも毎週大暴れしていますね。

大変ありがたいことに、さまざまなところから反響をいただいています。他の現場で声優の仲間たちから「仮面ライダーリバイス観たよ」とか「この回のこんなところが面白かった」といった感想をもらうことが多いです。あと、僕の同級生たちから「子どもと一緒に観てるよ」と言ってもらえることが多くて、これがとてもうれしいんです。「うちの子が仮面ライダーリバイスを毎週楽しみにしてるんだけど、昴が声をやっているのを聴いて、俺までうれしくなってくるよ」なんてメールをもらったこともあります。僕の近くにいる方たちや、地元の仲間たちがテレビを観ながら応援し、楽しんでくれるのを知って、声優としても、仮面ライダーに携わっている者のひとりとしても、とても幸せに思っています。

――オンエアをご覧になったファンの方からのリアクションは、どういったところで知りますか。

オンエアのある日曜日の午前とか、SNSにご覧になった方たちの感想が書かれているのを拝見することがありますし、知人やマネージャーから「こんな反響があったね」とか教えてもらったりもします。ありがたいですよね。

――SNSといえば、第9話ではバイスが「SNSで拡散ヨロシク! 『#ナイスバイス』ハッハ~!」と画面に呼びかけるシーンがあって、相変わらず自由でしたね。また同じ回では、「お前なんかギッタギタのメッタメタにしちゃうんだからね~!」と、ついにあの国民的アニメ作品の有名キャラクターの名物セリフが飛び出しました。

わははは(笑)! あれもアドリブなんですけど、最初は採用されるとは思っていませんでした。あれがOKで、オンエアされてるってことは、もうバイスのアドリブに歯止めがきかなくなりますね。ルール無用というか、こうなりゃ僕も腹をくくりますから。そのうち「お前のものは俺のもの、俺のものも俺のもの」「デッドマンズのくせに生意気だ!」とかも出てくるかもしれませんよ。「おーいリバイ、野球しようぜ!」なんかどうだろうな(笑)。いつも一輝にいろいろ命令されてるバイスが頭に来て「おれは一輝のドレイじゃないっつーの!」とかだったら、うまくシチュエーションにハマるかも。見えた! 採用されるアドリブをこれからもどんどん出していきますから、楽しみにしていてください(笑)。

――放送開始前のインタビューでは「アドリブのネタが尽きてからが本番」だとおっしゃっていましたが、まだまだネタは尽きそうにないですね。

まだまだ大丈夫ですね! ギャグもいっぱい入れ込もうと思っています。僕はセリフの中にスッとギャグを忍び込ませるのが好きで、これを「ステルスギャグ」と呼んでいます(笑)。ともすれば、誰も気づかないほど自然なギャグ。気づかれなくても、自分でうまくいったと思ったら「よし行けた!」と満足感を覚えています。

――第9話から第10話まで2週あいた(駅伝中継放送のため)ことをバイスが冒頭でネタにされていたのにも驚かされました。

めちゃくちゃ面白かったですよね。ああいう部分が『仮面ライダーリバイス』の面白みのひとつだと思います。劇中のキャラクターなのに、ひとりだけテレビの向こうの視聴者の存在を知っていて、カメラ目線で語りかけ、状況説明するっていう。「みんな、久しぶり~」なんて、ああいう自由なところは本当に楽しいです。

――毎回の台本に、バイスのあの怒涛のおしゃべりがどこまで書かれていて、どこからが木村さんのアドリブなのか、自然な感じで盛られているのでなかなかわかりませんね。

台本にもバイスのセリフがしっかり書かれていますけど、僕がかなりアドリブをぶっこんでいますからね(笑)。その前に、スーツアクターをされている永徳さんが台本にない動きをいろいろされることもあり、どんどん膨らんでいく感じです。

――木村さんは、毎週の『仮面ライダーリバイス』をオンエアでご覧になっていますか。

なるべくリアルタイムで観るようにしています。自分でバイスの声を演じているにもかかわらず、子ども心に戻ってテレビを観ていると、バイスがこちら側を向いて話しかけてくれるというのは、すごくうれしい気分になりますね。僕は本人なので自分が自分に語りかける、独り言みたいになるわけですが(笑)、子どもたちは想像力がすごいですから、すんなりバイスと心がつながってくれると信じています。大人の方たちも同じ気持ちになってくれたらいいな、ワクワクしてほしいと願っています。