女優の瀧本美織が、「第33回フジテレビヤングシナリオ大賞」受賞作をドラマ化する『踊り場にて』(30日24:25~ ※関東ローカル)に主演することが17日、明らかになった。

  • 瀧本美織=フジテレビ提供

今年の「フジテレビヤングシナリオ大賞」は、昨年から411作品増えた応募総数1,978作品の中から生方美久さんの脚本『踊り場にて』が大賞に。プロのバレエダンサーを目指し海外で活動していた主人公・美園舞子が、夢を諦め高校教師として復職し、個性的な生徒たちとの交流を通して人生を見つめ直すというヒューマンドラマで、その主人公・舞子役に瀧本が決まった。

世界で活躍するバレエダンサーを目指していたが、夢破れ、平凡な高校教師に復職するという難役。繊細な感情の移り変わりが描かれるこの脚本の世界観を、瀧本は「セリフとして言っていても、相手のセリフを聞いていてもヒリヒリくるような、心に刺さる言葉がたくさんありました」と振り返った。また、台本上29行に及ぶ長セリフで生徒たちに語りかける心に刺さる授業シーンや、初挑戦のバレエシーンなど、多くの見逃せないシーンが盛り込まれ、瀧本にとってこのドラマは「私にとって全シーンが山場でした」と語るほど思い入れの強い作品となったようだ。

コメントは、以下の通り。

■瀧本美織
――大賞受賞作『踊り場にて』を読んでみての感想をお聞かせください。
「生徒達との会話劇に引き込まれ、読んでいて好きな台詞がたくさんありました。舞子の、先生だからといって格好つけず、生徒達ともありのままの自分で接する姿、距離感がいいなと思いました。夢と向き合い、どう折り合いをつけていくか、こんなポジティブな捉え方があるんだ!と新しい感覚でした」

――主人公・舞子を演じてみての感想をお聞かせください。
「セリフとして言っていても、お相手のセリフを聞いていてもヒリヒリくるような、心に刺さる言葉がたくさんありました。教室で生徒たちに向けて語るシーンでは、リハから涙があふれてしまうこともありました。その時生徒役の一人、中田青渚さんが“私がうるうるして見ていたら感情入り過ぎてしまったりしますか?”と聞きに来てくれ、“全然大丈夫、そんなこと全く気にせず自由にやってね!”と答えたのですが、その優しい気遣いに感謝するのと同時に、それくらいそのシーンが自分の心にもしみていたのだと思います。私にとって、全シーンが山場でした。自分が学生だった頃を思い出したり、お芝居を始めた10代の頃は制服を着ていたのに教師の役をいただき教壇に立っているんだな…と、教師の役も少し経験はありますが改めて感慨深くなりました。バレエも初体験させていただけて、良い経験になりました!トウシューズを履けてうれしかったです」

――瀧本さんが小さい頃の夢は何でしたか?
「小さい頃の写真を見るとそういうポーズばかりしているのですが、もうセーラームーンになるつもりでいました(笑)。小学生くらいの頃は絵を描くのが好きで漫画家にも憧れていたと思います。中学生の頃は、子どもが好きで職場体験の授業で幼稚園に行き、幼稚園の先生もいいなと思っていました」

――ドラマのテーマに思う事や視聴者へのメッセージをお聞かせください。
「新しい切り口で、夢との向き合い方を教えてくれるドラマだと思います。とにかく生徒の皆さんがユニークで、チャーミングです。青春が詰まっています。舞子としては、人との関わりの中で自分を肯定していく過程が描かれています。夢にまい進している方も、夢に悩んでいる方も、こんな捉え方もあるんだと、自由にみていただけたらうれしいです」

■プロデューサー・柳元大輝氏(フジテレビ第一制作部)
「新人脚本家の才能を発掘するヤングシナリオ大賞は、今年で第33回を数えることになり、ドラマ界の一線を担う多くの脚本家を輩出してまいりました。そして今回の大賞に選ばれたのは生方美久さんの『踊り場にて』になります。
誰もが多かれ少なかれ“夢”や“希望”をもって生きていると思います。でも、それが現実にかなうことは、なかなか難しいことです。しかし“現実って厳しい”で終わらせるのではなく、“どんどん諦めていこう”と肯定していく、諦めたらそこで終わりになるわけじゃないという点で、この物語のメッセージは、多くの人が共感できる内容であるとともに、踊り場に射す一筋の光のような温かさを感じました。
主人公の美園舞子は、個性の強い生徒たちとの関わりのなかで、どこか受け身で流されてしまうのですが、舞子は強い芯のある女性だと考えていました。バレリーナの夢を諦めてから、高校教師として自分の居場所を見つけ、再び立ち上がる一人の美しい女性の物語、その凛(りん)とした強さを演じられるのは瀧本美織さんしかいないと考え、今回オファーさせていただきました。
瀧本さんには、今回バレエに初挑戦していただきました。冒頭のコンサートホールのシーン、そして踊り場にたたずむ舞子のラストシーンは、ヤングシナリオ大賞の歴史に残る美しいシーンになっていると強く感じております!是非ご期待ください!」

■演出・柳沢凌介氏(フジテレビ第一制作部)
「“諦める”という言葉はどうしてもネガティブなイメージを持ってしまう言葉だと思います。しかし、“諦める”という言葉の本来の意味を、瀧本さん演じる夢を諦めた主人公が、夢に、将来に、恋に悩む様々な生徒たちとの交流を通して教えてくれます。個性豊かなキャラクターたちの掛け合い、素敵な踊り場、みどころたくさんです。ぜひご覧ください」

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