仕事や習い事などで着物を着用する人でないと、イベント以外で着物を着る機会はそう多くないもの。初詣はきちんとした服装で行くものとされており、せっかくだからと着物を着用する人は多く、着物を着やすいイベントです。
しかし、着物を着慣れていない人ほど、どんなことに気を付ければいいのかわからない人も多いでしょう。
この記事では、初詣に着物を着る際の注意点やメリット、初詣にふさわしい着物の種類などを紹介します。
せっかくだから初詣に着物を着たいと考えているなら、ぜひご一読ください。
初詣は着物を着やすいイベント! 着物で初詣に行くメリットとは
日本の伝統的衣装である着物ですが、近年ではなかなか着る機会がないという人が多いもの。神社に参拝する時には、できるだけ改まった服装にするのが望ましいので、着物で行くのもおすすめです。ここでは、着物を着て初詣に行くメリットを紹介します。
意外とあたたかい
振袖や留袖などの袷の着物には、浴衣とは違って裏地が付いています。風を通しにくいため、あたたかいのが特徴です。
また、着物の他に長襦袢やタオルでの補正、帯などを付けますので、何枚もの布が重ねられています。冷気を通しにくく、冬でもあたたかいです。
着物を着ている人が多いため目立ちにくい
普段の街中で着物を着ていると目立つので、気恥ずかしさを感じてしまうという人もいるかもしれません。初詣の際は着物を着ている人も多く目立ちにくいため、普段は気後れしてしまうという人でも、着物を着やすいでしょう。
晴れやかな気分になれる
着物のなかでも振袖は未婚女性の正装といわれており、豪華さや華やかさを感じさせます。華のある振袖をまとうことで気分も晴れやかになり、改った気持ちで新年を迎えられます。
振袖以外にも、華やかな柄の入った訪問着や付下げ、おしゃれな小紋・紬など、着物をまとうことで、日常とは違う新たな気分を味わうことができるでしょう。
初詣に着物を着る際の注意点
普段から着物を着慣れていない人も多いでしょう。初詣に久しぶりに着物を着るという際に、気を付けたいポイントを紹介します。
着崩れしないよう注意
着物を着た際には、着崩れに注意が必要です。とくに、人混みでは裾に注意しましょう。着物の裾は草履すれすれか長めになっています。もし自分や誰かに裾を踏まれてしまうと、着物が引っ張られて着崩れてしまいます。
階段を上がる際などには自分で踏むことも多いので、階段では右手で裾を軽く持ちあげ、足もとに気をつけながら上り下りしましょう。
足元に防寒対策しておく
着物は腰から上は何重にもなっているので寒さを感じにくいですが、足元は空洞になっているので寒さを感じることもあります。冷え性で寒さを防ぎたいなら、和装用ストッキングやレギンスなどで対策しておきましょう。
靴ずれ対策をしておく
普段から草履を履く習慣がないと、履き続けていると指の付け根や足の甲が擦れてしまうことがあります。悪化すると水ぶくれになってしまうことも。
心配であれば、靴ずれしそうな場所へあらかじめ絆創膏を貼っておくか、草履用のジェルパットを使うなどの方法で、対策しておきましょう。あらかじめ貼っておかない場合も、絆創膏を用意しておくと、いざというときに安心です。
お手洗いを済ませておく
初詣の混雑が予想される神社では、境内への入場制限を行う場合もあります。人混みの中、慣れない着物でお手洗いに行くのは大変ですし、行くことで着崩れする可能性も高くなります。
できるだけお手洗いは事前に済ませておきましょう。
早めに着付けの手配をしておく
初詣に着物を着たいと考える人は多いので、美容院や着付けサービスは大変混雑します。また、元日には営業していない美容院もあるでしょう。
直前になると予約できないこともあるので、早めに美容院や着付けを予約しておきましょう。
初詣にふさわしい女性の着物とは
ここからは、女性が初詣に着用するのにおすすめの着物をみていきましょう。
10代・20代は振袖がおすすめ
振袖とは、丈の長い袖が付いた、未婚女性の礼装用着物です。振袖は若い女性だからこそ着ることができる着物で、初詣に振袖を着ると場も華やぐもの。
とくに成人式や卒業式用に振袖を購入した人は、初詣に着物を着ることが多いようです。
おしゃれさ重視なら小紋や紬
女性が初詣に着用する着物の種類にルールはありません。普段着用の小紋や紬を初詣に着ても、マナー違反にはなりません。
高価な訪問着や振袖は仰々しいと感じる場合には、小紋や紬で初詣に出かけるのがおすすめです。
フォーマルな装いにしたければ訪問着
既婚の人や、振袖を着るような年齢でなくても華やかな着物を着たい人には、訪問着がおすすめです。 フォーマルな席でも着ることができ、絵羽模様の美しい訪問着を着用することで、お正月らしい晴れやかさや特別感を演出できます。
男性が初詣に着物を着る際のポイント
初詣など、お正月には着物を着る男性も多いでしょう。男性が初詣に着物を着る際の着物選びのポイントを紹介します。
プライベートであれば好みに合う装いがおすすめ
家族と参拝に行く場合など、個人的に初詣の参拝に行くなら、好みに合う着物で問題ありません。ルールを意識し過ぎず、自分の好みに合わせながら、着物のおしゃれを楽しみましょう。
フォーマルな集まりとして初詣に行くなら失礼のない装いにする
職場で集まって初詣に行く場合や、初詣後に挨拶回りに出かけるような場合には、カジュアルになり過ぎないように注意しましょう。少し改まった場であることを意識して、無地の着物に白足袋をあわせるなど、失礼のない装いにしましょう。
羽織を加えると改まった印象になる
男性が初詣に出向く際に一般的なスタイルが、着物と羽織の組み合わせです。
羽織は洋服だとジャケットにあたり、羽織を着用するだけで改まった印象を与えられます。フォーマルな集まりに出向く際など、ラフになり過ぎないようにしたければ、羽織を加えるといいでしょう。
初詣の着物はレンタルもおすすめ! レンタルできるお店とは
自分で着物を持っていなくても、レンタルすれば気軽に着用できます。ここでは、初詣用の着物をレンタルするのにおすすめのお店をみていきましょう。
近隣の着物レンタル専門店
着物レンタル専門店では、たくさんの着物の中から好みに合うものをレンタル可能です。低価格に設定されているお店や振袖専門店、バッグや草履、髪飾りなど必要なものがすべてそろうセットプランが用意されているお店もあります。
ただし、人気がある柄はすでに予約されていることも多いので、早めに手配しましょう。
呉服店
呉服店とは、着物や反物を扱う専門店です。着物の販売だけでなくレンタルも行なっているお店もあり、取り扱う着物の種類も豊富です。また、着付けのサービスを行うなど、着物に関するサービスが充実しているのも魅力です。
それぞれの呉服店によってサービスも異なるため、その店のサービス内容などを事前に確認した上でレンタルしましょう。
ネットの着物レンタル専門店も増えている
ネット上で手軽に着物をレンタルできる専門店も増えています。着物を専業で扱っているため、改まった着物からカジュアルな着物までバリエーションが多いのが特徴。また、全国の顧客が対象なので、実店舗に比べて扱っている着物の種類もたくさんあります。
ただし、着付けやメイクは料金に含まれていない点や、実物が事前に確認できない点など、注意点は事前に確認したうえで利用しましょう。
初詣なら気軽に着物を着用しやすい! 思い切って着てみましょう
初詣で着る服装にルールはありませんが、あらたまった服装で出向くのが望ましいとされています。周りに着物を着ている人も多く、気軽に着物を楽しめるイベントでもあります。着物で出向くことで晴れやかな気持ちになれますし、意外とあたたかいです。
しかし、初詣は混雑することも多いので、お手洗いを済ませておくことや、着崩れしないようにすることなど、いくつか気を付けたい点もあります。また、自分で着付けができない人は、早めに着付けを手配しておく必要があります。
初詣にふさわしい着物は、年齢やシチュエーションなどによって異なります。しかし、プライベートでの初詣なら、好みに合う装いを楽しむのがおすすめです。
新年のはじめに、着物を着て晴れやかな気持ちで氏神様へ新年のあいさつをしてみてはいかがでしょうか。