「アバウト」は、もともと英語ですが、日本語でも日常的に使われる表現です。中学英語の段階で学ぶ「アバウト」という英単語には、さまざまな意味があります。
本記事では、「アバウト」の日本語、英語それぞれの意味や使い方を、例文とともに解説します。類語、熟語などもまとめました。
日本語のアバウトの意味とは
日本語における「アバウト」は、英語の「about」の副詞の意味を転用した言葉で、いい加減なさまや大まかな様子を表す際に使用されます。
日本語での「アバウト」は適当な人や雑な様子を表現する際に使用することが多く、後述する英語でのほかの意味で使うことはほとんどありません。
英語のaboutの意味
そもそも中学英語で登場する「about」という単語は、幅広い意味で使われる言葉です。英語ではどのような意味を持っているのかきちんと覚えているでしょうか。
ここでは、英語「about」の代表的な意味について解説します。
だいたい~、約~、およそ~
「アバウト」は「だいたい、約、およそ」の意味で使われます。数字と一緒に使うことが多く、時間や距離などを表すシーンでよく耳にするでしょう。「about 9:00」と表現すれば、「大体9時」という意味になります。
・about the end of January (1月の終わりごろ)
・He is about the same age. (彼はだいたい同じ年齢だ)
ほぼ、ほとんど(口語的)
「アバウト」が会話の中で用いられる場合は、「ほぼ、ほとんど」の意味を表します。「almost」と同じような意味で使われることも多く、呼びかけのシーンで使われます。
・Is the work done?/Just about. (仕事は終わったの?/ほとんど終わりました)
・Hey, dinner is about ready. (夕飯がそろそろできるよ)
・It's about time you got up. (そろそろ起きる時間だよ)
~について
「アバウト」は、「~について、~に関して、~の」といった意味で使用されることが多く、話題にしているものが何なのかを表す場合に用いられます。例文を見てみましょう。
・He talked about the zoo. (彼は動物園について話した)
・a book about animals (動物に関する本)
~に従事して、~に取り掛かって
「アバウト」は「~に従事して」という意味もあります。「set about ~」とすると、「~に取り掛かって」という表現になります。
・I've set about the work. (今、仕事に従事している)
・What are you about? (何をしているの?)
アバウトの類語・言い換え表現
日本語における「アバウト」の類語を紹介します。
大雑把(おおざっぱ)、大まか(おおまか)
大雑把や大まかは、細部まで正確ではなく雑である様子や、細かいことにこだわらず全体を大きくとらえるといった意味があります。
いい加減
いい加減は、仕事を最後までやり遂げず途中で投げ出す、無責任といった意味があります。
アバウトを含む熟語や表現
アバウトを含む熟語や表現も見ていきましょう。
アバウトな人
アバウトな人というと、性格が雑でずぼら、いい加減でだらしない、適当な人といったニュアンスになります。基本的にいい意味では使われません。
細かいことを気にしてくよくよしたり動じたりしない、という褒め言葉の意味では、アバウトは使えないので注意しましょう。その場合は「大らか(おおらか)」や「豪胆」「豪快」などが当てはまるでしょう。
アバウトアス(about us)
こちらは英語の意味として3つ目に紹介したものにつながりますが、「私たちについて」という意味です。会社のホームページなどにおいて、「About us」と書かれたメニューやページを見掛けることも多いですね。その場合は会社概要やメンバー紹介、理念などが書かれていることが多いようです。
アバウトの使い方と例文
「アバウト」を英語で使うときは悪い意味を含まないことも多いですが、日本語で使う場合はネガティブなニュアンスで表現されることが多いです。
「アバウトな性格」は「おおざっぱで雑な性格」と言い換えることができますし、「アバウトな仕事」というと「適当な仕事っぷり」をイメージさせられます。
・あの人はアバウトな人だから仕事を任せたくない
・アバウトなチェックだから食べ物を持ち込んでもバレない
・こんなアバウトな計画では失敗が目に見えている
このように、日本語で「アバウト」はいい加減で雑な様子といったネガティブなニュアンスを持つ表現となり、英語での意味とは異なるので注意して使用しましょう。
アバウトとは日本語では一般的にネガティブな意味なので注意しよう
「アバウト」という言葉は、英語においては幅広い意味を持つ単語ですが、日本語で使う場合は「大雑把な」「いい加減な」「雑な」といった意味で表現されます。
「アバウト」は、日本語では基本的にネガティブなニュアンスで使われる言葉ですので、使うシーンには注意しましょう。