大分県は12月13日、新たなシティプロモーション「宇宙ノオンセン県オオイタ」をスタート。これまで「日本一のおんせん県おおいた」のキャッチコピーを掲げていたが、早ければ2022年に大分空港が宇宙船の離着陸場である「宇宙港」となることから、このプロモーションを開始したという。
大分空港がアジア初の水平型宇宙港に
2020年4月にアメリカのヴァージン・オービット社(カリフォルニア州)と大分県がパートナーシップ提携をしたことで、大分空港がアジア初の水平型宇宙港となることが決定したことがきっかけ。
ほとんどのロケットの打ち上げは空に向かって垂直に行われるが、この「水平打ち上げ方式」は人工衛星を搭載したロケットを翼につけた航空機が一旦空港から上空に飛び立ち、その後、空中でロケットを打ち上げる。垂直に打ち上げるのに比べ大がかりな施設が不要で、周囲の環境に与える影響も低いのが特徴だ。
早ければ2022 年には大分空港から初となる人工衛星の打ち上げを予定しており、2022年以降の10年間で20回打ち上げる見込み。打ち上げに直接かかわる産業の創出や、大分空港とその周辺エリアへの観光客の誘致、宇宙に関連した新ビジネスの創出などを目指し、2022年以降の5年間で約102億円の経済波及効果を見込んでいる。
宇宙飛行士の山崎直子氏も応援
「宇宙ノオンセン県オオイタ」がお披露目された会見では冒頭、広瀬勝貞大分県知事がビデオメッセージで「(これまでの)『おんせん県おおいた』を宇宙規模に拡大し、『宇宙ノオンセン県オオイタ』として宇宙規模で愛されるおんせん県にするために、熱く取り組みたい」と話した。
さらに会見には特別ゲストとして宇宙飛行士の山崎直子さんが登壇。本プロモーションのポスターについて「すごくインパクトがありますよね。宇宙と温泉という組み合わせは興味を引きます」と注目している様子。「大分県は着々と実績を積み上げていらっしゃるので、さらに大分県からその取り組みを発信されることを期待しています。それが日本全体に良い波及効果、相乗効果となり、日本の宇宙開発が発展することでまた世の中に還元されればよいですね」と話した。
前澤友作氏が宇宙に飛び立ったことについて聞かれると「職業宇宙飛行士以外の方も宇宙に行く時代が開かれてきたんだなと思いました」と語り、90歳で宇宙に5分間滞在した人を例に挙げ、「宇宙に行くということに関しては年齢制限もありません。この記録を誰が破ってくれるのか楽しみです」と今後の展開に期待を寄せた。
新たなプロモーションの内容は?
「宇宙ノオンセン県オオイタ」プロモーションでは12月13日から2022年2月28日まで、公式ホームページの公開、各種SNSなどを通じて情報発信が行われるほか、大分県内の温泉旅館やホテルなどでのサービスが行われる。
「宇宙人U」が大分県内を周遊しながら気に入った観光スポットを配信するInstagramアカウント(@alienuoita)や、大分県内の温泉旅館・ホテルで宿泊者が「宇宙人である」ことを自己申告するとプレゼントや特典があるなどとてもユニークな内容だ。
さらに、公式ホームページでは大分県内で宇宙人が目撃されたり、 UFOやミステリーサークルが突如現れたりするPR動画を公開。
「宇宙港だけで成り立つものではなく、地域に根差し、核としながらみんなで盛り上がっていけたらいいなと思います。本当に宇宙人が来てくれたらいいですよね!」と山崎さんが話していると、会見の最後には登場した宇宙人が登場。驚きつつも「本当に宇宙人がいましたね!」と笑顔を見せ記念撮影に応じていた。