フジテレビは13日、同局系情報番組『バイキングMORE』(毎週月~金曜11:55~)を来年春で終了すると発表した。MC・坂上忍が自身のライフワークである動物の保護活動に注力したいと申し出て、番組を卒業することになったことを受けたもので、後番組は未定。

  • 坂上忍(左)と伊藤利尋アナウンサー=フジテレビ提供

『バイキングMORE』は、31年半続いた『笑っていいとも!』の後を受けて、2014年4月1日にスタート(当時のタイトルは『バイキング』)。放送開始当初は11時55分から13時の生放送情報バラエティ番組として坂上は月曜日の曜日MCを務めていたが、15年から「バイキング総合MC」として全曜日に出演することになり、現在の番組スタイルの礎を築いた。

16年春の改編から、放送枠が11時55分から13時45分へと拡大、坂上を中心に、社会問題などに対して見応えのある生激論が話題に。2016年年末に『バイキング・ゴールデン』、17年と18年の年末にも『バイキング・ザ・ゴールデン』としてゴールデン帯への進出も果たした。

20年秋の改編では11時55分から14時45分と約3時間の長尺生番組となり、番組名も『バイキングMORE』に改題。制作チームもバラエティから情報番組に代わり、進行MCに伊藤利尋アナウンサーを迎え、現在に至る。

来年2月をめどに動物の保護活動をメインとした施設が完成することから、番組を卒業したいとの坂上からの申し出を受け、フジとしては来年春の改編で番組に幕を下ろし、新番組をスタートさせることになる。坂上の保護活動の様子は同局系『坂上どうぶつ王国』(毎週金曜19:00~)で引き続き、伝えていく。

14年4月1日から21年12月3日まで放送1,962回の番組平均個人全体視聴率は2.2%(世帯4.6%)。20年5月4日の放送では、個人全体、世帯ともに番組最高視聴率を獲得した(個人全体4.7%、世帯8.4%、いずれもビデオリサーチ調べ、関東地区)。

コメントは、以下の通り。

■坂上忍
『笑っていいとも!』という国民的人気番組の後を引き継いだことから、『バイキング』が重責の中のスタートとなったのが、8年前。当初は月曜日のみの担当でしたが、翌年には全曜日を任されることに。「とうとうフジテレビさんは血迷ったな」とおもいつつ、この逆風を、どのようにすれば味方につけられるのか?日々スタッフさんと侃々諤々(かんかんがくがく)、試行錯誤しながら、結果的には8年という歳月を共に過ごさせて頂くことができました。これもひとえにスタッフの皆様の尽力のおかげであり、“本音トーク”といった大きな方針転換があったにもかかわらず、リスクを顧みず持論を展開してくださった共演者の方々の勇気の賜物だとおもっています。
そんな中、2年ほど前からでしょうか。どこかで“区切り”をつけなくてはとおもいはじめたのは...。
当初は、まる10年は務めを果たさなければならないのかなと。10年やり切って、はじめてご恩返しと言えるのかなと。そんな中、こちらもフジテレビさんでお世話になっている『坂上どうぶつ王国』で、わたしの終活作業である、動物の保護活動をメインとした施設が、来年の2月をめどに第一期の工事が完了し、4月から保護活動ができることとなりました。そこで、まことに勝手な想(おも)いではあるのですが、このタイミングが番組を卒業する“区切り”としては、ベストなのではないかと。保護活動は片手間でできる作業ではありませんし、我が儘(わがまま)が許されるのであれば、『バイキング』に費やしていた時間を、動物と向き合う時間にあてさせて頂くことはできませんか? とお願いした次第です。
役者畑からバラエティの世界に呼んで頂いて、ちょうど10年ほど。一心不乱に働きました。働いた分だけの迷惑もおかけしてしまいました。『バイキング』に携わった関係者の皆様には、感謝しかありません。現場のスタッフのみなさんが共に闘ってくださり、時に守ってくださったからこそ、今のわたしがあるのだとおもっています。
そして、わたしのような頑固なおじさんを、生放送の枠で起用し続けて下さったフジテレビさんには、“ありがとうございました!”の気持ちでいっぱいです。とはいえ、ご迷惑でしょうが.....まだ引退とはなりません。動物たちのためにも、まだほそぼそと稼がせて頂きます(笑)
今後とも、宜しくお願い致します

■加藤正臣チーフプロデューサー
この度、坂上さんから卒業の提案を受けて、大変残念ではありますが番組の幕を下ろすこととなりました。『バイキングMORE』を“情報”と“笑い”の絶えない独自の“ホンネトークショー”として作り上げ、8年にも渡りお昼の生放送を支えて頂いた坂上さんには感謝の思いしかありません。
番組を楽しみにしてくださってきた視聴者の皆さまのために、常に変わらぬ情熱でスタジオから発信し続けた坂上さん、出演者の方々、そしてスタッフと共に、最後まで全力で番組をお届けしたいと思っています。

(C)フジテレビ