句読点は、文章を読みやすくしたり、意味を正しく伝えたりするためのもの。「、」や「。」のことですが、どっちが句点でどっちが読点かわからないという人もいるかもしれません。また、「句読点のぶら下げ」の意味とは何でしょうか。
本記事では句読点の読み方や意味、かっこがある時の打ち方のルールなどをご紹介。普段、何気なく句読点を打っているという方はぜひ参考にしてください。
句読点とは
まず、句読点の読み方や句点と読点の意味などを確認しましょう。
句読点の読み方
「くとうてん」と読みます。「読点」は「どくてん」ではなく「とうてん」と読むので注意しましょう。
句読点はどっちが句点? 読点?
「。」(丸)が句点で、「、」(点)が読点です。一般的に句点は80文字前後で1回、読点は2~30文字前後に1回打つことが好ましいとされています。
句読点の意味
句読点は、文の切れ目や文中の意味の切れ目などに用いられる記号のことです。「ここで文が変わる、意味が変わる」という目印になるので、句読点を活用すれば読者が文章を理解しやすくなります。
一般的には句点と読点を指しますが、感嘆符(!)、疑問符(?)、ナカグロ(・)などをひっくるめて「句読点」とする場合もあります。
なお、句読点は「句読点を打つ」と表現します。
句読点は、結婚式のマナーではNG
句読点は「終止符を打つ」という意味合いがあるとして、結婚式の招待状などには使わないというマナーがあります。句読点を打つ必要のある部分には、代わりにスペースを挿入します。
句点の打ち方のルール
句読点の打ち方には、基本的なルールがあります。例文を交えて紹介しますので、確認しましょう。まずは「。」(句点)の打ち方のルールから見ていきます。
感嘆符や疑問符のあとには打たない
句点は文章の最後に付けますが、感嘆符(!)や疑問符(?)がある場合には句点は付けません。記号が連続して不格好になるからです。
例文
・田中さんを見かけませんでしたか? 午後の会議にご出席の予定なのですが。
・ゴールまで気を抜かずにがんばってください!
なお、文章が続く場合には感嘆符や疑問符のあとに「半角スペース」などを入れると、字間が空くので読みやすくなります。
句点はかっこの文末に打たない
一般的に、句点は「」(かぎかっこ)内の文末にも打ちません。ただし、かっこが2文以上からなる場合には、1文目の文末にのみ句点を打ちます。なお、かっこが感嘆符や疑問符で終わる際は句点は必要ありません。
例文
・彼女は「一緒にがんばろう」と微笑みながら言った。
・子供たちは「明日は晴れるかな。晴れたらお出かけしたい!」と口々に叫んだ。
このルールは出版業界などで標準的です。しかし、国語の教科書のなかには、かっこの文末にも句点を打っているものもあります。念頭に置いておきましょう。
句点はかっこの内容で打つ位置が変わる
語句の意味を解説したり内容を補足したりするために、()で注釈を付けることがあります。()は「まるかっこ」と読みます。この場合の句点の位置は注釈の入れ方によって変化します。以下の例文を見てください。
例文
・私は料理が大好きだ(最近はできていないが)。
・最も大きな危険は勝利の瞬間にある。(ナポレオン)
・どの国の言葉でもそうですが、とりわけ韓国語の難しさは発音にあるといっても過言ではありません。(今井久美雄著『3パターンで決める日常韓国語会話ネイティブ表現』)
2つ目、3つ目の例文のように、人物の名言や書籍の一部を引用する場合は、いったん句点で文章を終わらせてから()でその引用元を表記するのが一般的です。
読点の打ち方のルール
次に、「、」(読点)の打ち方のルールです。読点には句点のように明確なルールはありませんが、どこに打つかによって文章の意味が変わったりわかりにくくなったりしますので注意が必要です。
主語が長い場合には主語のあとに打つ
文章は「何が、どうした」という主語と述語が明確であれば、わかりやすくなります。主語が長い場合には主語のあとに読点を打つとよいでしょう。
例文
・昨年から継続してきたチームの努力は、たとえ上司に評価されることはなくとも無駄にはならないだろう。
意味のひとまとまりに打つ
読点のない文章は、ダラダラと続いてとても読みづらいものになってしまいます。語句を並べているところ、意味がひとまとまりになっているところには、区切りとして読点を打つようにします。
例文
・みんな精いっぱいこの事業に取り組んできたが、思ったような成果が見込めないとなれば、CEOを辞任しようと思っている。
・校外学習には、お弁当、飲み物、ひとり500円分のおやつを持参してください。
違う意味にも捉えられそうな場所に打つ
修飾語を入れる場所があいまいだと、違う意味にとられてしまう場合もあります。以下の例文では、上と下で意味が異なることがわかります。
例文
・彼は無表情で、バスを待つ私に声をかけてきた。
・彼は、無表情でバスを待つ私に声をかけてきた。
正しく理解してもらうためにも、読点を打って文章にまとまりを作りましょう。
句読点のぶら下げとは
パソコンなどで文章を作成するとき、ちょうど文章を折り返す部分に句読点がくることもあるでしょう。しかし、文頭が句読点から始まってしまっては不格好です。
MicrosoftWordでは、句読点を前の行に入れ込んでから折り返すように設定することができます。これを「句読点のぶら下げ」と言います。
【句読点のぶら下げがない場合】
大豆には女性にうれしい成分が含まれているので
、毎日食べている人が多い。
【句読点のぶら下げがある場合】
大豆には女性にうれしい成分が含まれているので、
毎日食べている人が多い。
句読点は英語でどう表す?
句読点は英語で、「punctuation」や「punctuation mark」と言います。動詞は「punctuate」となり、「句読点を打つ」という意味です。ほかに「put punctuation marks」や「insert punctuation」なども句読点を打つという意味になります。
句点(.)は「period(ピリオド)」、読点(,)は「comma(カンマ)」と言います。日本語と同じように、文章を一区切りさせたり意味をまとまりに分けることでわかりやすくしたりする役割があります。
例文
- As soon as I left home, it began to rain.
(家を出てすぐに、雨が降り始めた)
- Although we postponed our wedding party many times, a lot of friends attended it eventually.
(何度も結婚披露パーティを延期したにも関わらず、最終的に多くの友達が参加してくれた)
読みやすい文章とは、句読点の打ち方次第
句読点は「。」が句点で、「、」が読点です。どちらも文章をわかりやすくするために必要なものですが、打つ場所を間違えたり闇雲にたくさん打ったりすると、途端に読みづらい文章になっていまいます。
また、句読点は「終止符を打つ」との意味から、結婚式の招待状や席次表などには使われません。文章の見栄えを整える「句読点のぶら下げ」などの機能も覚えておきましょう。