「カリスマ美容師」「カリスマモデル」など、日常生活でよく聞かれる「カリスマ」という言葉。なんとなくプロや魅力的な人という意味はわかっていても、正しい意味を説明できる人は少ないかもかもしれません。
本記事では、「カリスマ」の正しい意味や使い方、具体的にどのような人をカリスマと呼ぶのかについて解説します。類語や語源もまとめています。カリスマという言葉について理解を深め、適切な場面で使えるようにしましょう。
カリスマとは? 基本的な意味を簡単に解説
まずはカリスマの基本的な意味を見ていきましょう。
カリスマとは、他者を惹きつける能力や非日常的な資質、またそれを持つ人物のこと
カリスマは、人の心を惹きつけるような強い魅力のことや、その魅力を持っている人のことを意味する言葉です。
また、超自然的、超人間的な力を持つ資質のことや、非日常的な能力のことを指す場合もあります。例えば、預言者や呪術者などがこれにあたるとされてきました。
カリスマの歴史
次に、カリスマという言葉がどのように生まれ、どう浸透したのか、その歴史を見ていきましょう。
カリスマの語源・由来は旧約聖書
カリスマは、ギリシャ語で恵みや恩愛を意味する「カリス」が語源だと考えられています。そこから転じて、現代のような意味になったようです。
旧約聖書や新約聖書にもカリスマという言葉が出てきており、「罪からの救い」や「神様からの賜物」を意味する言葉として使用されています。
社会学者のマックス=ウェーバーが「カリスマ的支配」を提唱し浸透
ドイツの社会学者であるマックス・ウェーバーが支配体系の一つとして「カリスマ的支配」を提唱したことにより、日常的にも使われるようになりました。
カリスマが日本で広まったきっかけは「美容師」
ギリシャで生まれたカリスマという言葉が、日本で広まったきっかけは美容師の深夜番組であったとされています。1999年の4月に放送されていた、都内の美容師を集めて対決する番組『シザーズリーグ』で「カリスマ美容師」という表現を用いたことがはじまりといわれています。
人の心を魅了する美容師という意味で使われた「カリスマ美容師」という言葉をきっかけにブームとなり、カリスマはこの年の流行語大賞を受賞しました。
「カリスマ美容師」以外にも、当時「カリスマモデル」「カリスマショップ店員」など、カリスマを使った言葉が日本で流行しました
カリスマの類語・言い換え表現
カリスマと似た意味を持つ言葉について解説します。
タレント・才能
「タレント」や「才能」は、ある特定の分野において秀でた能力や強い魅力を持っているという意味の言葉です。
「タレント」は個人が持っている能力のことをいい、「才能」は物事を巧みになしうる生まれつきの能力のことを指します。
スター・有名人
「スター」「有名人」は、高い知名度や技能や実力が評価された人のことです。
「スター」はある分野に長けている人や顕著な実力がある人を指し、「有名人」は多くの人に名前が知られている才能ある人のことを意味しています。
カリスマの対義語
カリスマの対義語となる言葉について説明します。
いぶし銀
「いぶし銀」とは、派手さや華はないけれど実力があるとされる人を表す言葉です。
例えば、脇役として名を挙げている俳優や、表舞台には出ないけれど実力が認められている裏方の人などを指すときに使います。カリスマのように目立つわけではないけれど、重要な役割や実力を持っている人を指します。
地味
派手さや華のないことだけに着目するのであれば、「地味」という言葉が対義語として適切でしょう。目立たないこと、控えめなことを意味するため、カリスマの華やかさとは反対を意味する表現です。
実力や能力については言及しない言葉であるため、単に華々しさの面で対比したいときに使いましょう。
カリスマの使い方と例文
カリスマの意味を把握できたところで、正しい使い方もマスターしましょう。例文と併せて紹介しますので、使う場面をイメージしながらチェックしてみてください。
「カリスマ〇〇」「〇〇のカリスマ」
ある特定の分野において、実力や才能を持ち、人気を集めている人を表したいときには、「カリスマ〇〇」「〇〇のカリスマ」というように表現します。日本で広まるきっかけにもなった「カリスマ美容師」などがこれにあたります。
「カリスマモデル」「野球界のカリスマ」「10代のカリスマ」など分野や職業と組み合わせることで、その分野におけるプロといった意味合いで使います。
「カリスマ性がある」
「カリスマ性」とすれば、評価されている実力や才能の素質のことを言い表すことができます。「彼女にはカリスマ性があるので、プロジェクトを任せたい」「彼はカリスマ性があり、人気者だ」というように、その資質について言及したいときに使用する表現です。
「カリスマ的存在」
多くの人に評価されている、人気があるといった意味合いで使いたい場合は、「カリスマ的存在」と表現しましょう。カリスマは実力や才能があるだけではなく、人気を集めていて支持されていることにも使える表現です。
「彼はカリスマ的存在として、多くの人から慕われている」「この会社で彼女はカリスマ的存在なのだ」というように使用します。
カリスマと呼ばれる人の特徴
カリスマとは、具体的にどのような人なのでしょうか。ここでは、カリスマと呼ばれる人の特徴についてまとめました。
自己肯定感が高く、自分に自信がある
カリスマと呼ばれる人の特徴の一つに、自己肯定感が高く、自分を認めることができるという点が挙げられます。こういったカリスマ性のある人は、周囲から頼りにされることが多い傾向にあり、考えや意見がぶれないことから信頼されやすくなります。
一方、自信がなく意見がコロコロ変わる人は、信頼を得ることはなかなか難しいでしょう。
思いやりがある
カリスマ性がある人として周囲に慕われるということは、人に対して思いやりや理解がある人物であると考えられます。相手をよく観察し、心の動きや感情を察することができるため、人から尊敬の目を向けられやすいのです。
人の気持ちがわかるということは、多くの人の希望や期待に応えることができるといえます。
感情的にならずに冷静
予想していない出来事や思いがけない事態に直面したときには、どんな人でも冷静さを欠いてしまうものです。
しかし、カリスマ性を持っている人は、その状況に動じていたとしてもそれを表面に見せることはありません。周りからは感情的にならずに冷静な判断をしているように見えるため、周囲は安心感を得ることができます。
行動力がある
カリスマと呼ばれる人は、何をするにしても自分から行動していくのも特徴の一つです。普通の人ではひるんでしまうことでも成し遂げてしまう行動力を持ちます。
また、一度決めたことや任されたことは、最後までやりきる責任感を持っているのも特徴です。途中で投げ出したりせず、何とかやり抜こうとする姿勢もカリスマと呼ばれる重要な要素といえます。
日本でカリスマが浸透したのは美容師がきっかけ
カリスマは影響力を持つ人や実力や才能のある人、その素質を意味する言葉です。もともとはギリシャで生まれた言葉ですが、日本では1999年に放送されていた美容師出演の深夜番組がきっかけとなり、広まったとされています。
使い方としては、「カリスマ〇〇」「カリスマ的存在」のような言い回しが一般的です。ある物事において秀でた能力を持っていることを表現したい場合に使います。
また、カリスマと呼ばれる人は自己肯定感が高く、行動力がある傾向にあります。カリスマ性を持つ人に少しでも近づきたいのであれば、まずは日頃の行動を見直してみることから始めてみてはいかがでしょうか。