つみたてNISAは投資信託の積立なので、いつかは売却することになります。しかしどう売却するのか、あまり考えていない方も多いのではないでしょうか?

投資では、いつから・どの程度の量を売却するのか、出口戦略を想定することも重要です。そこでこの記事では、つみたてNISAの銘柄の売却方法について、いくつかのアイデアを紹介します。

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まずは資金の使い道を決めることが大切

売却方法を考える前に、そもそも資金を何に使うのか決めましょう。つみたてNISAで積み立てた資金の使い道は主に以下と考えられます。

・老後の年金収入では足りない分に使う
・住宅ローンなどの繰上返済に使う
・住宅のリフォーム費用や買い替え資金として使う
・子どもの進学費用に使う
・介護資金にする

大別すると、まとまった支払いに充当するパターンと、老後の生活のためなど毎年少しずつ使うパターンになります。ここからは、それぞれのパターンにおける売却方法の考え方について見ていきましょう。

まとまった費用の支払いに充てる場合

できるだけ長く運用に回し、資金が必要になったタイミングで売却するのが基本です。ただし株式市場の暴落など、その時点の相場が思わしくない状況になっていることも考えられます。

そこで資金が必要となる時期の2~3年ほど前から、相場をチェックする頻度を上げましょう。

1.含み益が出ている場合

順調に運用して購入時より基準価額が上がっていれば、含み益が発生します。基準価額が大きく上昇したタイミングがあれば、そこを見計らって売却することになります。

さらに上昇するかもしれないと考えるなら、半分だけ売って利益を確定しておき、残りは運用を続けてから売却するのもおすすめです。

相場の読みに自信がない人にとっても、複数回に分けて売却するのは有効な方法です。売却のタイミングを分散させることにより、リスクを低下させることができます。

2.含み損になっている場合

含み損が出ているときは難しい判断になりますが、資金を必要とするタイミングまでに相場が回復するのかをよく考えてください。

たとえば2020年1月~3月の新型コロナショックの場合、国内の株式相場は1年以内に回復しました。 一方で2008年のリーマンショックの場合、下落前に戻ったのは2013年であり、回復までおよそ5年かかっています。

回復すると判断するなら分割での売却は行わず、資金を必要とするタイミングまですべて売却を後ろ倒しにします。相場のチェックを続け、回復したタイミングで売却します。

回復しない、もしくはさらに下落すると判断したら、分割または一括での売却を行います。

老後の生活費に充てる場合

つみたてNISAの資金を、年金だけでは足りない分に回したいなら、毎年少しずつ取り崩すことをおすすめします。運用期間をできる長くするほうが、資金の減少スピードを緩めることができるからです。

つみたてNISAの非課税期間は20年間なので、多くの方は老後前または途中で非課税期間が終了し、課税口座で運用することになります。しかし非課税メリットがなくても、運用を続けると運用益を得られるので、続ける価値があります

たとえば1,200万円の資金を20年で使うとするなら、毎年60万円の売却です。単純計算で毎月およそ5万円を生活費に充てることができます。

ただし取り崩している最中に株式市場の暴落があると、相場の回復までしばらく時間がかかることもあります。その場合の生活費は、別のところから充てることになるかもしれません。

よって老後資金はつみたてNISAだけでなく、iDeCo・定期預金・貯蓄型保険など他の方法も併用するのが安心です。