第8話のラスト、事件現場に落ちていたペンによって、犯人フラグが真田家にまつわる5人の人物に立ったTBS系連続ドラマ『最愛』(毎週金曜22:00~)。特に吉高由里子演じる主人公・真田梨央を献身的に支える弁護士の加瀬賢一郎への犯人フラグは、SNS上でも「加瀬さん犯人だけはやめて!」と大きな反響を呼んだ。劇中、加瀬を演じている井浦新は、そんな現状に「視聴者の皆さんが楽しんでくださっていることは本当にありがたい」と感謝を述べると「僕らも視聴者の方々と同じように作品を楽しんでいるので、作品を見たフレッシュな気持ちをSNSに載せてしまうんです」と“加瀬キュン”などホットワードを投稿している理由を明かした。

  • 『最愛』で弁護士・加瀬賢一郎を演じている井浦新

犯人探しというサスペンス的な要素はもちろん、登場人物の“最愛”の行方という深い人間ドラマにも魅了される『最愛』。加瀬は物語序盤から、終始優しく献身的に梨央を支えている。「加瀬に関しては、クランクイン前に塚原(あゆ子)さんや新井(順子)プロデューサーから『とにかく梨央に優しく寄り添うということはブレないようにしよう』と話をしていたので、そこは徹底して演じています」と役へのアプローチ方法を語ると「加瀬というのは良くも悪くもシンプルなマインドの持ち主。真田家や梨央の夢を一緒に見守りたいというただそれだけが彼の行動の源なんです。そこは回を重ねるごとに、より強く感じるようになりました」。

しかし、そんな加瀬にも第8話の終わりに犯人フラグが立ってしまう。井浦は「そう簡単にフラグを立たせてたまるかという思いはありますが……」と笑うと、「加瀬と同時に(薬師丸ひろ子演じる)梓社長も怪しいですし、大輝の幼馴染であり刑事になった藤井(岡山天音)も自ら犯人に立候補しているような面構えで登場しましたよね。さらに僕のなかでは、大ちゃん(松下洸平演じる大輝)もあるんじゃないかなと思っているんですよ」と自らも視聴者目線で作品を楽しんでいるようだ。

加瀬というキャラクターを演じる魅力について井浦は「先ほど話したようにとてもシンプルな人間ではあるのですが、そこに捉われすぎるとイメージ通りの人物になってしまう。だからと言ってイメージを壊すような意表をつくのではなく、加瀬の持つ輪郭を押し広げたいと思っているんです」と語り、「例えば梨央に対しても、仕事として敬語で話していたと思えば、たまにため口が混ざり、部下から友達のような感じになったり……そういうことをトライしながら、加瀬という人物を広げていくのはとても楽しい」と笑顔を見せる。

次々と災難が降りかかる梨央にとって、どんなときにでも味方でいてくれる加瀬の存在は、大輝とはまた違った意味で心のよりどころになる。視聴者も、優秀でありつつも、可愛らしさを持つ加瀬にハマっている人は多く“加瀬キュン”はかなりのパワーワードになっている。

井浦は「“加瀬キュン”は僕が勝手に作った言葉なんです」と告白。新井プロデューサーのインタビューで“ジリキュン”というフレーズを見たという井浦は、「面白いフレーズだなと思ったのですが、公式Twitterなどでもあまり取り上げていなかったので、僕がイジっていこうかなと思ったんです」と経緯を説明する。井浦が“ジリキュン”イジりをしていくなかで「“加瀬キュン”とか“大キュン”とか、語呂がいいなと思って使い始めたら、視聴者の方が拾ってくれたんです。ありがたいですよね」と感謝を述べる。