ダイヤモンド・ヒューマンリソースは12月8日、「大学生が選んだ就職先人気企業ランキング」を発表した。調査は5月20日~11月4日、2023年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生3,334名を対象に、インターネットおよびイベントでの手渡し・回収を併用して行われた。
同ランキングでは、就活中の学生に就職を希望する企業先を志望順に8社まで記入してもらい、1位企業=5ポイント、2位企業=4ポイント、3位企業=3ポイント、4位企業=2ポイント、5位以下は1ポイントで加重集計し、ポイントの多い順にランキングを作成した。
その結果、文系男子が選んだ就職先人気企業ランキングでは、「伊藤忠商事」が3年連続1位に。また「三菱商事」が3位と、トップ10に総合商社が2社ランクイン。そのほか、総合商社は資源高を追い風に、「資源バブル」以降に強化してきた非資源分野を収益基盤に最高益を更新する見込みで、「三井物産」(12位)、「丸紅」(13位)、「住友商事」(16位)、「双日」(17位)と人気を取り戻しつつある。
そのほか、メガ損保3社(2位:東京海上日動火災保険、4位:三井住友海上火災保険、7位:損害保険ジャパン)、生命保険業界2社(5位:日本生命保険、8位:第一生命保険)、証券業界1社(6位:大和証券グループ)がトップ10に入り、総じてコロナ感染拡大により経済・雇用情勢が不安定になる中で業績を伸ばした大手企業に人気が集中する、学生の安定志向が目立つ結果となった。
理系男子も同様に、コロナ禍にあっても業績を伸ばしている大手企業に人気が集中。デジタル投資の拡大を背景に業績が好調なIT・情報系大手の「NTTデータ」が2年連続で1位に。また、「野村総合研究所」(3位)、「Sky」(9位)もトップ10にランクインした。「NTTデータ」は32期連続で増益。3位の「野村総合研究所」も売上高、営業利益が日本基準で過去最高を更新するなど、両社ともに学生の知的好奇心に応えるインターンシッププログラムを提供しており人気を集めた。
そのほか、大手電機メーカーから「ソニーグループ」(7位)と「日立製作所」(8位)の2社が、総合商社からも「伊藤忠商事」(2位)と「三菱商事」(5位)の2社が、不動産デベロッパーからも「NTT都市開発」(4位)と「三井不動産」(6位)の2社がトップ10にランクイン。また、「東京海上日動火災保険」が10位となった。
文系女子に人気の就職先企業では、「東京海上日動火災保険」が1位に。また、「三井住友海上火災保険」(3位)、「日本生命保険」(5位)、「損害保険ジャパン」(7位)、「大和証券グループ」(9位)、「第一生命保険」(10位)と、大手金融機関がトップ10に6社ランクインした。
また、総合商社から「伊藤忠商事」(2位)、「三菱商事」(8位)の2社がトップ10に入ったほか、「講談社」が4位に、「ベネッセコーポレーション」が6位に。従来文系女子学生の憧れの的として高い人気を誇ってきた航空・旅行・レジャー業界は低迷し、男子同様に業績のよい企業に人気が集まったほか、長く働きやすい環境や制度、活用実績を重視する傾向が見てとれた。
理系女子が選んだ就職先人気企業ランキングでは、「明治グループ(明治・Meiji Seikaファルマ)」が2年連続で1位に。食品関連メーカーは機電からバイオまで理系学生の専攻を幅広く生かせる業界として意識されているが、トップ10には1社のみという結果に。
変わって躍進したのが内需型で比較的コロナによる業績の影響が少なく、話題性のある再開発案件に事欠かない不動産デベロッパー、ゼネコン。「NTT都市開発」(2位)をはじめ、「三井不動産」(3位)、「大成建設」(7位)、「三菱地所」(10位)がトップ10に4社ランクインした。
また、「花王」(4位)はじめ、「資生堂」(8位)など女子学生に身近な製品を開発している化学・化粧品メーカーの人気も健在。さらに、「ベネッセコーポレーション」が5位に、「伊藤忠商事」が6位に、「大日本印刷」が9位にランクインした。