インテージは12月8日、「2021年、売れたものランキング」を発表した。同ランキングは、全国約6,000店舗より収集した小売店販売データ、SRI+(全国小売店パネル調査)をもとに、今年1月〜10月の間に、より売れた日用消費財を推定販売金額の伸びから集計したもの。

  • 「2021年、売れたものランキング」トップ15

    「2021年、売れたものランキング」トップ15

コロナ2年目の2021年、最も売れたものは「オートミール」だった。長引くコロナ禍で健康志向が高まり、食物繊維・ビタミン・ミネラルなどの栄養素が豊富で低カロリーなことから、前年比291%という驚異的な数字に。特に、健康や美容に敏感な女性は2年前の約10倍に伸びた。また、オートミールを筆頭に、2位「麦芽飲料」(前年比182%)、4位「プロテイン粉末」(同131%)と、健康系食品・飲料が続伸。

さらに、13位の「栄養バランス食品」(同112%)では、プロテインバーがとりわけ好調。家でお酒を飲む機会が増える中、8位には「ノンアルコール飲料」(同117%)、11位には糖質ゼロ系が好調な「ビール(発泡酒・新ジャンルを除く)」(同113%)がランクインした。

そのほか、3位には昨年から好調が続く「玩具メーカー菓子」(同137%)がランクイン。また、家でのセルフケア関連商品として、「ヘアトリートメント」(同122%)が6位に、「血圧計」(同115%)が10位に入るなど、外出が難しくなったことで生まれた需要も上位に。

そんな中、新たにトップ15にランクインしたものに注目すると、衣類用の「しわ取り剤」(同124%)が5位に。昨年より外出機会が増えたことに加え、除菌効果をうたった新商品も投入されたことが順位を上げたよう。また、7位には、新型コロナウイルスのワクチン接種時の副反応対策として需要が高まった「解熱鎮痛剤」(同121%)が新たにランクインした。

  • 日用雑貨・医薬品上位カテゴリーの販売金額前年比の推移

    日用雑貨・医薬品上位カテゴリーの販売金額前年比の推移

昨年落ち込んだ医薬品、化粧品のうち、酔い止めを含む「鎮暈剤」(同111%)が14位、目の周りの化粧で用いられる「眉目料」(同107%)が21位、「クレンジング」(同107%)が22位と伸長。また、前年と比べて外出の機会が増えたことから、12位の「鼻炎治療剤」(同113%)、15位の「テーピング」(同109%)もランクアップ。いずれもコロナ前の水準までは回復していないものの、下げ止まりの兆しが見られた。

一方、昨年上位を独占した「マスク」「殺菌消毒剤」「体温計」「うがい薬」「ぬれティッシュ」などの衛生系商品が、トップ15から姿を消すことに。しかしながら、今も人々の生活の必需品となっており、コロナ前に比べれば大きく伸長。Withコロナ時代においては欠かせないものといえる結果となった。