投資信託のリターンについて、年率5%という数字をよく見かける方も多いでしょう。しかし実際に年率5%を獲得するには、どのファンドを選べばいいか迷ってしまうかもしれませんね。

そこでこの記事では、投資信託で年率5%を目指すための銘柄選びについて解説します。つみたてNISAやiDeCoを利用する方も参考にしてみてください。

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年率5%を目指すなら株式中心で運用する

一般的に投資信託のリターンの目安は3%と言われますが、国内債券・先進国債券など低リスク・低リターンの資産クラスも総合した場合の目安です。株式中心で運用すると、リスクは高まりますがリターンも5%以上を狙えます。

日経平均株価も30,000円前後にまで上昇しましたが、それ以上に伸びているのがアメリカです。NYダウやS&P500といった株価指数は2021年に入っても歴代の最高値を更新しました。

また日本はGDP成長率で伸び悩んでいますが、アメリカやユーロは堅調に伸びており、中国は高い成長率を記録 しています。新型コロナの影響で2020年は多くの国でマイナス成長となりましたが、2021年以降は再びプラス成長が見込まれています。

もちろん株価は上下動しやすいため、これから一時的に下落する可能性もあります。しかし20年・30年といった長期的なトレンドを見れば、成長を続けていることは明らかです。

投資信託は基本的に長期で運用するものです。長期投資で高い成長率を狙うなら、海外の株式を外して考えることはできません。

リターンが年率5%以上の銘柄を探す方法

いくつかの証券会社の公式ホームページでは、投資信託をリターンで検索できます。

たとえばSBI証券の「投資信託パワーリサーチ」の場合、左側のメニューに「トータルリターン」の項目があります。

ここをクリックすると、下記のような詳細ウィンドウが表示されます。

この画面で、期間は3年・リターンは0%以上10%未満のところをクリックします。表示されている数字は銘柄の数で、この場合は1,327本の銘柄が該当していることになります。

検索画面に戻ったら上のメニューの「投資指標」をクリックし、「騰落率/トータルリターン」の3年のところの「▽」ボタンを押すと、リターンの高い順番に銘柄が表示されます。

楽天証券の「投信パワーサーチ」にも同様の機能があります。こちらは10年・20年といった長期の平均リターンで検索することも可能です。

この後は、ファンドタイプ・投資地域・信託報酬・純資産といった項目でさらに絞りこんでいけば、投資の候補となる銘柄を見つけられるでしょう。

6か月や1年といった期間のリターンで選ぶこともできますが、短期間だとブレが大きいので3年以上で選ぶことをおすすめします。

よりリターンの高い銘柄として、「10%以上20%未満」などで検索するのも1つの手です。 この数年間は米国を中心とした海外の株式市場は好調でした。

米国株式・海外株式中心の銘柄で、この水準の高いリターンを獲得したものも多いです。ただしその分リスクも高くなることは承知しておく必要があります。

リターンが毎年保障されているわけではない

注意点として、毎年必ず年率5%以上を獲得できるわけではありません。リーマンショックのようなことが起これば、損益が一時的にマイナスになることもあります。

ファンドの基準価額が下がったときは慌てるのではなく、安い価格でたくさん買えると考えて、長期的な視野でコツコツ積み立てることが大切です。

リターン以外でおさえておきたい銘柄選びのポイント

銘柄を検索するときは、リターンに加えて以下の点も考慮してください。特に投資の初心者の方にとっては重要な項目です。

・買付手数料が無料
・信託報酬が1%未満
・インデックス型
・純資産が100億円以上

買付手数料がかからず、信託報酬が低いファンドのほうが、コストが低いためより利益を出しやすくなります。「インデックス型」と呼ばれるファンドに多く見られる特徴で、市場の平均のリターンを目指すタイプの銘柄です。

純資産とは投資信託の規模です。純資産が大きいほど多くの資金が集まっているため、ファンドとして安定感があります。

各銘柄の目論見書も必ず読もう

候補をいくつかに絞りこめたら、各ファンドの目論見書に目を通してください。以下のような項目をまとめて把握できます。

・ファンドの特徴・目的
・投資先・対象
・運用方針
・分配金
・リスク
・運用実績
・手続き・手数料

いずれも、投資判断で必要となる重要事項です。リターンだけで飛びつくのではなく、ファンドの内容を把握し、リスク等についても納得してから選びましょう。