海軍内部の極秘文書に基づくNHK総合の特集ドラマ『倫敦ノ山本五十六』(12月30日22:00~23:13)で主演を務める香取慎吾にインタビュー。香取がNHKのドラマに出演するのは、大河ドラマ『新選組!』(2004年)以来17年ぶりとなった。主人公の海軍提督・山本五十六役を演じるにあたり、6ミリの丸刈りにした香取が、本作にかける思いや役作りについて語った。
のちに真珠湾攻撃作戦を指揮することになる山本だが、開戦前の昭和9年、ロンドンで、アメリカをはじめとする列強との軍縮交渉に臨もうとしていた。もしも交渉が決裂すれば、日本は国際社会でさらに孤立をしてしまうが、国家の命運を背負う山本は、なんとか決裂回避への道を探ろうとする――。
香取は丸刈りについて「少しずつ伸びましたが、今は刈りたくてしかたがないです。人生で2度目の丸刈りでしたが、ここまでの短さにしてみたらとても気持ちがいいし、このスタイルが好きになりました。僕は今後の人生で、仕事のために髪を伸ばすと思いますが、本来なら一生このままでいいぐらい、とっても気に入っています」と清々しい笑顔を見せた。
1度目の丸刈りがいつだったのかを聞くと「遅刻して……」と言ったあと「すみません、今のは冗談です」と笑いをとる。「1回目は『新選組!』の時です。大河ドラマということで、1年以上かつらをつけるから髪型はどんなふうでもいいんだと思い、モヒカンにしたんです。そしたら会社の人にめちゃくちゃ怒られまして(苦笑)。『すみません!』とモヒカンの真ん中部分も全部剃って丸刈りにしました。その状態で、三谷幸喜さんと2人で新選組の法被を着て会見をしたんです。きっと皆さんは、新選組への強い思いで頭を刈ってきたと思われたかもしれないですが、そうではなかったです」
ちなみに、丸刈りにすることについて香取は「全く抵抗がなかったです」とキッパリ言う。「僕は芝居が苦手で、いつも難しいなと思い緊張してしまうのですが、いつか1つの役に対して、丸刈りにするぐらいのことをやってみたいと思っていました。今までそういうことをあまりやったことがなかったので。もちろんレギュラー番組を何本も抱えていたことも影響していたと思いますが、今は少し時間にゆとりがある中でお芝居させてもらえるので、そういう役がいつかできたらいいなと言っていたさなかに、ちょうど今回のお話をいただいたのでびっくりしました!」
さらにそれが、多くの名優たちが演じてきた山本五十六役ということで、ことさらに驚いたそうだ。「自分が思い描いていた中でのトップ・オブ・トップのような役だったので、びっくりしつつも『ぜひやらせてください!』と言ったのですが、その後で大変な役を引き受けてしまったなあと思いました」
丸刈りした香取を見た稲垣吾郎のリアクションも面白い。「通りすがりに僕の髪を見て『おー!』と、すごく興味深そうでした。稲垣さんは髪の毛についてはすごく気にされる方だと思いますが、『丸刈りはいいよ!』とおすすめしたら苦笑いしていて、その会話はそこで終わりました(笑)」
また、17年前に『新選組!』で初めて大河ドラマに参加した当時を振り返り、「皆さんのプロフェッショナルぶりがすごくて。衣装も含め、セットやロケ先など、すべてにおいて規模が違いました。あまり他では経験できないような体験で。重厚な現場に足を踏み入れるだけで、場所やみなさんが僕を自然に役へと導いてくれるような印象でした」としみじみ。
「今回僕の髪を刈ってくれたメイクさんも『新選組!』の時にお世話になった方でしたが、ほとんどのスタッフさんは知らない方たちでした。でも、やはり今回の衣装合わせの時にも、クオリティーの高さにびっくりしました。服のディテールなども当時のものが再現されていて、すごいなと思いました。本当にいろんなところがすごくて、とんでもないですよ」と感心しきりだ。