俳優・伊藤かずえさんが30年以上の長きにわたり乗り続けている愛車・日産自動車「シーマ」のレストアが完了した。お披露目会では久しぶりの対面に伊藤さんが涙ぐむ場面も。どんな仕上がりになったのか、実車を見てきた。
費用は新車価格以上?
シーマは日産のセダンで、伊藤さんの愛車は平成2年に購入した個体だ。伊藤さんは父親が日産の社員だったこともあり、日産車に乗り継ぐご家庭に育ったそうだが、コマーシャル出演のギャラが入った20代のころ、500万円で現在の愛車シーマを買ったのだという。購入の際、販売店にはシーマと「GT-R」が並んでおり、伊藤さんとしては憧れのクルマ「GT-R」に心をひかれたそうだが、母親の「マニュアルのクルマは私が乗れないからやめて」という言葉を受けて、最終的にシーマを選んだそうだ。
日産では、伊藤さんがシーマを30年目の1年点検に出すとSNSに投稿したことを受け、ユーザーから「技術の日産として何かできることがあるのでは」「今こそ『やっちゃえ』でしょ」といった声が届き始めたことから、シーマのレストア実施を決定。2021年4月にレストア作業を始め、約8カ月でピカピカに仕上げた。
伊藤さんがこまめに販売店に持ち込んでメンテナンスを行っていたこともあり、シーマに大きな不具合はなかったとのことだが、伊藤さんがやすりや特注のペンキを用いて再塗装を行った外装や、外からは見えないパーツの経年劣化など、手を入れるべき部分は多く見つかったとのこと。日産ではサプライヤーの協力も得ながら、30年前のシーマを新車のような美しさに仕上げた。
日産が用意した代車「キックス」では先進技術に感動したという伊藤さんだが、レストア期間中は何度もシーマが夢に出てきたとのこと。レストアが完了した愛車に対面した時には涙ぐむ姿も見られた。シーマ購入から10年後、不具合の出始めたエンジンを乗せ換えたときから、このクルマには「一生乗る」と決めたという伊藤さん。ゆくゆくは娘さんに乗り継いでもらうのが希望、とのことだった。