俳優の成田凌が、Huluのドラマ『あなたに聴かせたい歌があるんだ』(22年5月配信、全8話)に主演することが7日、明らかになった。

  • 成田凌

同作は、小説家・燃え殻氏による書き下ろし作品。同氏が高校時代に体験した出来事をもとにして物語が展開し、同級生男女5人の若者が人生の岐路を迎え、理想と現実に葛藤する日々を瑞々しく描き出した群像劇となる。

成田演じる荻野智史は、27歳の平凡なサラリーマン。東京の大学に進学し役者の道を進むが途中で挫折。就職して2年目の営業マンとなるもモヤモヤを抱えたまま毎日を過ごしている。そんな何気ない日常を不器用ながらに一生懸命生きる27歳の男を、同世代の成田が等身大で体現する。

キーとなる劇中歌には、2000年に発表され世代を超えて熱狂的なファンを持ち続けるキリンジの名曲「エイリアンズ」を起用。なお、、映像化に先駆けて今年9月から、おかざき真里氏による同名マンガが『週刊SPA!』(扶桑社)で連載されている。

コメントは、以下の通り。

■成田凌
荻野は自分での意志で東京に出て、お芝居をして、オーディションを受けて、を繰り返しています。だから自分の意志で今ここにいる荻野は格好いいと思います。
『あなたに聴かせたい歌があるんだ』というタイトルは意志が強いですが、弱い人間たちが考えて決断をして、一生懸命に生きて、でもダメでまた次の決断をして、そんな毎日を過ごす様を描いています。何もない日常であっても必ず何かがあり、その何かが何もないよりは良いのではないかと思える優しい物語です。
希望があり、明日も生きようと思える作品であると確信しています。

■原作・燃え殻氏
このドラマの核になる出来事は、自分が高校時代に起きた本当にあった出来事です。
その話を萩原監督に話したところからすべてが始まりました。
「その出来事に落とし前をつけましょう」と話したのを覚えています。
夢と現実と後悔の三叉路で立ち尽くしているすべての人たちに観ていただきたいです。

■萩原健太郎監督
2017年12月23日。僕が初めて燃え殻さんと会った日だ。「ボクたちはみんな大人になれなかった」を映画化したくてTwitterでDMを送らせていただいたのが始まりだった。だいぶ緊張していたので詳細は朧げだが、その席で何か一緒に作ろうという話になった。事前に「ボクたちは~」の映画化がすでに決まっている事を聞かされて落ち込んでいたから、ただただ嬉しかった。そこからは、燃え殻さんが思いついた物語を送ってくれて、僕がそれに感想を返すというやりとりが何度も続いた。それはとても幸せな時間で、大好きな作家の新作を誰よりも先に読めている事実に興奮したのを覚えている。テーマ、話数、尺など、何も決め事を設けなかった。初めてのやり方だったけど、物語がどこまでも広がっていく豊かさがそこにはあった。あれから4年。たくさんの方の尽力のもと、ようやく20分×8篇の物語として形に出来たことが何より嬉しい。さらにそこに成田凌という今を代表する俳優が加わってくれた。最高過ぎる。本作は、自分の人生の主人公から降りてしまった“27歳”たちの群像劇である。白黒決めつけたがる社会の中で、曖昧な灰色のまま悩み続ける人々の光を切り取った。実体の無い空気に生き方まで支配される息苦しい世の中で、大きく息が吸えますように。8篇の中に1つでも、あなたの心に残り続ける物語があったとしたら、とても喜ばしい。