「お金に強くなるマネーカウンセリング」をモットーに年間100人以上のクライアントのお金に関する悩みを解決しているマネープランナーズの裏門が、今回解決するのは社会人2年目25歳男性のご相談。「50歳で1億円を貯めるには、25歳から毎月いくらの積み立てが必要でしょうか?」という内容です。では、そのカウンセリング内容を見ていきましょう。
ご相談者の状況
相談者:内藤さん(仮名)
男性・25歳・会社員・年収350万円・社会人2年目
50歳で1億円を貯めるには、25歳から毎月いくらの積み立てが必要でしょうか?
内藤さんの相談内容は以下です。
最近ネットでFIRE(早期退職)を行った方の記事を見かけました。私も早期退職して50歳から趣味の釣りをしたいと思っています。そのために1億円貯めたいのですが、今からいくらぐらい積み立てていけば良いでしょうか?
ファイナンシャルプランナーからの回答
それではファイナンシャルプランナーからの回答を見てみましょう!
まずはシンプルに、銀行預金で貯めた場合の積立額から見ていきましょう
今回は金利0.001%の普通預金で貯めた場合で考えてみます。25歳の内藤さんが50歳までに1億円を貯めようとすると、"毎月33万3,292円"の積み立てが必要になります。
年間にするとおよそ480万円の積み立てなので、現在の年収を超えた貯蓄が必要となりますね。
また、定期預金にした場合でも金利がかなり低いため、増やす手段としては向いていないといえます。
では銀行預金以外ではどのような貯蓄手段があるでしょうか?
貯蓄手段として(1)安全性資産 (2)収益性資産 の2つの方法があります。
それぞれ解説していきましょう。
安全性資産で貯蓄する
安全性資産とは、国債や貯蓄型保険のように元本割れリスクの小さい資産です。 リスクの少ない安全資産は「ローリスク・ローリターン」のため、リスクが少ないと同時に収益も多くはありません。
安定的に少しずつ増やしていきたい時や、元本割れリスクをカバーしたい時にぴったりの方法といえます。
収益性資産で貯蓄する
一方で収益性資産とは、株や投資信託のように収益を多く見込める資産のことをいいます。 「ハイリスク・ハイリターン」なので、大きな利益が期待できる一方、損失も大きくなる可能性があります。
安全性は低くくても、より多くのリターンを狙いたい時に向いている方法といえます。
このように、金融商品を選ぶ際には「安全性資産」「収益性資産」のどちらに入るかを考えてみると良いでしょう。
安全性資産で貯めていった場合
それでは、25歳から50歳までの30年間を安全性資産で貯蓄した場合には、毎月どのぐらい積み立てが必要なのでしょうか?
今回は利回り0.7%の安全性資産でシミュレーションしてみましょう。
利回り0.7%の安全性資産に30年間積み立てた場合、"毎月30万5,114円"で1億円を貯めることができます。年間にするとおよそ366万円です。正直、現在の年収から考えると非現実的ですね。
それでも銀行預金と比べると、毎月2万8,219円の軽減となりました。
収益性資産では、利回り4%、利回り7%の2パターンでシミュレーションしてみましょう。
利回り4%の収益性資産に30年間積み立てた場合は、"毎月19万4,504円"の積み立てで1億円達成となります。
さらに高い利回り7%の場合だと、"毎月12万3,446円"の積み立てで1億円達成することができます。
この場合、銀行預金との差を見てみると、月20万9,846円の軽減になりました。
ただし、収益性資産は「ハイリスク・ハイリターン」の通り、常に高い収益性を維持できる保証はありません。
元本割れリスクも常に付きまとうため、貯蓄を減らしてしまう可能性があることも理解しておくことが重要です。
安全性と収益性の両方で貯めていった場合
さて、安全性資産と収益性資産のそれぞれのシミュレーション結果が分かりましたね。
最後は、分散投資として安全性資産と収益性資産の両方で貯めていった場合を見てみましょう。
まずは収益性資産と安全性資産の割合を50%ずつに分けた場合です。
1億円のうち5,000万円を安全性資産で、5,000万円を収益性資産で貯蓄したシミュレーションになります。
・5,000万円
利回り0.7%の安全性資産だと毎月15万2,557円
・5,000万円
利回り7%の収益性資産だと毎月6万1,723円
合わせて、毎月21万4,280円の積み立てで1億円が達成となりました。
次は収益性資産の割合を高くした場合です。
1億円のうち3,000万円を安全性資産で、7,000万円を収益性資産で貯蓄したシミュレーションをしてみましょう。
・3,000万円
利回り0.7%の安全性資産だと毎月9万1,534円
・7,000万円
利回り7%の収益性資産だと毎月8万6,412円
合わせて、毎月17万7,946円の積み立てで1億円が達成となりました。
まとめ
安全性資産と収益性資産はどちらも優れた貯蓄手段ですが、それぞれメリットデメリットがあるため、自分の性格や目的に応じて安全性と収益性を使いこなすことが重要といえます。
また、資産を分散させるためにも、どちらの資産も持っておくとより安心といえるでしょう。
この記事を執筆したファイナンシャルプランナー
裏門春菜(うらもんはるな)
所属:株式会社マネープランナーズ
2級ファイナンシャルプランニング技能士