ビジネスシーンにおいて名刺交換をする機会は多くあります。名刺はその人の顔だと言われるほど大切なものですが、それを入れる名刺入れにもマナーがあるのをご存じでしょうか。
名刺入れは素材ひとつとっても革やアルミなど種類が多く、どれを選ぶべきか迷ってしまいます。
そこで本記事では、社会人として失敗しない名刺入れの選び方をご紹介。また、ビジネスシーンで心得ておきたい名刺交換のマナーも解説しますので、参考にしてみてくださいね。
名刺入れの素材のおすすめは?
名刺入れの素材はアルミやステンレス、合皮に本革と種類が豊富です。どの素材も魅力的ではありますが、ビジネスの場では適した素材が限られてきますので、事前に確認しておきましょう。
名刺入れは革製のものを選ぶのが基本
ビジネスシーンにふさわしい名刺入れとしては、革製を選ぶのが無難でしょう。革製は牛革や本革、ヌメ革といった名称の素材が使われているものが該当します。
革製品は一般的に耐久性が高いとされ、丁寧に扱えば長きにわたって活躍してくれるアイテムです。革製は経年変化により色に深みが増し、自分だけの風合いに変わっていく様子を楽しむことができます。オーソドックスでありながら適度に高級感もあるため、スーツにもふさわしい持ち物といえます。
アルミ製の名刺入れもおしゃれで人気がありますが、ビジネスシーンではカジュアルな雰囲気に難色を示す人もいるでしょう。また、リーズナブルで使いやすいプラスチック製のものも壊れやすいため、名刺管理としての用途が無難です。
名刺入れは光沢があると悪目立ちする
光沢がある名刺入れは一般的に、ビジネスの世界では避けたほうがいいとされています。
名刺入れの表面にツヤがあるとキラキラして見栄えは良いですが、相手によっては社会人の持ち物として不相応と思われることもあります。相手への第一印象を良くするためにも、マナー違反ととられかねない名刺入れはできるだけ避けるようにしましょう。
名刺入れのブランドで適しているものは?
「人気のブランドだから」とお気に入りのブランドの名刺入れを購入するのは、考えものです。名刺入れとしてふさわしいブランドを選ぶことも、マナーのひとつといえます。特に新入社員の場合は、自分の身の丈にあったブランドを選ぶようにしましょう。
ここでは、名刺入れに適したブランドについて解説します。
ブランドロゴが目立つ名刺入れは避ける
ブランドロゴが前面に押し出されたデザインの名刺入れは悪目立ちしやすく、一般的には避けるのがマナーとされています。ブランド品であることを見せびらかすような印象を持たれてしまう可能性があるためです。
人によって、名刺交換のときにブランドロゴが目立つ名刺入れを持つ新入社員に対して、いい印象を持たないケースもあるかもしれません。
名刺入れを選ぶ際は、ロゴが目立たずシンプルなデザインのものが適切でしょう。
高級ブランドの名刺入れは嫌味な印象を持たれやすい
ひと目で高級ブランド品だと認識できる名刺入れも、ビジネスでは避けるべきとされています。いくら品質が良くて長持ちするとしても、見た目で高額とわかってしまうことにかわりありません。
名刺交換をする取引先や営業先の相手に不快感を与えないためにも、高すぎるブランドの名刺入れは避けるのが無難でしょう。
新入社員の名刺入れは高くても1万円前後がベター
名刺入れの価格は、1万円前後に収めるのがおすすめです。数千円で購入できる名刺入れは購入しやすい半面、どうしてもチープな印象を相手に与えてしまう恐れがあります。
新入社員であれば、1万円程度を目安にビジネスの場に適した定番の名刺入れを選びましょう。
名刺入れにおすすめのブランド
ポール・スミスの名刺入れは、男女問わず新入社員から人気を集めています。上品で高級感もあるおしゃれなデザインで、比較的購入しやすい価格帯も人気の理由です。
もし名刺入れ選びで迷った場合は、ノーブランドを選ぶのもひとつの手です。適度に高級感があり、シンプルなものも多くあるので探してみてください。
名刺入れの色や柄は何がいい?
名刺入れは、カラフルな色や可愛らしい柄など種類が豊富です。好みの名刺入れを探したくなりますが、特に新入社員の場合は、ふさわしい色や柄を選ぶようにしましょう。
落ち着いたカラーの名刺入れを選ぶのが一般的
名刺入れは、ビジネスシーンで使用するアイテムですので、ブラックやネイビーなどのダークカラーが好ましいです。ブラウンなど落ち着いた色合いであれば、より好印象になります。
派手で奇抜な色使いの名刺入れは、ビジネスの場には適さないため、避けるほうがよいでしょう。
女性は明るめの色合いの名刺入れも◎
女性の場合は、やや明るい印象のカラーを選んでもOKです。グリーンや淡いピンクといったパステルカラーやベージュあたりの色味が無難でしょう。
ファッション業界の場合は特例
ファッション業界においては、新入社員もおしゃれな名刺入れを選んでも良いとされるケースがあります。アパレル企業に勤めている人は、先輩社員におすすめの名刺入れの選び方をぜひ聞いてみましょう。
名刺入れはシンプルなものが好まれる傾向にある
派手なデザインの名刺入れを選んでしまうと、相手によってはビジネスマナーを知らないとみなされてしまうことがあります。新入社員であれば、刺繡や柄のない、無地の名刺入れを選ぶのが賢明です。
名刺入れは仕事で使うものとわきまえて、シンプルなものを選ぶようにしましょう。
名刺入れに求める機能性
名刺入れを選ぶときは、実用性の高さも重要です。色やデザインが良くても、使い勝手が良くなければ名刺入れを用意する意味がありません。機能性も忘れずに比較検討しましょう。
出し入れしやすいタイプの名刺入れが人気
名刺入れは、名刺よりも多少大きいサイズを選ぶと、名刺の出し入れがしやすくなります。名刺のサイズは91mm×55mmの4号サイズが一般的です。名刺よりも少し大きめのサイズを選ぶ場合は、110mm×75mmぐらいのものを選ぶようにしましょう。
名刺入れのサイズが名刺とほぼ同等の場合は、名刺の端が引っ掛かって出し入れしにくい可能性があります。
名刺交換の際に、無理やり名刺を入れようとして折れてしまうと大変失礼にあたります。名刺入れは、余裕のあるサイズを選ぶのが好ましいでしょう。
名刺の収納量は多い方が好ましい
名刺入れはサイドにマチがあるため、ある程度収納枚数が確保できるものを選ぶのがおすすめです。最低でも30枚程度の名刺が収納できるサイズを選ぶようにしましょう。
入社したてのころは新人研修やセミナーなどで頻繁に名刺交換する機会が多いです。数枚程度しか収納できない名刺入れを選べば、交換する枚数が足りなくなってしまう恐れもあります。収納量がしっかり確保できる名刺入れを探してみてください。
名刺入れに仕切りがあると使い勝手も上がる
スムーズに名刺交換をするために、仕切りがある名刺入れもおすすめです。中に仕切りがあれば、自分の名刺と受け取った名刺を分けて収納することができるため、判別がしやすくなります。
名刺交換の際に、自分の名刺を探す手間を省けるだけでなく、誤って他人の名刺を差し出すような失敗も回避できるでしょう。また、仕切りがある名刺入れと同じく、内側にポケットがついたタイプもおすすめです。
名刺入れを購入するときは、内部構造もよく確認してから購入するようにしましょう。
名刺交換のマナー
社会人であれば、名刺交換のマナーは身につけておく必要があります。
名刺交換をする前に、まずは服装の乱れや清潔感のある髪型など見た目にも気を配りましょう。また、名刺交換のタイミングでは、爪の長さや袖口のほつれなど手元の身だしなみを整えることも大切です。
ここからは、実際に名刺交換をするときのマナーについて説明していきます。
まずは自分から名刺を渡す
名刺は、最初に自分から相手へ手渡しするのが基本です。すぐに手渡しできるよう、事前に名刺入れを手に持った状態で取り出す準備をしておきましょう。
交換する際は、先に会社名と部署、氏名を相手に告げます。紹介が終わったら、相手から見て正位置になるよう、両手で名刺を差し出します。
名前を言いながら、名刺を差し出すのはマナー違反にあたりますので注意しましょう。
相手から名刺を受け取るときは両手で「頂戴します」と答える
相手から名刺を受け取るときはひと言「頂戴します」と告げて、必ず両手で受け取りましょう。このとき、「よろしくお願いいたします」のひと言も添えると、より丁寧な印象になります。
また、受け取る際は、名刺に記載された会社名と氏名に指がかからないように十分気をつけてください。
受け取った名刺は席順通りに並べる
名刺交換を終えたら、相手の名刺を自分の名刺入れの上にのせておきましょう。交換相手が複数いる場合は、着席している順番で名刺を並べておきます。
名刺入れはシンプルかつ使いやすいものを選びましょう
「社会人は見た目が第一印象を左右する」とよくいわれますが、名刺入れも身だしなみとして重要なアイテムのひとつです。
シンプルかつ落ち着いた印象がある革製の名刺入れは、耐久性も高いため長きにわたって愛用できるでしょう。また、名刺入れを選ぶ際は、名刺をスムーズに出し入れできる機能性にも着目して選ぶことも大切です。
名刺を交換するときは相手に失礼のないよう、社会人として名刺交換のマナーをきちんと身につけておきましょう。