どうもこんにちは、女性ライダーのまるいです。

外出自粛の影響からドライブ需要が高まっている昨今。バイク乗りを引退してしまったという人のなかにも「もう一度バイク買っちゃおっかなぁ」なんて考えている人がいるのではないでしょうか。筆者はそんななかのひとりです。

諸事情あって約2年ぶりとなるバイク購入。スリムで足つきのいいボディがお気に入りで、かつては友人の力を借りて、スズキの「Grasstracker(グラストラッカー)」をチョッパースタイル風にカスタムしていました。

久しぶりのバイク購入ということで、いろんな製品を試してみたいところ。今回はヤマハの名機ともいわれる「SR400」にチャレンジしてみました。

こちらもチェック:電動スクーターってどうなの? 女性ライダーが「E-Vino」に乗ってみた

ヤマハ「SR400 Final Edition」

「SR400」といえば「バイク乗りに知らない人はいない! 」といってもいいほど有名なヤマハの人気製品です。クラシックバイクの王道ともいえるシンプルでスマートなビジュアルは、男女問わず人気なイメージ。「#バイク女子」でSNS検索すれば、3人に1人がまたがっている気がします。

1978年の発売以来、熱狂的なファンを抱える「SR400」ですが、本年3月15日の「SR400 Final Edition」発売をもってSRシリーズの販売が終了しました。43年間愛され続けた名機の最終版、その乗り心地は気になるもの。早速レンタルしてみたので、試乗していきましょう。

  • 「SR400 Final Edition」

    「SR400 Final Edition」

今回試乗させていただいたのは、同製品の『ダルパープリッシュブルーメタリックX(ブルー)』。深いブルーとシルバーでまとめられた車体はスタイリッシュでかっこいい。そして「SR400 Final Edition」のエンジン始動はキックスタートのみ。新車なのにオールドスタイルを楽しめる仕様、登場からほとんど変わらない無骨なデザインに魅力を感じます。

価格はメーカー希望小売価格で605,000円。『ダークグレーメタリックN(ダークグレー)』と『ダルパープリッシュブルーメタリックX(ブルー)』の2色展開となっており、同商品の発売日には1,000台限定のリミテッドモデルも登場しました。

【SR400 Final Edition】
価格:605,000円(メーカー希望小売価格)
全長 / 全幅 / 全高:2,085mm / 750mm / 1,100mm
軸間距離:1,410mm
シート高 / 最低地上高:790mm / 130mm
車両重量:175kg
気筒数配列 : 単気筒
総排気量 : 399cc
内径×行程 : 87.0mm×67.2mm
圧縮比 : 8.5:1
最高出力 : 18kW(24PS) / 6,500r/min
最大トルク : 28N・m(2.9kgf・m) / 3,000r/min
始動方式 : キック式
燃料タンク容量 : 12L(無鉛レギュラーガソリン指定)
バッテリー容量 / 型式 : 12V, 2.5Ah(10HR) / GT4B-5
1次減速比 / 2次減速比 : 2.566 / 2.947
変速装置 / 変速方式 : 常時噛合式5速 / リターン式
変速比 : 1速:2.357、2速:1.555、3速:1.190、4速:0.916、5速:0.777
フレーム形式 : セミダブルクレードル
キャスター / トレール : 27°40′ / 111mm
タイヤサイズ(前 / 後) : 90/100-18M/C 54S(チューブタイプ) / 110/90-18M/C 61S(チューブタイプ)

詳細は公式ページにて

クラシックなのに現代的。圧倒的ビジュアル力に脱帽。

SR400シリーズは、基本の車体構成とデザインは初代からそのまま受け継がれているのだそう。アナログっぽいメーターにオレンジ色に光るウインカー、スリムボディに装着された大きくてまん丸なヘッドライト……いたるところから感じられるレトロっぷりが魅力的です。オールド感のあるバイクが好きな筆者的にはたまりません。

  • 大きめなウインカーとヘッドライトはちゅるんとしていてかわいい。親しみやすくて愛らしいと感じるのは、これが理由な気がします

  • アナログ2眼メーターはエンジンがかかると赤く光りました。クラシックは不滅です

  • 個人的にはシルバーのフェンダーがツボ。光沢のある銀色でまとまったビジュアルがたまりません

  • 横からみた流れるようなシルエットは"曲線美"。シートのブラウンカラーからは上品さを感じます

  • すっきりまとまったエンジンまわりもいい……! そしてキックスタートがちらり

399ccの空冷4ストローク単気筒エンジンを搭載しているという「SR400 Final Edition」。シンプルで収まりの良い仕上がりなので、低身長の女性でもクイックに扱えそうな予感。派手すぎないカラーリングなども万人受けしそうです。『ダルパープリッシュブルーメタリックX(ブルー)』に描かれたSRロゴは、ファイナルエディションのオリジナルデザインになっていました。

  • ハンドル周りもすっきりとまとまっている印象。セルスイッチが付いていないバイクは初めてです……

  • スラっとのびるマフラーも、きらりと光ってスマート

  • 背面にあしらわれた「YAMAHA」のロゴもオールシルバーでかなりクールなビジュアル。細部までのこだわりを感じます

シンプルでスリムなボディは女性でも乗りやすい!

バイクにまたがってみると、399ccのバイクとは思えない足つきの良さに感動しました。車体がスリムなおかげで足を広げずに立てるので、身長153cmの私でもしっかり立つことができました。

女性ライダーのSR400所持率が高いのも(個人的な印象ですが)、この足つきの良さが影響しているのかもしれません。

  • スリムなのに華奢すぎない、シンプルなのに素朴じゃない。骨格のいい細マッチョみたいな、細いのに巨乳なお姉さんみたいな、言いようのない圧倒的ビジュアル力に惚れました

そして不安のあったキックスタートにチャレンジです。キックスタートはホンダの50ccバイクでしか扱ったことがなく、かなり不安ながらトライ。……5回目くらいでようやく成功しました。キックするタイミングや体重の乗せ方に苦労しましたが、一度成功してからは、比較的スムーズにエンジンをかけられるようになりました。

  • 難しいキックスタートも、そのモーション自体がかっこいいのでクセになっちゃうんだろうな……

「エンジンがかからず原稿書けないかも……」なんてヒヤヒヤしていた心は吹き飛び、車道に出る前からとんでもない達成感を味わうことができました。

動き出したエンジンから聞こえる、一定のリズムを刻む低音にテンションが上がります。単気筒エンジンは音が大きいという印象があったのですが、想像していたほどの大爆発音ではありませんでした。

今回は試乗車ということもあって、エンストに戸惑ってこけたりしたら死ぬ……なんておびえた私は近場をぐるりと一周して試乗終了。予定の100倍短い試乗になってしまいましたが、時間に勝る充実感を得ることができました。

今は難しいと感じるエンジン起動にも徐々に慣れていき、バイクが自分の身体になじんでいくような感覚が味わえるのだと思うと、買いたい欲が高まります。自身の技術力に悔しい思いはありつつも、かなり満足感のあるバイクチャレンジとなりました。