女優の天海祐希と俳優の鈴木亮平がW主演を務める舞台COCOON PRODUCTION 2022『広島ジャンゴ2022』が、2022年4月5日から東京・Bunkamuraシアターコクーンで上演されることがわかった。
2017年に広島市文化財団の「演劇引力廣島」プロジェクトの一環として、劇作家・蓬莱竜太氏と広島の劇作家の共作で上演された同作。今回、蓬莱氏が作・演出を務め、フィクション・エンタテイメント性を高めるため脚本、演出、音楽を一新し、再構成した。
天海と鈴木がW主演を務め、天海は広島の牡蠣工場で働くシングルマザーのパートタイマー・山本と西部の町「ヒロシマ」の子連れガンマン・ジャンゴを演じ、鈴木は山本に手を焼く牡蠣工場のシフト担当・木村とジャンゴの愛馬・ディカプリオを演じる。共演には、2015年以来の舞台出演となる俳優の野村周平、女優の中村ゆり、お笑い芸人の藤井隆、また、5年ぶりにシアターコクーンの舞台に立つ俳優の仲村トオルらが顔を揃える。
舞台は、現代・広島。牡蠣工場のシフト担当・木村(鈴木)は、周囲に合わせることを全くしないパートタイマー・山本(天海)に手を焼いていた。ある日、目を覚ますと、ワンマンな町長(仲村)が牛耳る西部の町「ヒロシマ」にいた木村。山本は子連れガンマン・ジャンゴとして、そして木村はなぜかその愛馬・ディカプリオとして旧態依然とした町の騒動に巻き込まれていく、広島弁満載のウエスタン活劇だ。
コメントは以下の通り。
■天海祐希
日本中の方々が忍耐と努力を重ね、ようやく劇場に100%のお客様を迎えられるようになった今。3年ぶりの舞台に自分が立てることに心から感謝しています。蓬莱さんの作品は劇団公演をいくつか拝見しており、伏線の回収が巧みな戯曲と、俳優、特にオジサマたちを輝かせる演出が魅力的だと思っていました。加えて深い演劇愛も感じられ、ご一緒できることが非常に楽しみです。広島を舞台にしたウエスタンで女ガンマンを演じる。全く経験のない設定と役柄ですが、鈴木亮平さんや仲村トオルさんはじめ、共演の皆さんが魅力的なことが大きな支え。蓬莱さんと皆さんへの信頼を胸に、精一杯作品に挑む所存です。蓬莱さんは、登場人物たちが大きな困難に直面しながらも、その先に希望を見出す物語を紡ぐ方。お客様を存分に楽しませたうえ、小さな希望もお持ち帰りいただければ幸いです。
■鈴木亮平
「また蓬莱さんと舞台でご一緒できれば」と密かに考えていたところ、思いのほか早く機会が巡って来ました。人間の暗部にまで視線を注ぐ深い洞察力、独特のユーモア、重い設定を最終的にはエンタテイメントに仕上げる手腕。蓬莱さんの、お客様を楽しませようという強い想いは俳優としてとても魅力を感じますし、世代も近く、作品づくりを一緒に突き詰めながら楽しめる貴重な劇作・演出家だと思っています。西部劇、しかも「馬」も演じるのは初めてのこと。劇場でナマの舞台を観劇する。その瞬間にしか感じられない、言葉にならないほどの衝撃や感動があると僕は思っています。感動をお客様にしっかり伝えられるよう、全力で作品に挑みます。一人でも多くの方に、その時間を共有していただけたら何よりの喜びです。
■蓬莱竜太氏
上京し、演劇の専門学校で学んでいた20数年前。シアターコクーンは「いつか辿り着けたら素晴らしい場所」でした。お話をいただいた時は、素直に「演劇を続けてきて良かった」と感激し、自分が年を取ったことを実感した次第です(笑)。今は心地よい緊張感と共に、劇場に見合うスケールの大きな演劇的遊びを天海祐希さん、鈴木亮平さんら素晴らしい俳優陣といかに繰り広げられるかと、うずうずしている最中です。天海さんは劇団公演を観てくださっていたうえ、“広島が舞台の西部劇”という設定を面白がり、参加を決めてくださいました。エンタテイメントの第一線で活躍し続ける豊富な経験から、僕が教えていただくことも多いと思っています。鈴木さんとは2019年に舞台でご一緒しており、出身や年齢が近いせいか、最初からなんでもフラットに話せた。真っ直ぐに役と作品に取り組む姿勢が信頼でき、一緒に稽古することが今回も非常に楽しみです。今作は縁あって長く関わっている広島の劇場の、地元演劇人を育成する事業の中で生まれました。劇団作品でもそうですが、僕は戯曲が必要とされる限りは更新し、上演の機会を探りたいと考え、実践してきた。今回も新たな座組と劇場で、『広島ジャンゴ』を生み直したいと考えています。困難の多い時代。それでも諦めずに闘う人々を力一杯応援したいという願いを、僕はいつも作品に込めています。今回ご覧いただくお客様にも、その願いが届けられたら何よりの喜びです。