マイナビニュースが60歳以上の会員400人を対象に行った「定年退職後の働き方」調査では、定年退職をしている人の86.7%がなんらかの形で働き続けていることがわかりました。そこで定年退職後の働き方について、詳細結果と回答者の声をご紹介します。

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定年退職後の働き方

定年退職後の働き方として、延長雇用・再雇用で働いている人の割合は4割を超え、転職やアルバイト・パートを抑えてトップとなっています。

定年前と定年後の年収の変化では、年収が下がったと答えた人の割合は88.5%を占め、中でも50%程度下がったと答えた人の割合が一番多くなりました。

定年前と定年後の勤務時間の変化では、定年前よりも減ったと答えた人は58.2%、定年前とほとんど変わらないと答えた人は36.8%で、6割程度の人が定年前よりも勤務時間を減らしていますが、変わらずに働いている人も多い印象です。

Q1:あなたは定年退職(早期退職を含む)をしていますか?

1.はい・・・52.5%
2.いいえ・・・47.5%

Q2:あなたの定年退職後の働き方として、次のうちどれが当てはまりますか?

1.雇用延長/再雇用(正社員・契約社員・嘱託社員) ・・・43.8%
2.転職(正社員・契約社員) ・・・18.6%
3.アルバイト/パート/派遣社員・・・15.7%
4.独立・・・6.7%
5.その他・・・1.9%
6.働いていない・・・13.3%

Q3:なぜそのような働き方を選ばれたのですか? 理由を具体的に教えてください(自由回答)

雇用延長/再雇用(正社員・契約社員・嘱託社員)

・同じ会社で働くとスキルを活かせるから
・慣れた仕事を続けられるから
・同じ会社の方が楽だから

転職(正社員・契約社員)

・新しい経験をしたかったから
・継続雇用は給与が減るから
・再就職先を斡旋されたから

アルバイト/パート/派遣社員

・再雇用が終了したので、アルバイトを見つけた
・そんなに働きたくなかったから
・自分に合った働き方ができるから

独立

・自由な働き方を選んだ
・好きなことをやってみたかった

※それぞれ多かった回答をピックアップ

Q4:定年前と定年後で年収はどれくらい変わりましたか?

50%程度下がった・・・19.8%
30%程度下がった・・・14.3%
70%程度下がった・・・10.4%
20%程度下がった・・・9.9%
60%程度下がった・・・8.8%
40%程度下がった・・・8.8%
定年前とほとんど変わらない・・・7.7%
90%以上下がった・・・6.6%
10%程度下がった・・・5.5%
80%程度下がった・・・4.4%
定年前より上がった・・・3.8%

Q5:定年前と定年後で勤務時間はどれくらい変わりましたか?

定年前とほとんど変わらない・・・36.8%
20%程度減った・・・12.1%
30%程度減った・・・9.9%
50%程度減った・・・9.9%
10%程度減った・・・7.7%
90%以上減った・・・4.9%
70%程度減った・・・4.9%
定年前より増えた・・・4.9%
40%程度減った・・・4.4%
60%程度減った・・・3.3%
80%程度減った・・・1.1%

Q6:定年前と定年後で業務内容に変化はありましたか?

1.ほとんど変化はなかった・・・33%
2.全く違う業務内容に変わった・・・33%
3.元の業務内容と同様ではないが、関連のある業務内容に変わった・・・34.1%

定年後も働いている理由

定年後も働く理由を聞いたところ、一番多かったのが、「現在の生活資金を稼ぐため」、二番目に多かったのが「老後資金を増やすため」でした。どちらにしても “お金を稼ぐこと”が働く理由であることがわかります。

Q7:あなたが定年後も働かれている理由は次のうちどれですか?(複数選択可)

現在の生活資金を稼ぐため・・・109(回答数、以下同)
老後資金を増やすため・・・81
仕事をすることが生きがい、楽しいから・・・55
他にすることがないから・・・37
社会に貢献したいから・・・25
子や孫を援助する資金を作りたいから・・・23
ローンや借金を返済するため・・・23
その他・・・14

最後に、定年後も働いている理由についての具体的な回答をいくつかご紹介しましょう。

・仕事をしない生活は考えられないから
・貰える年金が少ないので
・働けるうちは、働きたい。それのみ
・年金だけでは生活に余裕が無くなり楽しめないから。いざという時に家族に援助出来無いから
・そこそこな生活を落としたくない
・時間を持て余すから
・人生において、仕事をしている時間が一番充実しているし、なりより楽しいから
・老化防止、健康維持、生活費のため
・社会とつながりを持つため
・年金支給まではまだ年数もある状況であり、住宅ローンを抱えている状況で貯蓄だけでは支払と生活は無理
・65歳から年金を貰ったほうが年金額が上がるから

長く働くことが生活の安定につながる

定年退職後も8割以上の人が働き続けており、その最たる理由はお金を稼ぐためであることがアンケート結果からわかりました。また、退職後の働き方については、雇用延長・再雇用を選ぶ人が多く、同じ環境で働き続けることのメリットを感じている人が多いようです。

年収は9割近くが退職前よりも減っており、半分程度に減るケースが一番多くなっています。これについては、「高年齢雇用継続給付」や「高年齢再就職給付金」の対象となる場合があるので、制度について事前に調べておくとよいでしょう。

現役時代、定年後は趣味を楽しんだり、旅行をしたりという夢を描いていた人は多いのではないでしょうか。しかし実際は、定年後も働き続けることが一般的になっている状況がアンケート結果から見えてきました。

こうした現状を悲観しても仕方がないことなので、見方を変えてみましょう。働き続けることは、健康維持に役立つ上に、老後資金を増やすことができます。現役時代に十分に貯蓄できなかった人は、働き続けることで不足分を補うことができます。また、年金の受給開始時期を遅らせることで年金額を増やすこともできます。平均寿命が延びていることを考えれば、働ける期間を延ばすことで、必要な老後資金を減らすことができます。

現役時代のようにバリバリと働く必要はないので、余暇を楽しみながら、社会とのつながりを持つことができる適度な働き方を模索してみてはいかがでしょうか。

調査時期: 2021年11月17日~19日
調査対象: マイナビニュース男女会員(60代以上で会社員・公務員・団体職員・個人事業主・会社役員・フリーター(アルバイト)のいずれかに該当する方)
調査数: 400人
調査方法: インターネットログイン式アンケート