就活生にとって企業が行うインターンシップは、その会社や業務について具体的に知ることができる貴重な機会です。ですが、そんなせっかくの機会に参加しなかったという就活生もいるでしょう。では、参加しなかった理由はどんなものがあるのでしょうか? そこでインターンシップに参加しなかった理由について聞いてみました。

  • インターンシップ、参加しなかった人はどのくらい?

Q.あなたはインターンシップに参加しなかった理由はなんですか?

  • インターンシップに参加しなかった理由を教えてください

1位:インターンシップの存在を知らなかった―――33.9%
2位:インターンシップに行く必要がないと思っていた―――21.7%
3位:希望する企業がインターンシップを行っていなかった―――13.9%
4位:学業やバイト、ボランティア活動に力を入れていた―――11.3%
5位:近くにインターンシップを受け入れている企業がなかった―――10.4%
6位:その他―――7.0%
7位:応募したが選考に受からなかった―――1.7%

最も多い理由が「インターンシップの存在を知らなかった」でした。インターンシップ制度そのものがまだ比較的新しいものという理由もあるのかもしれません。また、「行く必要がない」と判断した人も2割以上いることが分かりました。では、それぞれの理由について具体的に見て行きましょう。

インターンシップの存在を知らなかったと回答した人

そのようなものがあることを知らなかったので行かなかった。(男性/49歳/神奈川県/1992年卒)
存在自体知らなかったので。(男性/45歳/東京都/1999年卒)
自分が就職してからインターンシップの制度を知りました。(男性/48歳/茨城県/1996年卒)
アルバイトに明け暮れる学生生活を過ごしていたので存在を知りませんでした。(男性/47歳/東京都/1997年卒)

90年代に卒業した就活生にとってはインターンシップ制度がまだ遠い存在だったということなのかもしれません。希望した企業で行われていなかった可能性も高く、存在を知らなかった人が多かったことも納得できますね。

インターンシップに行く必要がないと思っていたと回答した人

希望している企業以外のインターンシップを行っても意味がないと思った。(男性/36歳/福島県/2007年卒)
アルバイトで仕事をしていた会社にそのまま入社した。(女性/43歳/東京都/2001年卒)

「行く必要がない」と思っていた理由は人それぞれで、自分が希望する企業以外のインターンシップに必要性を感じていなかった人や、すでにアルバイトをしていた企業にそのまま就職したり、教授の推薦があったという人もいました。確かに自分が希望する企業や職種以外のインターンシップに参加する余裕は、就活生にはなかなか取れないのも事実でしょう。

希望する企業がインターンシップを行っていなかったと回答

インターシップをやっている会社でなかった。(男性/47歳/愛知県/1991年卒)
当時はそのような制度はなかった。(女性/40歳/東京都/1993年卒)

やはり1990年代に卒業した人の多くからは「自分の希望していた企業ではインターンシップが行われていなかった」という声が聞かれました。制度そのものは以前から存在していましたが、当時はまだそれほど多くの企業が行っていたわけではなかったということでしょう。

学業やバイト、ボランティア活動に力を入れていたと回答

部活動をしていたから。(男性/43歳/神奈川県/2000年卒)
仕送り無しで生活していたのでアルバイトで忙しかった。(女性/41歳/青森県/2003年卒)
普段学業の他にバイトとサークルで忙しかったため。(男性/48歳/埼玉県/1997年卒)

就活生といえども生活をしていくためにはアルバイトも大事です。報酬がほとんど得られない企業のインターンシップで時間を取られるよりは、バイト料の方が重要と考えるのもある程度、仕方ないことなのかもしれません。

その他と回答した人

特に早く働き始めることに意味を見出さなかった。(男性/33歳/東京都/2008年卒)
就活はまじめにやっていなかった。(男性/41歳/愛知県/2005年卒)
面倒くさかったから。そんなことしなくても就職できると思っていた。就職を舐めていた。(男性/41歳/香川県/2002年卒)
深く考えてなかったから。(男性/43歳/岩手県/1997年卒)

あまり真面目に就活を行っていなかったという人も何人かいました。それぞれの事情や、大学卒業当時の社会情勢によっても違ってきますが、就活をそんなに頑張る必要がなかった人や働く意欲がなかった人、ほかにやりたいことがあった人などにとっては、インターンシップ制度以前に就活さえ必要ないと感じていたということでしょう。

現在ではさまざまな形で行われているインターンシップ制度

インターンシップ制度は、学生が自分の希望する就職先企業を知る大きな機会です。現在では、さまざまな企業がさまざまな形で行っていて、大学1~2年生から参加できるものもあります。ですが、こうした制度が具体的に始まったのは、やはり2000年代に入ってからで、それ以前の就活生がその企業を知るには、先輩に話を聞いたり、アルバイトで実際に働いてみるくらいしか方法はなかったということのようです。

調査時期: 2021年11月5日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 306人
調査方法: インターネットログイン式アンケート