食べ放題をウリにした焼肉チェーンが増え、最近では業界全体のレベルもグッと底上げされた。どの店でも手頃な価格で美味しいお肉が腹いっぱい食べられるのだから、我々客側からすれば嬉しい限りである。
なかでも、群雄割拠の焼肉チェーンの中でも「熟成焼肉 いちばん」は異彩を放っているように思う。なんせ、肉の最上級部位であるシャトーブリアンまで食べ放題なのだから、「いくらなんでも太っ腹すぎでしょ」と心配になるレベル。
そんな「熟成焼肉 いちばん」では現在、「冬の贅沢フェア」なる季節限定のキャンペーンが展開中らしい。シャトーブリアンが好きなだけ食べられるというだけでも贅沢なのに、これ以上、どんな贅沢を演出するというのだろう……これは自分のタンで確かめるしかあるまい。
「冬の贅沢フェア」を一挙食べ比べ!
「熟成焼肉 いちばん」は、熟成焼肉と炊きたての土鍋ごはんの二枚看板を掲げる焼肉チェーンだ。
単品メニューもオーダーできるが、やはり時間制限100分の食べ放題メニューが人気で、コースは「バリューコース」(2,728円)、「五大名物コース」(3,278円)、「極上熟成プレミアムコース」(4,378円)の3種類を用意。「冬の贅沢フェア」は期間中、五大名物コースと極上熟成プレミアムコースに含まれる仕組みである。
で、一体どんな贅沢が味わえるのかというと……
こんなラインナップ。今回は「極上熟成プレミアムコース」をオーダーし、フェアメニューを片っ端から味わっていきたい。
ではさっそく、こちらの「国産フィレ角切り」(単品価格979円)から。
おお~、なんとも艷やか。これを、ジューッと焼いて……
いい感じに焼けてきたら……
この二種類の「贅沢たれ」で食していこう。黒いほうが「トリュフソース」で、黄色がかっているほうが「雲丹だれ」である。たれにまで贅沢エッセンスを落とし込んでくるとは、抜かりないではないか。
ということで、まずはトリュフソースからいただきます。
ウンッッッッッッッッッマ……! ウマすぎる!!
肉質はきめ細かく、とても柔らかい。そして、噛めば噛むほど赤身肉の旨味と肉汁が溢れ出してくる。さすが「肉の女王」とも呼ばれる高級部位だ。これを好きなだけ食べられるとは……これは確実に贅沢である。脂身が少ないからいくらでもイケる気がする。
トリュフソースも完成度が高い。特に余韻として残るトリュフの上品な香りは格別で、肉をより一層贅沢に演出してくれている。
続いては「和牛中落ちカルビ」(単品価格1,089円)。この肉の煌びやかな輝きたるや凄まじい。サシもいい感じに入っている。
こちらもジューッと焼いて、今度は雲丹だれでいただきます。
うっわ……こっちもめちゃくちゃウマいぞ……! さすが和牛。しっかりとしたいい脂なのだろう。この上なくジューシーで、くどさは皆無。洗練された肉の旨味もしっかりと感じられる。雲丹だれもまろやかでコク深く、とても濃厚だ。肉との相性も抜群である。
いやいや、これ本当に食べ放題か? 実はしっかりと別料金が計上されているのでは……? 今のところ、そう勘ぐりたくなるほど質が高い。
続いては「北海道産 夢の大地豚ロースステーキ」(単品価格649円)を実食。食べ放題となると、どうしても豚肉より原価の高そうな牛肉を優先しがちだが、この豚ロースの神々しさはどうか。綺麗なピンク色が新鮮さと肉質の良さを雄弁に物語っている。
実際に食べてみると、まず驚くのはその食感の良さ。歯ごたえが抜群にいいのだ。厚切りだが、決して硬いわけではない。むしろ柔らかいのだが、"シャキッとした肉質"というか、肉が新鮮で、繊維が活き活きとしているイメージである。味わいはしっとりとジューシーで、豚肉の旨味と甘みが贅沢に、そして大胆に堪能できる。
ちなみに、夢の大地豚ロースステーキは「にんにく辛みそ」味もラインナップされている。こちらも甘辛な味噌だれが癖になる、抜群の美味しさであった。
この「国産もつ鍋」(醤油味、単品価格539円)も衝撃的だった。あまり焼肉店にもつ鍋のイメージはなかったが、考えてみれば、焼肉店なら上質なもつの調達もお手の物。あとはスープは美味しければ……という話だが、このもつ鍋は見事に熟練した味わいに仕上がっていた。
もつはプリップリで弾力抜群。臭みのようなものもまったくなく、新鮮で甘みのある脂がじゅわ~っと口いっぱいに広がっていく。醤油スープは鶏ガラやもつの旨味が凝縮されていて、にんにくと鷹の爪もアクセントとしてよく効いている。大袈裟でなく、本場・福岡のもつ鍋にもまったく引けを取らないクオリティだ。
しかも、単品価格539円って……価格設定間違っていないか? ほぼワンコインである。ぜひ、クッパ代わりに味わってみてほしい。飛ぶぞ。
そしてこの日の締めはコチラ。「熟成焼肉 いちばん」が誇る"土鍋"である。冬の贅沢フェアで味わえるのは……
「広島県産 大粒牡蠣土鍋ごはん」(単品価格759円)だ。広島県産の牡蠣は本当に大粒でツヤッツヤ。土鍋から立ち込めてくる牡蠣と出汁の香りも食欲をそそる。さっそく茶碗に取り分けて食べてみると……
……参りました。肉厚な牡蠣はプリプリ食感で弾力に富んでいて、磯の香りも濃厚。しいたけやエリンギなどのシャキシャキ食感もいいアクセントとなっている。お米にも牡蠣エキスやきのこ類の芳醇が味わいが満遍なく染み込んでいる上に、炊き方も絶妙でお米の一粒一粒がふっくら&もちもち。これは素晴らしい完成度である。これで単品価格759円って……原価割れしていませんか? と心配になるほどだ。
もちろん、他にも「極上熟成プレミアムコース」で提供される食べ放題メニューはしっかり堪能させていただいた。
ヒレ肉の中でも特に肉質の良い最上級部位、シャトーブリアンはもちろん……
柔らかさと歯ごたえのバランスが絶妙な「厚切り牛タン塩」に……
多彩な部位の味比べができる「五大名物コース」でも提供される、ワイルドな肉肉しさが心ゆくまで堪能できる「いちばん厚切りハラミ」や……
柔らかくてクセの少ない「ラムチョップ」など、食べ放題するにはあまりに貴重な部位や高級な食材を心ゆくまで味わって、そろそろお会計。こんなに贅沢な時間を過ごしたというのに、「極上熟成プレミアムコース」の金額は当然ながら4,378円ポッキリ。これは破格のコスパである。
というわけで、冬の贅沢フェアもとことん豪華なラインナップで固めてきた「熟成焼肉 いちばん」。焼肉チェーンの中でも突き抜けたこの魅力を、ぜひ近くの店舗で体感してほしい。