東京・吉祥寺で11月25日にオープンしたアジア食品専門店「亜州太陽市場」(あしゅうたいよういちば)。免税大手ラオックスが手がける新業態の第1号店となる。連日行列が絶えない大盛況の同店、開店直前の内覧会を取材した。
ラオックスは、1930年創業。2009年からは総合免税店事業を主軸にインバウンドビジネスのパイオニアとして業界を牽引してきた。現在は、国内リテール事業、海外事業、生活ファッション事業、アセット/その他事業を手掛ける総合サービス企業グループとして展開。日本およびアジア地域を基盤に、各国の商品やサービスを紹介している。
亜州太陽市場は、アジア食品にフォーカスした専門店。中国、台湾、韓国、ベトナム、タイを中心とするアジア12の国と地域の食品を1,400アイテム以上取り揃える。
ラオックス代表取締役社長 CEOの飯田健作氏はこの新業態について「アジアの食材のニーズが極めて高いことがリサーチの中でわかった。加えてラオックスグループには各国の多様な素晴らしい人材がいる。中国あるいは他のアジア地域に展開しているというビジネスそのものが強みとして生かせる」と話す。「ラオックス 河原町OPA店」(京都府京都市/7月1日オープン)で行ってきたテスト販売も好調だそう。
第1号店の出店先に吉祥寺を選んだ理由は、ファミリー層が中心で、通過人口ではなく居住人口が多いこと。「そのまま食べられるものもあるが、調味料や素材など家庭向きなものも多くそろえている。本場の味をぜひ家でつくっていただきたい」(飯田氏)。今後、少なくとも数店舗を展開予定という。
亜州太陽市場の店舗と同時にオンラインストアもオープン。「実店舗とECはともに成長する傾向にある。使い分けをしてもらえるため、カニバリではなくシナジーが強い。今はECの存在感が薄いが、今後店舗との相乗効果でECも上がってくると見ている」と飯田氏。
1,400アイテム以上の品揃え
見所はなんといっても品揃えの深さ。「なじみのあるカテゴリを見ていただきたい。これは見たことあるけど、これは見たことがない、というような新鮮な驚きがすべてのカテゴリにある」と飯田氏が話すように、たとえば現地の味の再現に不可欠な調味料は約240種類を取り揃える。使い方などを紹介する、スタッフのみなさんによる手書きのポップにも注目してほしいそう。
そのほかインスタント麵をはじめとする麺類約200種類、バラエティに富んだお菓子約140種類、お茶やジュースなどのソフトドリンク約100種類、ビールやチャミスル、マッコリなどのアルコール約80種類、主食系から惣菜系、スイーツ系などの冷凍食品約100種類、カレー火鍋などのレトルト食品約180種類など、おなじみの定番商品や人気商品はもちろん、日本では珍しいレア商品まで多彩なラインナップで展開する。
人気店「金達莱」のお惣菜・お弁当も
また、新大久保で人気の韓国料理・延辺家庭料理店「金達莱(きんたつらい)」のお惣菜やお弁当を同店限定商品として毎日約15種類販売。さらに、チャイニーズバーガーや点心、スイーツなど、本場アジアンフードのテイクアウト商品を用意し、吉祥寺での食べ歩きも楽しめる。
「旅行に行けていない二年間の閉塞状況の中、太陽が燦々としていて明るい、みなさんが昔よく行っていたアジアの雰囲気というのを店のコンセプトにした。混沌としていてポップでたのしかったアジアを思い出していただきたい」と飯田氏。アジアのあの味に再会しに、また新たな出会いを探して訪れてみてはいかがだろうか。