霧島酒造は11月24日、2030年度までに工場・事務所のCO₂排出量を実質ゼロにすることを宣言した。そのうち、焼酎粕や芋くずなどさつまいも由来のエネルギーでの50%削減(2013年度比)を目指す。
同社では2006年に焼酎粕や芋くずなど、さつまいも由来の副産物をバイオガスに変換・リサイクルする施設を建設。2014年には「サツマイモ発電」と命名し、バイオガスによる発電事業を開始するなど、副産物を活用した取り組みを行ってきた。主に焼酎製造工程のボイラー燃料として利用し、化石燃料(都市ガス)の使用量を低減させている。
また、蒸留工程で発生する温排水を工場設備の洗浄水や暖房に利用することで、工場の省エネ化も実現。2020年度時点で、さつまいも由来のエネルギーによりCO2排出量33%削減(2013年度比)を達成している。
これらの取り組みも含めて、今後の持続可能な焼酎造りを目指すプロジェクト全体を『KIRISHIMA SATSUMAIMO CYCLE~さつまいもを、エネルギーに。~』と名付けイラスト化した。さつまいもを中心とした自然の恵みを有効利用し、地域の人々がワクワクできる体験として還元して、循環しながら成長していくエネルギー有効利用の全体構想が描かれている。
同社では、「KIRISHIMA SATSUMAIMO CYCLE」の今後の取り組みとして、「2022年より余剰バイオガスの自社供給量を増加」「2030年度までにサツマイモ発電の売電から自社利用に切り替え」「2030年度までに社用車約130台を電動化」「蒸留温排水利用によるハウス栽培などへのチャレンジ」を挙げた。
世界全体でのカーボンニュートラルに向けての取り組みが加速する中で、同社でも、『KIRISHIMA SATSUMAIMO CYCLE』のプロジェクトを実現させることにより、2030年度までに工場・事務所のCO2排出量実質ゼロにすることを目標としている。
また、「KIRISHIMA SATSUMAIMO CYCLE」の一環として、サツマイモ発電の電力を利用できる普通充電器2基、急速充電器1基、計3基の充電スタンドを設置し、サツマイモ発電の電力で走る「さつまいもEV e-imo(イーモ)」を4台導入した。地域の人々にも同社の取り組みを知ってもらうために、車体全面に『KIRISHIMA SATSUMAIMO CYCLE』のイラストのラッピングを施している。今後の取り組みに挙げているように、2030年度までに、社用車約130台を電動車に替えていくという。