フレームワークとは思考や意思決定をするときに留意すべきポイントをパターン化するためのメソッドです。社内で意思を統一して目的や課題を明確化させるために採用している企業は多いでしょう。
本記事ではビジネスシーンで有効なフレームワークを厳選して紹介するので、参考にしてみてください。
フレームワークの意味とは?
フレームワークという言葉を聞いたことがあっても「実は何のことか知らない」という方もいるでしょう。ここではフレームワークとは何か解説します。
ビジネスを行ううえで効率的な考え方
「フレームワーク」とは「枠組み」や「構造」などの意味がある言葉です。ビジネス上でのフレームワークとは、共通して使える考え方、意思決定、問題解決、分析、戦略立案などを行う枠組みを指します。
ビジネスで使うフレームワークは、考えや課題、シチュエーションなどを図式化したものが多く、図式に落とし込むことで分析や思考が効率的に行えます。
フレームワークはどんなときに活用すべきか
フレームワークは利用する人が一定の判断基準がもてるように設計されています。新規に始めることにフレームワークを使用すれば、考えるべきポイントがわかりやすいでしょう。
また誰かに伝達する目的でも、情報を整理して説明しやすく、相手に理解してもらいやすいです。
ビジネスで活用できるフレームワーク紹介
ここからはビジネスに活用できる有名なフレームワークを紹介していきます。自分が所属する組織に合っていそうなフレームワークをみつけてみましょう。
PDCA
- 計画(Plan)
- 実行(Do)
- 評価(Check)
- 改善(Action)
を繰り返して戦略やアイデアを継続的に改善していく方法です。
たとえば
「売上を伸ばすために広報に力を入れる(計画)」
「web上に広告を出す(実行)」
「広告を出して計画が上手くいったか検証をする(評価)」
「web以外にも広告を出すなど改善策を考えて実行する(改善)」
このようなサイクルを繰り返すことでブラッシュアップしていきます。
5w1h
- いつ(When)
- どこで(Where)
- 誰が(Who)
- 何を(What)
- なぜ(Why)
- どのように(How)
伝えたい情報が明確で過不足がなくなり、伝達の誤りなどが少なくなるフレームワークです。
基本的にはうえから順番に伝えることで、情報伝達の精度が向上して、聞き手に伝わりやすくなっていきます。
ロジックツリー
ロジックツリーは「論理の木」という意味。大きな木が枝を伸ばしながら分かれていくようなイメージで問題を分解します。問題の原因特定や事象の分析、目標設定などに最適な策が見えてくるフレームワークです。
問題の全体像がわかりやすく、取り組むことの本質的な課題が何なのか、課題をクリアするためには何をすべきなのか、どこから手をつけるべきかなどが検討しやすくなります。
MECE(ミーシー)
- 互いに(Mutually)
- 重複がなく(Exclusive)
- 全体的に(Collectively)
- 漏れがない(Exhaustive)
の頭文字を取ったフレームワークです。
情報整理をする際の抜け落ちや重複を防ぐときに役立つ考え方で、リストアップの際などに適用すると効果的を発揮します。
3C分析
- 自社(Company)
- 顧客(Customer)
- 競合(Competitor)
の3つのC頭文字を取ったフレームワークです。3者の関係性を分析するときに使用します。
SWOT分析
- 強み(Strength)
- 弱み(Weakness)
- 機会(Opportunity)
- 脅威(Threat)
の4つの面から自社や事業を分析するフレームワークです。外部環境の機会と脅威から分析をして、次に内部環境の強み、弱みを他社などと比較して分析します。
最終的には4つの要素を「強み×機会」「弱み×脅威」など組み合わせて戦略を練りましょう。
マインドマップ
テーマとなるキーワードに関係するものを次々と書き込んでいき、思考を紙面上に再現して、アイデアなどを出しやすくするフレームワークです。
紙面やホワイトボードの中心部にテーマのキーワードを記入して、そこから関連する事項を枝分かれさせて思考を発展させていきます。
4P分析
- 商品(Product)
どのような製品、サービスを提供するのか - 価格(Price)
その製品やサービスの価格や支払い方法など - 販促(Promotion)
その製品やサービスをどうやって販促するのか - 流通(Place)
その製品やサービスをどうやって提供するのか
商品、価格、販促、流通の4つを踏まえて商品のマーケティング戦略を分析、課題をみつけるためのフレームワークです。
STP分析
サービスや商品のマーケティング戦略を計画するのに役立つフレームワークです。顧客をセグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)で絞っていきます。
その結果を踏まえて自社のポジショニング(Positioning)を決めて、効率的にマーケティングを行えるのです。
パーセプションマップ
2つの軸を利用して製品やサービス、ブランドや会社に対して顧客が抱いているイメージをまとめたフレームワークです。
パーセプションマップは知覚マップとよばれることもあります。
バリューチェーン
商品やサービスが届くまでの活動を、企画段階から販売までの各段階を把握することで、誰が、何を、いつ、どのように行っているのか整理できます。
ビジネスの全体構造から強みや弱みを理解できるフレームワークです。
5フォース分析
競合各社や業界全体の状況を分析するために使用するフレームワークです。新規参入や新製品開発などの収益性を検証するのに役立つでしょう。
業界内の競合、新規参入の競合、供給業者、買い手(顧客)、代替品の5つの関係性から分析することができます。
AARRR分析
商品やサービスを成長させるときの考え方で、近年インターネットの会員ビジネスなどで注目されているフレームワークです。
ユーザーの行動の変化を5つの段階に分類させ、課題を分析、改善するために使用します。
軸図
横軸と縦軸を描き、同じジャンルの要素についてマッピングを行うフレームワーク。横軸と縦軸に何を設定するかは自由なので、あらゆるシーンで応用が可能です。
形態分析法
取り上げたいテーマの特徴を切り分け、それぞれのカテゴリーに入れられそうな選択肢を作成して、無作為に組み合わせてアイデアを得るフレームワークです。
たとえば、テイクアウトの「唐揚げ屋」を対象とすると、
- 立地
「駅前」「住宅街」「郊外」 - 雰囲気
「にぎやか」「アットホーム「おごそか」 - 品質
「高級」「普通」「ヘルシー」
立地、雰囲気、品質というカテゴリーを作成して、そこに選択肢をいくつか設定します。そして無作為に組み合わせてみるのです。
「駅前にある、にぎやかな雰囲気で、普通の唐揚げが買える店」であれば珍しくありませんが、「住宅街にある、おごそかな雰囲気で、ヘルシーな唐揚げが買える店」だと少し珍しいコンセプトではないでしょうか。
組み合わせ次第で、面白い発想が生まれる可能性があるのです。
ピラミッドストラクチャー
ある主張を指示できる根拠をみつける際に使用するフレームワークです。
ピラミッド構造に要素を配置して論理を整理します。資料作成やプレゼンテーション作成などで、主張に説得力をもたせる材料づくりのために活用されるケースが多いです。
PEST分析
- 政治(Politics)
- 経済(Economy)
- 社会(Society)
- 技術(Technology)
の4つの面からマクロ環境を分析します。
自社を取り巻く業界の状況を把握して洞察するのに役立つフレームワークです。
メリット・デメリットを把握して最適なものを活用しよう
フレームワークは、自分たちがやるべきこと、改善しなくてはいけないことが明確化するので、社内で導入すると得られるものは多いでしょう。しかし、会社の規模や業種などで適したフレームワークは変わってきます。
それぞれのフレームワークのメリットとデメリットを把握したうえで、適したものを選ぶのがおすすめです。