インナーテントとはどのようなアイテムなのでしょうか。キャンプ用品をそろえるにあたり、テントの購入を検討している人もいるでしょう。

インナーテントにはさまざまな種類があるため、特にアウトドア初心者は、実際の用途などを知っておきたいものです。

この記事では、インナーテントの特徴についてくわしく解説します。

  • インナーテントとは

    インナーテントはキャンプに欠かせないアイテムのひとつです

インナーテントとは

インナーテントは、フライシートの内側に張るテントのことをいいます。定番のドーム型テントでは、インナーテントにフライシートをかぶせる二部構造が一般的です。

通気性にすぐれるインナーテントは、人が中に入っても酸欠になるのを防ぎ、内部の温度や湿度を調整する役割があります。また、地面からの防水対策としても役立つアイテムです。

インナーテントのみでも使用できるの?

インナーテントのみでも、使用すること自体は可能です。

テントに宿泊する際は、朝晩は季節に関係なく冷えることもあります。また、地域によっては夏に本格的なテントを設営すると、暑さをより感じてしまう場合もあります。こういったケースでは、フライシートを使用せずにインナーテントのみを使いたいという人もいるでしょう。

しかし、インナーテントのみを使う場合は、以下のようなデメリットもあります。

  • メッシュのインナーテントを使うと周囲からテント内の様子が見えてしまう
  • 急に雨が降ったときに濡れてしまう

キャンプ場では、ほかにも多くの利用者がいることも考えられます。テントの中が見えてしまうのが気になるという人には、インナーテントのみの使用はあまりおすすめできません。

また、アウトドア環境では突然の天候悪化もあり得ます。そういった状況になったとき、インナーテントのみでは雨を十分にしのぐことは難しいでしょう。

インナーテントの中にコットを置ける?

コットとは、キャンプやアウトドアなどで使われている簡易式ベッドのことをいいます。コットは「シートがあるとはいえ地面に寝転がるのは苦手」という人にもおすすめです。

結論、インナーテントの中にコットを置くことはできます。中には、コットを使うことを想定したインナーテントも販売されています。ただし、コットをインナーテント内で直に置いてしまうと、シートが傷む原因になるため、注意が必要です。

インナーテント内にコットを持ち込む際は、ラグなどを敷いてから置くようにしましょう。

メッシュのインナーテントは寒い?

インナーテントには、メッシュ仕様のものがあります。メッシュのインナーテントは、通常のものより通気性が高いため、テント内の結露を防いでくれます。

ただし、フルメッシュのインナーテントを使うと、朝晩は寒さを感じやすいです。特に山や森といった場所では冷え込むため、万全な防寒対策が基本になります。

また、雪山など極寒の中でキャンプをするときにフルメッシュのインナーテントを使用すれば、寒さで眠れず体力を消耗してしまう可能性もあるため、注意しましょう。

  • インナーテントの種類

    インナーテント単独でも使えますがデメリットがあることも覚えていきましょう

インナーテントの種類

インナーテントには、吊り下げ式やスリーブ式といった種類があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、購入時には必ずチェックしておきましょう。

吊り下げ式インナーテント

吊り下げ式は、ポールを設置してからインナーテントに付いているフックを引っかけて、テントを組み立てていきます。

吊り下げ式のメリットとしては、設営や撤収などに時間がかからないという点が挙げられます。ポールにフックを引っかけていくだけなので、力を必要とする作業に自信がない人にも安心です。

ただし、テントの使用中にフックが外れてしまう可能性があり、強度はやや低めになっています。

スリーブ式インナーテント

スリーブ式は、テントのスリーブ(ポールを通す穴)にポールを通してから組み立てていきます。ポールに対して均等に荷重が掛かるため、強度が高いのも大きな特徴でしょう。

しかし、スリーブ式の場合は組み立て時にテントを持ち上げる必要があるため、設営にも力を要します。また、テントを解体する際、スリーブの中でポールの接続部分が外れてしまうと、取り外しに手間が掛かるといったデメリットもあります。

  • インナーテントのサイズ

    インナーテントには吊り下げ式やスリーブ式などの種類があります

インナーテントのサイズ

インナーテントは、商品によってサイズが異なります。インナーテントのサイズは「幅×奥行×高さ」という形式で表記されているのが一般的です。

また、インナーテントから購入する際は複数の商品を比較して、サイズを検討するのもおすすめです。ここでは、2人用と4人用のインナーテントを例に挙げて、実際の商品のサイズを比較してみましょう。

2人用インナーテントのサイズ例

奥行120~190cm の2人用インナーテントのサイズを2つ紹介します。

  • Hilander 自立式インナーテント(遮光) 【2人用】
    幅210×奥行120×高さ130(cm)

  • PaaGo WORKS ニンジャネスト【2人用】
    幅180×奥行190×高さ100(cm)

4人用インナーテントのサイズ例

4人用の場合は奥行220~210cmとなっており、2人用よりもサイズは大きめです。

  • QUICKCAMP インナーテント付き【4~5人用】
    幅270×奥行220+70×高さ140(cm)

  • LOGOS 2ドアルームテント【4人用】
    幅270×奥行210×高さ130(cm)

2人用と4人用それぞれのインナーテントのサイズを比較してみると、幅や高さにそこまで大きな違いはないといえます。この2つに違いがあるとすれば、「奥行き」のサイズです。

また、キャンプに行くときには、荷物の量や大きさも気になるポイントですよね。テントには収納したときのサイズも記載されていますので、購入時に確認しておくといいでしょう。

  • フライシートやタープとの違いは?

    インナーテントを購入する際はサイズの確認も重要です

インナーテントとフライシート、タープの違いは?

インナーテントは、フライシートやタープといったアイテムとどのような違いがあるのでしょうか。

フライシートとは

フライシートは、インナーテントにかぶせて使用するアイテムです。防水機能があり、テントや中にいる人を雨から守る役割があります。

テントはフライシートとの間にすき間ができるような構造になっており、このすき間によりテント内に結露ができるのを防ぐ効果があります。さらに、フライシートには日光からテントを守る役目もあります。

フライシートは高い耐水圧のものを選ぶと、大雨が降っても心配ありません。ただし、耐水圧が高くなると通気性が下がってしまうため、テント内が蒸しやすくなるというデメリットもあります。

タープとは

タープは、テントに連結させたて使用したり、テントの近くで屋根状に張ったりして使うシートのことをいいます。主に日差しや雨を防ぐためのアイテムですが、タープはフライシートほどの防水力は期待できません。

タープには、レクタングラー型、ウイング型、ヘキサウイング型などの種類があり、アイデア次第でさまざまな用途に活用できます。キャンプにおいて絶対に必要という道具ではないものの、アウトドアをより快適にするためにおすすめのアイテムです。

インナーシートとフライシート・タープの違い

フライシートは、インナーテントの外側に張って、雨や日差しなどからテントを守る役割があります。また、タープはテントの近くに張って、キャンプなどのアウトドアシーンで日除けとして活躍するアイテムです。

調湿や調音といった機能を持つインナーテントとは、どちらも別の用途で使うアイテムといえます。

  • 用途に合ったインナーテントを探してみよう

    インナーテントはフライシートやタープとは別の用途で使うアイテムです

用途に合ったインナーテントを手に入れましょう

テントはキャンプ道具の中でも代表的なアイテムですが、実際に購入するとなると知識が必要になります。

インナーテントには種類があり、それぞれサイズや使用シーンも異なります。実際にテントを利用する人数も想定しながら、用途に合うインナーテントを探してみましょう。