シュラフは、キャンプなどで快適な睡眠を確保するために必要なアイテムです。実際にシュラフの購入を考えた時、特にアウトドア初心者にとっては何を基準に選ぶべきなのか、悩んでしまうという人もいるでしょう。

そこで今回は、シュラフの種類や選び方、使い方について詳しく解説します。

  • シュラフとは? どんな道具?

    シュラフはキャンプなどのアウトドアレジャーには欠かせないアイテムです

シュラフとは?

シュラフとは寝袋のことを指します。キャンプなどのアウトドアを楽しみたいと考えている人にとっては、最初に購入を検討したいアイテムでしょう。アウトドア環境で眠る際には、冬にかぎらず、一年中欠かせないアイテムです。

早速、シュラフの種類や選び方について解説します。

シュラフの種類・特徴

シュラフとひとくちにいっても、豊富な種類があります。ここでは、シュラフの種類とそれぞれの特徴について紹介します。

封筒型シュラフ

封筒型、またはレクタングラー型とも呼ばれるシュラフは、その名のとおり長方形の封筒のような形状をしています。シュラフ内部に余裕があるため、一般的な布団のような感覚で睡眠できます。

封筒型のシュラフは、体との間に隙間ができやすい分、通気性にすぐれているので気温が高い季節にも比較的使いやすいといえます。しかし、体との密着性が低いということは、保温性はそれほど期待できず、寒い季節に使う場合は注意が必要です。

また、封筒型は同じ種類であれば複数のシュラフを連結させることも可能です。シュラフをファミリーで使用したい場合などに向いています。

マミー型シュラフ

マミー型は人形型とも呼ばれるシュラフで、由来はミイラを意味するMummy(マミー)です。体を入れる開口部から足先にかけてフィットする形状になっていて、ミノムシのようなシルエットです。マミー型は体への密着度が高く、保温性にもすぐれるため、寒い季節におすすめです。

封筒型に比べて、シュラフ内部が窮屈で身動きが取りづらいという点もありますが、逆にコンパクトに収納できるといったメリットもあります。マミー型は、できるだけ荷物は少量にしたいという人に最適でしょう。

エッグ型シュラフ

封筒型とマミー型の中間に位置づけされるのがエッグ型です。シュラフ内部はゆとりがありつつ、足先は角丸形状になっていて温度を逃がしにくいという特徴があります。

エッグ型は、窮屈さからマミー型にやや苦手意識があるという人にもおすすめです。コンパクトに収納することも可能なので、自転車やバイクでの移動が多いという人も携帯しやすいという魅力があります。

人型シュラフ

人型シュラフは、全身ダウンといえばイメージが付きやすいでしょう。手足が分かれているので動きやすく、寝袋を着たまま移動やちょっとした作業もできます。ただし特に女性はトイレのときが面倒、またボリュームによっては収納時にかさばるという注意点もあるようです。

インナーシュラフ

シュラフの中に入れて使用するインナーシュラフは、シュラフ単体で使用するよりも保温性が高くなるため、寒い季節にぜひ取り入れたいアイテムです。

暖かい季節向けのシュラフを冬に使う場合は、インナーシュラフと組み合わせることで、万全な寒さ対策をすることができます。シュラフを活用する機会が多いという人は、1枚持っておくと便利でしょう。

  • シュラフの種類

    シュラフにはさまざまな種類のものがあります

シュラフの選び方のポイント

いざシュラフを購入するとなると、特にアウトドア初心者にとっては、どれかひとつを選ぶのは難しいものです。

ここでは、シュラフを選ぶときに確認しておきたいポイントを解説します。

シュラフが対応している温度(気温)をチェック

シュラフには、それぞれ対応可能な気温設定があります。一見、同じに見えるシュラフですが、対応できる気温の設定は異なりますので確認が必要です。

保温性の高いシュラフは寒い季節には最適ですが、夏場は暑くて寝苦しさを感じてしまいます。このように季節やロケーションも考慮しながら選ぶといいでしょう。

また、同じ季節や地域であっても、標高によって気温は大きく変わることもあります。アウトドアに出掛ける際は、あらかじめ気温傾向なども調べておきましょう。自然の中では、急激に気温が下がる可能性もあるため、温度調整ができるインナーシュラフなども準備しておくとより安心です。

中綿素材の種類

中綿の種類は主に「ダウン(羽毛)」「化繊」の2種類です。ダウンは軽くて暖かいのですが、化繊に比べて価格が高いのがネックです。また、カビが生えやすいので注意が必要です。

化繊はダウンに比べると重量があり、かさばることも多いです。しかし安価で水ぬれなどに強く、耐久性が高いというメリットがあります。

用途に合ったサイズ

封筒型シュラフには複数人で寝られるものもあります。大体の目安としては、1人なら幅110cm未満、2人以上なら幅110cm以上180cm未満くらいのものが多いようです。前述のように、連結機能を持つものもあるので、人数によって使い分けたい場合は便利でしょう。

収納のしやすさ

アウトドアで使用することが多いシュラフは、持ち運びがしやすいかという点も大切なチェックポイントです。マミー型やエッグ型のシュラフは、比較的コンパクトに収納できるものも多いため、荷物を極力減らしたい場合にも適しています。

また、シュラフはコンパクトさだけでなく、収納のしやすさも確認しておきましょう。いくら機能性のあるシュラフでも、開け閉めに手間がかかるものは使い勝手がいいとはいえません。収納のしやすさも、シュラフを選ぶ上では重要なポイントといえます。

肌触りや寝心地のよさ

シュラフでぐっすり眠るためには、肌触りや寝心地も重視したいポイントです。密着感のあるシュラフは保温性にすぐれる反面、身動きがとりづらく寝苦しさを感じることもあります。特にシュラフでの睡眠に慣れていない人は、熟睡できないこともあるでしょう。

せっかくアウトドアでリフレッシュできるはずが、寝不足になってしまっては本末転倒です。寝心地のよさも大切なチェックポイントとして覚えておきましょう。

シュラフのお手入れ方法も事前に確認を!

シュラフは、種類によってお手入れ方法も異なります。

夏場などは寝ている間も汗を大量にかくため、丸洗いできるシュラフがおすすめです。中には、表面のシートのみを取り外して洗濯できるものもありますので、洗い方などもあらかじめチェックしておきましょう。

洗濯したシュラフは、直射日光が当たらない風通しいい場所に干します。しっかり乾燥させるために、乾燥機を活用するのもいいでしょう。

その後、自宅で保管する場合は、干すとき同様、直射日光を避けられる場所に置き、湿気にも十分注意してください。押し入れなどでは、乾燥材と一緒に収納しておくのもおすすめです。

  • シュラフ選びのポイント

    自分に合ったベストなシュラフを探しましょう

シュラフのおすすめの使い方

シュラフの使用シーンとして真っ先に思い浮かぶのは、やはりキャンプなどのアウトドア環境に宿泊するタイミングではないでしょうか。朝晩が冷え込む季節も、全身をしっかりと包み込んでくれるシュラフがあれば、快適に寝ることができます。

シュラフは冬場に限らず、夏場でも朝晩の冷え込みに注意が必要な、標高の高い場所でも頼りになるアイテムです。

また主にアウトドア環境で使用するイメージがあるシュラフですが、日常においても万能寝具として活躍します。例えば、急に友人などが泊まりに来た際に使う寝具として、または何らかの理由でベッドや布団などが使えない場合にも活用できます。その他にも、以下のようなシーンでも活躍します。

車中泊にもおすすめ

アウトドアでテントなどを使わずに宿泊する手段として、車中泊も注目を集めています。

シュラフはどこにでも持ち込めるため、車中泊用の寝具としてもおすすめです。車のシートをフラットにしてスペースさえ確保できれば、あとはシュラフを広げるだけで簡単に眠るための空間を作ることができます。

防災グッズとしても便利

シュラフは防災グッズとしても便利なアイテムです。災害などで避難しなければならなくなったときも、シュラフがあればゆっくりと睡眠をとることができます。

日本は自然災害の比較的多い国といえますので、防災グッズとしてシュラフを準備しておくと安心でしょう。

  • シュラフとは? どんな道具?

    シュラフはさまざまなシーンで活躍します

シュラフを英語で表記すると?

シュラフにまつわる豆知識もご紹介します。シュラフは英語と思うかもしれませんが、実はドイツ語の「シュラフザック」という言葉が由来になっています。シュラフは英語圏では通じない可能性がありますので注意しましょう。

ちなみに、シュラフは英語で「sleeping bag」と表現されます。

  • シュラフを英語で表記すると?

    シュラフは英語ではなくドイツ語に由来します

自分に合ったタイプのシュラフ(寝袋)を選んで、キャンプをより快適に

シュラフは、キャンプなどのアウトドアで快適な睡眠確保に欠かせないアイテムのひとつです。ひとくちにシュラフといっても、さまざまな種類のものがあるため、その中から自分に合ったアイテムを探せるかどうかがカギになります。

この記事で紹介したシュラフの選び方のポイントを参考にして、自分と相性のいいシュラフを手に入れてくださいね。