マーサージャパンは11月24日、日本における報酬に関する市場調査「Total Remuneration Survey」2021年版レポートを発表した。参加企業数は863社(昨年737社)、うち日系企業は302社(前年比+48%)にまで急増し、国内における報酬サーベイとしては過去最大となった。
日系企業の課長の賞与込み年収は1,032万円(昨対比-1%)、部長は1,362万円(昨対比-0%)と昨年並みの水準にとどまった。
また、昇給予算の平均は2020年が1.8%、2021年が2.0%。昇給を凍結した企業の割合も2020年が22%、2021年が9%と減少していることから、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて大幅な給与減が報じられる中、同サーベイ参加企業における報酬水準の落込みは限定的であることがうかがえる結果に。
職種別に日系企業・外資系企業の年収(手当・賞与込み)を比較すると、営業/マーケティング、データアナリティクス、法務の報酬は、全職種中央値を上回っており、職種別報酬差は日系企業よりも外資系企業の方が大きい。
また、日系企業でも獲得競争が激しいデータアナリティクス職種では、入社1-5年目の報酬で全職種と7%程度の報酬差が生じており、年収を2020年水準と比較すると、市場昇給予算平均(1.8%)を超え5~8%上昇した。
さらに、近年、社会・経済構造の変化やコロナ禍でのリモートワークの導入により、関心が高まっていたジョブ型雇用は、人事制度への導入に踏み切る日本企業が相次いだことで一過性のブームの域を脱して確実な潮流となった。これに伴い、“ジョブ型雇用”という言葉はバズワード化し、企業にとって事業・人材戦略に沿った “自社が目指すべきジョブ型雇用”を定義することの重要性が高まっていることがうかがえた。