ドラマ『来世ではちゃんとします』で演じた栗山凪が、SNS上で「あまりにキレイすぎる」と大きな反響が起きるなど、中世的な魅力で強い存在感を示しているモデルで俳優のゆうたろう。近年俳優として映画やドラマへの出演も増え、メディア露出も多くなってきた。当然のことながら周囲からの反響も耳に届くというが「マイナスな意見も、自分に興味を持ってくれていると思うとうれしい」とポジティブに捉えているという。
つぶらな瞳と優しい笑顔で、ときには格好良く、ときには可愛く、そしてドラマで女装をすれば「マジでキレイ」と反響が起こるなど、さまざまな顔を見せるゆうたろう。唯一無二の個性は、映像の世界でも着実に実績を重ねている。しかし最初は「自分の好きなことをしているだけ」とあまり自身に個性があるとは気づいていなかったという。しかし、俳優という仕事をするようになり、少しずつ気づいたことがあった。
「10代、20歳の若い俳優って本当にたくさんいて、一つの役を取り合うような世界だと思うんです。そんななかでオーディションなどに行くと『キャラクター性が強いね』と声をかけていただける機会が増えて、もしかしていまの自分の立ち位置って、あまりライバルがいないのかなと感じるようになったんです」。
ゆうたろうの言葉通り、作品のなかで、彼しかできない……というような役柄で作品に彩を添えることが多い。それは大きな強みでもある。しかし一方で、現状に満足することなく、しっかりと先も見据えている。
「いまの状況はとてもありがたいのですが、このままではすぐに飽きられてしまうと思うので、キャラクターだけに頼ることなく、もっと表現の幅を広げていかなければいけないと思っているんです」。
その意味で、現在Spotifyで配信中のGMOメディアが運営するチャット型小説サービス「プリ小説」のオーディオドラマ『イケMEN!~3分だけのキュン彼氏~』(毎週木曜に最新話を配信 ※全10話)で演じたヤクザの役は、大きな出会いだったという。
本作は、長年の片想いが儚く散った女の子・古河恋花が、たまたま購入したカップ麺にお湯を入れると、3分だけイケメン彼氏が飛び出してくるというストーリー。ゆうたろうは、恋花を溺愛するヤクザ・ヤマトを演じている。劇中、さまざまなイケメン彼氏が登場するが、監督はゆうたろうに「ヤクザ役」をオーダーした。
「なんで僕がヤクザの役なんだろうという疑問はあったのですが、オーディオドラマという新しいジャンルで、こういう機会でなければ演じることができないと思ったら、すごくありがたいお話しでした。ただ、実際にまったくイメージが湧かなかったので、ヤクザ映画などを観て、声も低く、オス感を出した役作りをして臨んだんです。でも監督から『あまり飾らなくていいから』と言われ、自分を活かしつつ、シンプルに役を作っていきました。ドSキャラも新たな表現を発見できて、すごく勉強になりました」。
これまで自分の声に対してコップレックスがあったというゆうたろう。しかし、声だけで表現することで、その思いも変わってきた。
「初めて自分の声を聞いたとき『これは本当に自分の声なの?』というぐらい違和感があったんです。そこからあまりハキハキしゃべることが嫌になってしまったのですが、こういう職業だと、自分の声を聞く機会も多くなります。去年からラジオをやらせてもらっているのですが、最初はやっぱり嫌な声だなと思っていたんです。でもリスナーの方から『声がいいですね』とか『落ち着きます』という声をいただくと、そんなに悪くないのかな……と思うようになったんです。いまはようやく受け入れられるようになってきました」。