デロイト トーマツ コンサルティングは11月22日、「役員報酬サーベイ(2021年度版)」の結果を発表した。同調査では、日本企業における役員報酬の水準、役員報酬制度やガバナンス体制、コーポレートガバナンス・コードへの対応状況等の現状を調べた。調査期間は2021年6月~7月、有効回答は1,042社。

社長の報酬総額水準9,860万円

  • 社長報酬総額の水準推移

売上高1兆円以上の企業における社長の報酬総額水準は、中央値で9,860万円。前年(9,887万円)比では0.3%減となり、2年連続で減少した。同調査では、「一部の企業において新型コロナウイルスの影響による報酬の減額等が反映されつつある」と分析している。

一方、東証一部上場企業における社外取締役の報酬総額水準は、中央値で800万円と、5年連続で上昇した。これは、「コーポレートガバナンス・コードの要請に基づいた社外取締役への役割期待の高まりが背景にある」という。

株式関連報酬(長期インセンティブ報酬)を既に導入している企業は74.0%で、今後導入予定の企業も合わせると85.2%に上った。現時点で導入済みの制度は、「譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)」(279社)が最も多く、次いで「業績連動型株式交付信託」(144社)となった。

新型コロナウイルス等の影響により役員報酬制度を変更した企業は13.3%にとどまり、変更していない企業が86.7%を占めた。制度を変更した企業のうち、臨時的に変更した企業は11.9%、臨時的かつ恒常的に変更した企業は1.1%、恒常的に変更した企業は0.4%だった。