女優の有村架純が19日、都内で行われた『WOWOWオリジナルドラマ 前科者 -新米保護司・阿川佳代-』(11月20日スタート 毎週土曜22:30~ 全6話 第1話無料放送)の完成報告会に、共演の石橋静河、メガホンをとった岸善幸監督とともに出席した。

  • 左から、石橋静河、有村架純、岸善幸監督

本作は、人気コミック『前科者』を有村の主演で連続ドラマ&映画という形で実写化した社会派ヒューマンドラマ。"前科者"たちの更生、社会復帰を目指し、保護司が奮闘する姿を描く。

保護司の阿川佳代を演じる有村は、保護司という存在を知っていたか尋ねられると「保護司という役割があるということは、作品を通してなどで知っていたんですが、保護司がボランティアで行われているということは恥ずかしながら知らなくて、無給で前科のある人間の更生を手助けするって一体どういうことだろうって思ったんですけど、作品を通して対象者と保護司の関係性だったり、距離感だったり、相手を信じる気持ちだったり、いろんなところにたくさん心が動かされていたので、実際に保護司をやられている方は、いろんな人間ドラマを感じながら対峙されているのかなと感じました」と語り、撮影現場に実際に保護司をやっている方がいたそうで「印象に残っているのは、その方がおっしゃるには『ハートは熱く、でも頭の中は冷静に』ということを大事にされているとのことだったので、佳代としてもその気持ちを持って立っていられたらいいなと思っていました」と明かした。

また、感情むき出しのキャラクターを演じての感想を求められた有村は「ひと言で言うと本当に楽しかったです!」と目を輝かせ、「人と向き合うということはものすごく労力のいることですし、一筋縄ではいかないことだらけだったんですけど、人を思って笑ったり泣いたり怒ったり叫んだり、一つひとつのシーンで人によって心が揺れ動いていたので、こんなにも気持ちが動く現場も久しぶりだなって。人のために生きるって本当に楽しい、素晴らしいって毎日実感していて、とにかく楽しかったです」とニッコリ。加えて有村は「佳代の中では普通なんですけど、突拍子もなく怒り出したり、突拍子もなくという佳代の衝動をどう現場で演じたらいいかなと思ったんですけど、あまり考えすぎず、その瞬間に一気に気温を上げていこうと思いながら演じていました」と打ち明けた。

有村と前科者・斉藤みどりを演じる石橋は今回、初共演だったそうで、現在はプライベートでも仲がいいという有村の印象を聞かれた石橋は「(最初に撮影した)映画版はドラマ版から3年後の世界だから、2人の関係性が出来上がっているというのを見せなきゃいけないと思って、"はじめましてだしどうしよう"って緊張していたんですけど、現場に入って有村さんと会ったときに"大丈夫"って思えて、最初からバディとしていられる感じがして、有村さんが"さあ来い"みたいに温かく迎え入れてくれたので、"よっしゃー、暴れるぞ"みたいな気持ちになりました」と回顧。

これを聞いて「ニコニコしちゃいますね(笑)。今日も久しぶりにお会いできたので、気持ちが舞い上がっちゃっています」と頬を緩ませた有村は、石橋の印象について「最初にお会いしたときから、立つ姿からかっこいい女優さんだなと思って、でも緊張を秘めながら現場に立たれているなという一面も見られて、人間らしくて好きだなあって。毎日、好きが積もっていった時間でした(笑)。出会えてよかったなって思っています」とコメント。これに石橋は「泣いちゃいます」とうれしそうな表情を浮かべた。

イベントでは、本作のサブタイトルにちなみ、自身はどんな新米(デビュー)時代を過ごしていたのか振り返る一幕もあり、自身の17歳当時の写真を見た有村は「今より眉毛が細いです。学生って感じですね。恥ずかしいです」と照れ笑いを浮かべ、当時の様子について「このときはデビュー当時で上京したてくらいなので、周りに誰も知り合いがいないし、急に大人たちに囲まれて、とんでもない世界に入ってきちゃったという思いだったんですけど、自分でやりたいなと思ったお仕事に飛び込んで上京してきたので、強い思いのある当時だったのかなと思います」と回顧。「でも自分のことを話すのがすごく苦手だったんですけど、自分自身もそんなに目立ちたがりなわけじゃないので、"なんでこのお仕事をしているんだろう"って思うときが今でもあるので、不思議だなあって思います(笑)」笑った。

一方、20歳当時の写真を見た石橋は「ふてぶてしいですね」と自分にツッコミを入れ、「(当時は)何を考えていたのでしょうか(笑)。気分は今でも新米なんですけど、世の中的には何年か経つとそういう扱いをしてくれないので、もうちょっとちゃんとしなきゃなって思っています」と気合いを入れ、「最初から出会う人に恵まれてきたなと思いますね。頑張ります」と語っていた。