ロールス・ロイスは新型「ブラック・バッジ・ゴースト」を日本で公開した。「ゴースト」のビスポークモデルで、価格は4,349万円からだ。日本ではここ最近、IT業界などで成功した若い顧客が増えているというロールス・ロイス。ダークな新型車は、彼らのニーズにマッチするのだろうか。
日本で人気の高い「ブラック・バッジ」
「ゴースト」は2009年に誕生したロールス・ロイスの人気モデルで、現行型は2世代目となる。「ブラック・バッジ・ゴースト」は2016年が初登場で、このほど新型が日本上陸を果たした。
「ブラック・バッジ」というのはロールス・ロイス車の常設型ビスポーク・モデルで、とりわけ日本市場で人気が高い。ロールス・ロイスは「ドーン」「レイス」「ゴースト」「カリナン」にブラック・バッジを設定しているが、全世界でのブラック・バッジ販売比率が27%であるのに対し、日本では52%に達するという。
ロールス・ロイスでありながら、ゴーストは運転手にハンドルを任せて後席でくつろぐクルマというよりも、乗る人の運転意欲を掻き立てる「ドライバーズ・カー」としての性格が強いモデルだが、「ブラック・バッジ・ゴースト」は、そのキャラクターをさらに強めている。例えばゴーストが搭載する6.75リッターのV型12気筒ツインターボエンジンは、ブラック・バッジでさらなるパワーを獲得。具体的にいえば、最高出力は29PS増の600PS、最大トルクは50Nm増の900Nmに向上している。
展示車の色づかいは強烈。黒の車体に水色の内装というコントラストは呆然とするほど鮮やかだ。こうした大胆さは、ロールス・ロイスで増えつつある新しい顧客、具体的にはIT業界などで成功を収めた若い富裕層(最近は20代の顧客もいるのだとか)にも人気があるのだとか。反骨精神あふれる「ディスラプター」(破壊者)を魅了してきたと自負するロールス・ロイスだが、現代の破壊者は「ダークな美学」「主張するキャラクター」「大胆なデザイン」を求めるそうで、そうした要望に対応すべくブラック・バッジを作っているのだという。