JR西日本は17日、ホームと列車の段差・隙間の両方を全自動で可変的に埋める可動スロープに関して、実用を見据えた試作機が完成したことから、JRゆめ咲線(桜島線)桜島駅にて11月21日から現地検証を開始すると発表した。
2019年以降、JR西日本は車いす利用者がスムーズに乗降できる環境づくりをめざし、JR西日本テクシアおよび小松製作所と共同で、ホームと列車の段差・隙間の両方を全自動で可変的に埋める可動スロープの開発を進めているという。さまざまな検証・改良を重ね、実用を見据えた装置の試作機が完成したことを受け、早ければ数年後の導入をめざして桜島駅での現地検証を実施する。
可動スロープにおいては、「列車検知センサ」が列車の到着を検知し、スロープ先端のセンサが乗降口とホームとの距離を計測。その後、スロープが自動的に張り出して段差・隙間を埋める。乗降完了後、列車のドアが閉まるとスロープを自動で収納するしくみになっている。スロープの稼働中に周囲の人・物体を検知した場合や、スロープ先端が杖などの物体との接触を検知した場合に注意喚起し、スロープの動作を一時停止する安全装置も装備する。
現地検証は11月21日から開始し、2022年2月中旬まで実施予定。屋外条件や実際のホーム環境での動作安定性の確認と、利用者の利便性の確認を行うとしている。