「商品を売ることを目的にしない体験型の小売店」として知られるシリコンバレー発の「b8ta」(ベータ)が、11月15日に東京・渋谷にオープンしました。次世代の最新家電や食品を体験できるのが特徴で、あのテスラも導入しているという“街のラーメン店に迫る味が楽しめる次世代ラーメン自販機”も体験できました。
さまざまな家電が実際に体験でき、食品は試食も可能
b8taがオープンしたのは、JR渋谷駅すぐの宮益坂交差点の一角。近くの渋谷スクランブル交差点ほどではありませんが、人通りの多い場所です。
b8taは、人々に新たな体験や発見をもたらすことを狙った新世代の体験型のお店。店内には、家電や食品など次世代のトレンド商品が展示され、実際に手に取って試したり試食できます。来店客に次世代のトレンド商品をいち早く体験してもらい、新たな発見をしてもらうことを目的にしており、あくまで販売は目的にしていないのが特徴となります。
お店は、商品の販売で利益を得る代わりに、来店した客の行動データを収集し、収集したデータを商品のメーカーにフィードバックすることで収益を得ているのです。
お店の天井にはAIカメラが設置され、商品の展示コーナーの前を通った人は何人いたか、そのうち5秒以上立ち止まって商品に興味を示した人は何人か、といった来店客の行動を匿名で収集。さらに、専用のスマホアプリによるアンケートや、応対した店頭スタッフからのコメントを基に、その商品に対する興味関心のデータをまとめてメーカーにフィードバックする仕組みになっています。
さらに、食品や化粧品、デジタル家電など、さまざまなジャンルの商品を厳選して展示することで、来店客に異なるジャンルの商品をアピールできるようにしています。店頭には日産自動車の電気自動車「ARIYA」が展示されていますが、これは化粧品や食品が目的で来店した人に“日産のクルマ”の存在を意識させることを狙っています。
テスラが認めた次世代ラーメン自販機「Yo-Kai Express」も!
渋谷のb8taで注目したいのが、シリコンバレー発の次世代ラーメン自販機「Yo-Kai Express」が日本で初めて設置されたこと。ラーメン自販機というと、市販のカップラーメンに自動でお湯が注がれるだけ…というチープなイメージがありますが、Yo-Kai Expressは「街のラーメン店に匹敵する味が楽しめる」点を前面にアピールしています。
詳細は企業秘密とのことですが、冷凍のラーメンを高温の特殊なスチームで加熱して調理することで、お店のラーメンに迫る味を実現しているそう。冷凍ラーメンは日本人の好みに合わせて作った日本専用で、舌の肥えたラーメンファンも満足できると自信を見せます。注文からわずか1分ほどでできあがるスピードと、「麺固め」など好みに応じた仕上げに調整できる点も注目ポイントといえます。味の濃さを調節する機能も搭載する予定があるそうです。
実際に、とんこつラーメンを「麺固め」でオーダーし、特別に試食できました。容器自体はコンビニラーメンのような装いですが、麺はコシのある堅さで好ましく、ネギやチャーシュー、紅生姜などの具材もシャキッとしておいしく感じました。スープは若干薄めの仕上がりで、人気とんこつラーメン店のような濃厚さには欠けましたが、1滴残らず完飲。総じて、自販機で出てくるラーメンとは思えないうまさでした。
米国では、電気自動車でおなじみのテスラの社内に設置されているほか、空港や病院、大学などの施設にも導入が進んでいるといいます。日本でも、2022年から高速道路のサービスエリアなどで導入が始まる予定になっています。ラーメンの種類は醤油、味噌、塩、とんこつを用意しており、日本の人気ラーメン店とのコラボも企画しているそう。担々麺が大好きな筆者は、担々麺をリクエストしておきました。