No Companyは11月9日、「学生の注目企業2021」の結果を発表した。調査は2020年7月1日〜2021年6月30日、学生が就活で参考にするトップ20メディアに掲載された記事において、SNS(Twitter、Facebook)上で最も学生が話題にした企業、団体・組織を抽出。上位200社を発表した。

  • SNSデータから見る「学生の注目企業2021」トップ200(エンゲージメント量3,000以上の企業)

    SNSデータから見る「学生の注目企業2021」トップ200(エンゲージメント量3,000以上の企業)

今回の調査では、学生が就職活動で参考にするトップ20メディアに掲載された「企業名が入っている記事(該当する企業に関するあらゆる記事)」「企業の社員が取り上げられている記事」が、SNS(Facebook、Twitter)上でどれほど「いいね」や「リツイート」「シェア」「コメント」などのアクションをされたのか、その総量(=エンゲージメント量と呼ぶ)を計測。

その結果、「スタートトゥデイ」と「カバー」の2社が10万超えのエンゲージメント量を獲得した。「スタートトゥデイ」は、前澤友作氏が社員募集を発表したnote記事が注目され、「カバー」は、人気VTuberの世界観づくりに関われることをフックにした社員募集をWantedlyで発表するなど、どちらも企業やブランドのインフルエンス力を活用したコンテンツ拡散が高いエンゲージメントを生んだよう。

  • SNSデータから見る「学生の注目企業2021」トップ200(エンゲージメント量1,500〜2,999の企業)

    SNSデータから見る「学生の注目企業2021」トップ200(エンゲージメント量1,500〜2,999の企業)

続いて、10万には達しなかったものの、「メルタ」「キャスター」「STPR」の3社が、5万以上もの高いエンゲージメント量を獲得。そのほか、「マネーフォワード」「メルカリ」「サイバーエージェント」「サイボウズ」「アマゾンジャパン」「Google」の6社が、3年連続で上位200社以内に選出された。

「マネーフォワード」「メルカリ」「サイバーエージェント」「サイボウズ」は、複数のメディアで「社員(元社員)が会社の姿や自身の価値観を語る記事」が高いエンゲージメントを獲得。一方、「アマゾンジャパン」「Google」からは社員に関する情報発信はほとんどなく、社会情勢に合わせた「企業姿勢」や「事業内容」、また高水準の「給与」や効率的な「ワークスタイル」など、学生が“憧れ”を抱きやすい内容の記事が注目された。

さらに、今回のランキングでは3つの省庁がランクインしている。映画『天気の子』の気象監修を務めた研究官の記事が話題となった「気象庁」や、初の中途採用での異色人材採用についての記事が話題となった「防衛省」が高いエンゲージメントを獲得。また、「デジタル庁」がオープンに情報発信をしているnoteのエンゲージメントも高く、想像がつかない堅い仕事だと思われていた省庁の仕事を身近に感じさせる情報発信が「意外性」を生み、学生の注目を集めたと考えられる結果となった。

  • SNSデータから見る「学生の注目企業2021」トップ200(エンゲージメント量1,499以下の企業)

    SNSデータから見る「学生の注目企業2021」トップ200(エンゲージメント量1,499以下の企業)

2020年度から新型コロナウイルスの影響が続くなか、学生は企業の採用活動の変化に注目しており、なかでも「ワークスタイルの変化」に言及した企業に関心を寄せているよう。また、「理想」「成長」「挑戦」などのキーワードが入った記事が高いエンゲージメントを獲得するなど、個人が自分のキャリアをより重視するようになった結果、会社の方針と自身のキャリアビジョンが合うかどうかを気にする学生が増えていることがうかがえた。