東武鉄道が特急車両100系「スペーシア」の後継モデルとして導入する新型車両N100系。製作会社は日立製作所に決定し、同社のアルミ製標準型車両「A-train」コンセプトにより、山口県下松市の日立製作所笠戸事業所にて製造される。

  • 東武鉄道が2023年に導入予定の新型特急車両N100系。日立製作所が製造を担当する

日立製作所が開発した「A-train」は、リサイクル性に優れたアルミ合金を使用し、ダブルスキン(2枚板)構造を採用することで、部品点数の減少に加え、遮音性能の向上による快適な車内環境や車両の軽量化による省エネも実現。リサイクルやメンテナンスが容易でライフサイクルコストに優れた安全で快適な鉄道車両システムであり、同社が製造を手がけた多くの車両で採用されている。

東武鉄道の新型特急車両N100系は、「Connect&Updatable ~その人、その時と、つながり続けるスペーシア~」をコンセプトに、既存の特急車両「スペーシア」の形状を現代に進化させ、日光や江戸の要素を取り入れたカラーリングとデザインを採用している。「スペーシア」の個室を継承するほか、ラウンジやカフェカウンターを新たに設置し、上質な空間の提供をめざすという。

N100系の愛称は未定。導入時期は2023年(予定)、導入路線は東武スカイツリーライン・日光線・鬼怒川線の浅草~東武日光・鬼怒川温泉間とされ、座席数は212席。6両固定編成で、計24両の導入を予定している。なお、日立製作所が東武鉄道向けに車両を供給するのは、2013年に納入した東武アーバンパークライン(野田線)の通勤型車両60000系以来とのこと。