いまや就活においてインターンシップ制度は、とても重要なシステムとして位置付けられている。現在学生で就職活動の真っ只中という人にとっては、企業研究やOB訪問、説明会・セミナーへの参加などと並んで、インターンシップは就活の要として強く意識されていることだろう。

それでは過去にインターンシップに参加した経験のある人は、いま学生時代に戻るとしたら、どんなインターンシップに参加したいと考えているのだろうか。

そこで今回は、社会人の先輩であるマイナビニュース男女会員509人を対象にアンケート調査を実施。「学生時代に戻るとしたら、どんなインターンシップに参加したいか」などを聞いた。

  • 学生時代に戻るとしたら、どんなインターンシップに参加したい?

Q.学生の時、インターンシップに参加したことはありますか?

「はい」(39.3%)
「いいえ」(60.7%)

Q.(前問で「はい」の人へ)いま学生時代に戻るとしたら、どんなインターンシップに参加したいと思いますか?(自由回答)

■「興味のある業界や企業でのインターンシップ」

・「これから伸びる、将来性のある業界に行ってみたいと思う」(45歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「その時興味を持たなかった業界にも積極的に参加してみたいです」(47歳女性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「今なら男性女性関係なく、気になる職を体験してみたい」(39歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「自分の趣味や、働いてみたい仕事に直結する場所で行ってみたい」(32歳男性/リース・レンタル/営業関連)
・「IT系をもっと攻めるべきだったと思っている」(35歳男性/教育/専門サービス関連)
・「IT企業。学生時代はまだ、IT企業がほぼなかったので」(45歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「ITなどにも興味があったので、IT関係の仕事も参加したい」(36歳男性/建設・土木/技能工・運輸・設備関連)
・「今後はIT業界が伸びると思いますので、IT関係の業種で参加してみたいと思います」(45歳男性/その他/専門職関連)
・「流通企業やIT企業、工場業務など」(35歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「製薬、化学、食品関係のメーカーに参加したい」(39歳女性/ガラス・化学・石油/その他技術職)
・「映像関連など特殊な、少しキラキラした業界で参加してみたい」(41歳男性/通信関連/営業関連)
・「商社やマスコミに行ってみたい」(46歳男性/証券・投資銀行/事務・企画・経営関連)
・「広告の産業を体験してみたい。CM作りとかの現場を体験できたら楽しかったのではないかと思う」(40歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「治験実施機関で最前線に立ちたい」(36歳男性/建設コンサルタント/メカトロ関連技術職)
・「自然に触れ合える企業」(49歳男性/総合商社/事務・企画・経営関連)

■「未経験の業界や職種でのインターンシップ」

・「未経験の業種がいいと思います」(48歳女性/食品/営業関連)
・「普段、なかなか接点がない企業」(44歳男性/食品/事務・企画・経営関連)
・「今、働いている業界とは違う業界のインターン」(31歳男性/官公庁/事務・企画・経営関連)
・「あまり馴染みのないジャンルのインターンシップに参加したい」(35歳女性/専門店/販売・サービス関連)
・「あり得るならば、経理や財務といった部分を体験してみたい」(41歳男性/その他/事務・企画・経営関連)
・「いまの仕事とはまったく正反対の職種にチャレンジしてみたい」(35歳男性/輸送用機器/販売・サービス関連)
・「私は製造業だけど営業の人と接する事もたまにあり、今戻るとしたら志望とは異業種のインターンシップにも参加してみたい。サービス業や営業職など。その経験は後に必ずプラスになると思う」(49歳男性/電力・ガス・エネルギー/メカトロ関連技術職)
・「今の業界以外の会社を受けて見たかったです。多分、人生が大きく変わっていたと思います。学生の時の僅かな流れが、その後の人の人生を大きく変えてしまうのだと思いました。そういう意味でも、インターンシップ制度は学生にとって有効な手段だと思います」(49歳男性/ホテル・旅館/事務・企画・経営関連)

■「複数の企業や職種でのインターンシップ」

・「複数企業のインターン」(37歳男性/その他メーカー/その他・専業主婦等)
・「いろいろな数多くの企業に参加をしたいです」(33歳女性/その他/販売・サービス関連)
・「数多くの企業のインターンシップに参加をしてみたいです」(40歳男性/総合商社/営業関連)
・「たくさんの企業を知ることができる短期のインターンシップ」(36歳女性/銀行/事務・企画・経営関連)
・「いろんな職種を回り、実際の経験をしてみたい」(49歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「様々な業種を、様々な角度で経験してみたい」(49歳男性/医療・福祉・介護サービス/その他・専業主婦等)
・「いろんな職種が経験できるような、総合的な企業のインターンシップ」(44歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「近くで、たくさん行けるようにしたいです」(28歳男性/官公庁/公共サービス関連)

■「実務を体験できるインターンシップ」

・「実際働くのと同様な業務のできる会社」(48歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門職関連)
・「仕事内容を把握できるインターシップ」(38歳女性/ソフトウェア・情報処理 事務・企画・経営関連)
・「実際の業務に携われるインターンシップに参加したいです」(36歳男性/教育/公共サービス関連)
・「踏み込んだ業務内容の、社員並みの仕事」(47歳男性/設計/事務・企画・経営関連)
・「既に職場で働いている人達と同じ業務をまかされること」(31歳女性/設備工事/営業関連)
・「社員さんの作業を実際にやってみるということを、また経験したいと思います」(41歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「より業務に近いカリキュラムを体験できるインターンシップに参加したい」(33歳男性/クレジット・信販/IT関連技術職)
・「成果を出せるか否かは別にして、実際の職場の一員として参加できるインターシップがよい」(42歳男性/コンピューター機器/メカトロ関連技術職)

■「自身の経歴や経験が活きるインターンシップ」

・「今の目指している職種と同じ職種のインターンシップ」(27歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)
・「今の経験値で、もっといろんな会社を見ていたら見方も変わっていたんだろうなと思う」(45歳男性/設計/メカトロ関連技術職)
・「今後のために、大学時代に学んだ自分が精通している分野でも参加したいと思った」(44歳男性/サービス/その他技術職)
・「やはり、同じ製造業の企業のインターンシップに参加してみたいと思います」(31歳男性/コンピューター機器/IT関連技術職)
・「企業の経営理念や方向性が、自分の価値観と類似している企業に参加したいです」(46歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)

■「コミュニケーションが取れるインターンシップ」

・「ディスカッションが多めの会社」(30歳男性/医療・福祉・介護サービス/その他技術職)
・「企業の人たちに触れ合えること」(37歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「率直な姿勢を見せる企業」(44歳男性/総合商社/営業関連)
・「和気あいあいとしたインターンシップに参加したい」(46歳男性/医療用機器・医療関連/その他・専業主婦等)

■「海外企業でのインターンシップ」

・「海外を舞台にしたインターンシップ。そのためになら語学も身につけたい」(42歳男性/食品/営業関連)
・「海外企業でのインターンシップに現地通訳の方と参加し、研修をし、現地での生産管理の方法など日本の管理方法と異なるところを学んでいきたいと思った。技術盗用につながる恐れがない範囲でよいので、食品の衛生管理などの生産技術について詳しく学びたいと思った」(33歳男性/教育/専門職関連)

■「小規模な企業でのインターンシップ」

・「地方の会社で、小さいところに行ってみたい」(45歳男性/通信関連/その他・専業主婦等)
・「大企業というよりはもっと少数の、あるいはアントレプレナー(起業家)企業でもやってみたい」(48歳男性/教育/専門サービス関連)

■「期間の長いインターンシップ」

・「もう少し期間の長いインターン」(38歳男性/その他電気・電子関連/メカトロ関連技術職)
・「もう少し期間が長いインターンシップに参加したかった」(43歳男性/教育/専門サービス関連)

■「その他」

・「自分の適性を把握できるようなインターンシップ」(30歳女性/建設・土木/事務・企画・経営関連)
・「ある程度、自分の頭で考えて動けるインターン」(40歳男性/その他/専門サービス関連)
・「大企業のリモートワークを経験したい」(42歳女性/その他/その他・専業主婦等)

■総評

調査の結果、マイナビニュース会員のうち、学生の時にインターンシップに参加したことがある人は約4割の、39.3%となった。

インターンシップへの参加経験者に、いま学生時代に戻るとしたら、どんなインターンシップに参加したいと思うかを聞いた。主な回答としては、「興味のある業界や企業でのインターンシップ」「未経験の業界や職種でのインターンシップ」「複数の企業や職種でのインターンシップ」などが挙がった。

やはり、現在就いている業種や職種以外にも、幅広い経験をしてみたいという気持ちが強いようだ。特に言及されている業界としては、「IT系」を挙げる人が目立っている。自身が就職活動をしていた時代には一般的でなかったITだが、いまインターンシップに参加するのであれば、ぜひIT企業で、ということだろう。

また、「実務を体験できるインターンシップ」や「コミュニケーションが取れるインターンシップ」というかたちで、より実際の現場に近い業務や、仕事上のコミュニケーションを体験できるインターンシップを望む人も多くいた。

そのほか、「自身の経歴や経験が活きるインターンシップ」「海外企業でのインターンシップ」「小規模な企業でのインターンシップ」「期間の長いインターンシップ」などが主なコメントとして寄せられている。

今回のアンケートで、かつてのインターンシップへの参加経験者の多くは、自身がこれまで経験したことのない業界や、いま興味のある業界でのインターンシップを希望していることが判明した。また、複数の企業・職種や実務レベルでのインターンシップなどへの指向も見られた。

これらの社会人としての先輩たちがリアルに経験したいと考える"インターンシップのかたち"は、現在就活を行っている学生にとっては大いに役立つになる意見といえるのではないだろうか。

調査時期: 2021年9月13日
調査対象: マイナビニュース男女会員
調査数: 509人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません