スーパー戦隊シリーズ第35作『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011年)の放送10周年を記念した東映Vシネクスト『テン・ゴーカイジャー』の初日舞台挨拶が12日、東京・新宿バルト9にて開催され、ゴーカイレッド/キャプテン・マーベラス役の小澤亮太をはじめとするキャスト陣が登壇した。
平日(金曜日)夕方の上映にもかかわらず、客席には『ゴーカイジャー』を愛するファンが多数かけつけ、大盛り上がりの状態。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、大きな声こそ出せないものの、その強い熱気はステージに立つキャストにも十分に届いていたようだった。 ※本文中には作品の内容に触れている箇所があります。ご注意ください。
ゴーカイレッド/キャプテン・マーベラスを演じる小澤亮太は、公開初日を迎えたことについて「撮影したのが今年の6月ですから、そんなに時間が経っているわけではないんですけれど、今日までずっと長く感じて、まだかな、まだかなと思っていました。本日公開を迎えてうれしいです!」と率直な喜びをあらわにした。
ゴーカイグリーン/ハカセことドン・ドッゴイヤーを演じる清水一希は「やっと来たか!」と、公開日を楽しみに待っていたことを興奮気味に語った。そして10年前のことを振り返り、「あのころは、こうして10年後にみなさんとお会いするなんて想像もしていませんでした。ファンの方々に支えられているなと、感謝の気持ちでいっぱいです!」と、"ゴーカイジャー愛"をずっと持ち続けてくれたファンに語りかけた。
ゴーカイピンク/アイム・ド・ファミーユを演じる小池唯は「みんなの顔を見たら、笑いが……(笑)」と、仲間がそばにいる安心感からくる笑みを抑えきれないまま「この日を無事に迎えることができてうれしいです」と、劇中のアイムさながらの澄み切った明るい笑顔を見せ、観客の心をいやしていた。
ゴーカイシルバー/伊狩鎧を演じる池田純矢は「どうも、マイケル・ジャクソンです!」とボケつつやけにド派手なスタイルで伝説のビッグスター風に挨拶したのち、「みなさん、平日の夕方に劇場まで来てくださって……お仕事とかはやってらっしゃらない方なんですか(笑)」とジョークを飛ばし、小澤や清水から速攻でツッコミを入れられた。そして改めて「こんなたくさんの人たちに映画を観ていただけて、感無量でございます!」と素直な喜びを表した。
本作の中で、特に「ここがよかった」という点について、池田は「ハカセの“口”変身かな」と、劇中で両手を縛られて身動きの取れないハカセがレンジャーキーとモバイレーツをどうにかこうにか使って「豪快チェンジ」するシーンを挙げた。池田の発言を受け、清水は「台本を読んだとき、メンバーそれぞれが単独で変身するシーンがあるんだなと思ったんですが、僕(ハカセ)の変身はそれほど細かい描写がなかったんです。僕の変身の前に、ジョー(ゴーカイブルー)役の(山田)裕貴の変身シーンがあって、うわ、めちゃめちゃカッコいい! こりゃもしかして、僕もカッコよく変身させてくれるのかなって思ったら……(笑)」と、カッコいい変身ができなかったことを嘆いた。さらには「ハカセの単独変身があれで最後になるかと思うと、ちょっとなあ……。やっぱりジョーみたいに“豪快チェンジ”とクールに言いたかった」と落ち込んでいると、小澤から「あのコミカルな変身は、一希にしかできないよね」とナイスなフォローが入り、清水も「あれがハカセらしいのかな」とようやく納得するそぶりを見せた。
小池は映画の見どころとして「後輩ヒーローへ豪快チェンジしたこと」を挙げ、「それぞれの“決めゼリフ”を言えたのが個人的にはうれしかったです。みなさんはどうですか?」と、ゴーカイレッドとゴーカイピンクが後輩ヒーローに豪快チェンジして戦ったシーンの反応を聞くと、客席から割れんばかりの拍手が響き、好評だったことが明らかとなった。池田は「マベちゃん(小澤)のよっしゃ、ラッキー!って良かったよね」と、シシレッドの決めゼリフをマーベラス風に言った小澤に言葉をかけると、小澤が「マーベラスらしくていいんじゃないって周りから言われたよ(笑)」と、後輩ヒーローのセリフを自己流にアレンジして放つ、ゴーカイジャーらしい名場面を作ることができたと喜びを示した。
清水は、ハカセと鎧が再会したシーンのとき「純矢の体が以前よりデカくなりすぎてて、なんかお前、デカくなった?って台本にないセリフを入れましたからね。あれは鎧というより、池田純矢をフォローするつもりで入れたアドリブです(笑)」と、以前よりもビルドアップしてひとまわり大きくなった池田へのリアクションを工夫したことを明かした。池田は清水の言葉を受け「今回、当時と同じスーツアクターのみなさんが6人勢ぞろいしていて、ゴーカイシルバーは引退された佐藤太輔さんがこの作品のために復帰されているんです。俺は筋肉をつけすぎてデカくなっているけど、太輔さんはやせて小さくなっている。変身前と変身後のギャップがいちばん激しいのがゴーカイシルバーです(笑)」と、オリジナルメンバーによるスーツアクター結集の喜びを交えつつ裏話を語った。
久しぶりに昔の衣装を身に着けたという話題に移ると、清水が「衣装合わせのとき、アイムのネックレスがサビているから、小道具さんに磨いてもらおうって話になった。そして、今日はお疲れさまでした~って僕らが一緒に帰っていたら、(小池が)ネックレス着けたままだったことに気づいた。さすがアイムって思いました(笑)」と、10年近い年月で衣装や小道具も少々メンテナンスが必要だったことを明らかにした。
劇中での6人は10年前と印象がほとんど変わらず、若々しさを残しながら経験を重ねているようだが、清水はハカセの役作りに対し「不安がありました。ジャケットが入らなかったらどうしようとか、そもそも、金髪にできるのかなって思いましたよ。毛根大丈夫かなって(笑)。この髪、カツラじゃなくて地毛ですからね!」と、改めて髪を染めることへの不安をあらわにしつつ「もしもまた10年後にゴーカイジャーをやるなら、金髪にする髪の毛が残っているかどうかも心配(笑)」と言って、客席の笑いを誘った。
最後の挨拶で池田は「こうして10年経って、みなさまにご挨拶ができること、そして映画を観ていただけることを心からうれしく思います。ひとえに、作品を応援し続けてくださるみなさまがいてくださるからこそ、お届けできるんだと改めて感じています。より多くの方の心にスーパー戦隊魂を届けられるよう、みなさまの周りの方たちにどんどんこの作品を広めていってください。そうすることによって『10年後』がまた出来るかもしれません!」と話し、早くも「ゴーカイジャー20周年記念作」を夢見ながら、改めてファンへの感謝の気持ちを示した。
小池は「みなさま、お忙しい中お越しくださりありがとうございました。今日から公開しますが、1回と言わず2回、3回と楽しんでいただけたらうれしいです」と、スーパー戦隊ファンにはたまらない濃密ネタ満載の本作を、ぜひリピート鑑賞で楽しんでほしいと呼びかけた。
清水は「今、いっしょに仕事をしたり、いっしょにお酒を飲んでいる若い子たちが僕に『当時、ゴーカイジャー大好きで観ていました』って言ってくれて、今回の映画も楽しみにしてくれているらしいです。それってすごく感慨深いこと。ひとえに、応援してくださったたくさんの方々のおかげだなって思いました。『テン・ゴーカイジャー』は、これからもスーパー戦隊の歴史がどんどん続いていけばいいなって思える作品になりました。ぜひ、みなさまSNSで映画の感想をつぶやき、拡散していただき、われわれの『20周年』と後輩スーパー戦隊の未来につながるよう、よろしくお願いします!」と、スーパー戦隊シリーズがこれからも大いに盛り上がってほしいと願いを込めた。
最後にマイクを手にした小澤は「ゴーカイジャーは僕にとっても、ここにいるみんなにとっても原点に近い作品。10年後に全員そろって新作『ゴーカイジャー』ができたこと、本当に幸せです。10年前にゴーカイジャーを観ていてくれた子どもたちが、今どんな気持ちでこの『テン・ゴーカイジャー』を観てくれるだろう?と思いながら、公開の日を楽しみにしていました。今日は、大安、天赦日、一粒万倍日とか、いろいろと“いい日”らしいです。だからみなさんがここに集まって、映画が観られたのもきっといいことです(笑)。応援してくれるみなさんがいて、ゴーカイジャーに関わっている方々がいたから、この映画ができたと思っています! これからSNSとかでいろいろコメントをいただけたらうれしいです。ただし、マーベラスの『眼帯』のことは内緒でお願いします(笑)。今日はありがとうございました!」と、ゴーカイジャー10年の歳月を噛みしめながら挨拶すると同時に、作品の感想をどんどん発信してもらいたいと客席に最高の笑顔を向けた。
『テン・ゴーカイジャー』は11月12日より新宿バルト9ほか全国劇場で期間限定上映。2022年3月9日からは東映ビデオよりBlu-ray&DVDソフトが発売される。
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