ミュージカル『グリース』の公開ゲネプロが11日にシアタークリエにて行われ、三浦宏規、屋比久知奈、有澤樟太郎、内海啓貴、城妃美伶、田村芽実が取材に応じた。
同作は1970年代にブロードウェイ初演を迎え、トニー賞最優秀ミュージカル作品賞を始め7部門でノミネートされ、超ロングランを記録した大ヒットミュージカル。50年代のアメリカを舞台に、サマー・バケーションで知り合ったダニー(三浦宏規)とサンディ(屋比久知奈)の恋模様を描く。
すでに北千住・名古屋と8公演を終えたカンパニーだが、三浦は「絆が深まった状態でくることができました。8回しかやってないけど、すごく痩せましたし。ダンスが激しい作品なので、どんどん痩せていく。写真を見比べてもらったらずいぶん痩せてるんじゃないかな」と作品の激しさを表す。実際に何kg痩せたか聞かれた三浦は「僕、体重計に乗らないのでわからないです。乗ってみます」と言うが、内海から「ちょっとジーパンがぶかぶかになってる」と指摘され、「あかんやん! 食べます! 痩せたなという実感はあります」と苦笑。田村は「私、3kg痩せた。名古屋から帰ってきたら3kgなくなってた」と申告し、驚かれていた。
ヒロインを演じた屋比久は「劇場ごとのお客様の空気を感じながらやる作品なので、今回、この劇場ならではのグリースという作品の空気感が出来上がってくんじゃないかと思って、観に来てくださる方々のエネルギーも受け取って、丁寧に積み重ねていきたい」と意気込む。また有澤が「(演じる)時代に合わせて、食生活が変わった人もいるだろうし。あっきーなんてすっごい香水振ってるし……」と振ると、内海は「ふざけんな、俺が一番振ってないだろ!」と抗議。有澤は「五感で楽しめるような。こいつらを見てたらこういう味するなとか、匂いがしてきそうだなとか、耳で時代を彷彿とさせる音楽、(目で見る)ファッションもそうだし、いろんな視点で楽しめる作品」とアピールする。
さらに有澤が「会見の時に『和食をやめて、ジャンクフードを主に食べます』と言ったんですけど……」と話し始めると、三浦が「次の日、天丼食うてたからな」と、ツッコミを入れる。「やっぱり、僕和食が好きで。でも食べ物も静かに食べるんじゃなくて、くちゃくちゃ食べるような……」と役作りを見せる有澤に、田村は「いやだ~、汚い!」と顔をゆがめ、有澤は「……ぐらい! それくらいのワイルドさがあってもいいんじゃないかなって」と慌てていた。
香水について聞かれた内海は「まったく振ってません! 特にこの2人が振ってます」と三浦、有澤を指し「日本の香りはしないです。もう、外国の香りがしますね、2人から。それをいただいて僕は舞台に出ます。(言葉で表すと)もうなんか、『フレグラ〜ンス』です」と表現。しかし、三浦はなぜか「体臭です、僕の」と主張する。また自身の役作りとして「ギターを弾く役なので、稽古に入る3カ月前くらいからずっと練習を重ねてまして、左の指先がもうカッチカチです。食事もがっつりくちゃくちゃ食べてます」という内海に、有澤は「ゲネプロではギターを忘れてました」と暴露。三浦は「全部言うなあ、今日は」と驚いていた。
宝塚歌劇団出身の城妃は「個人的なことなんですが、お向かいの劇場(東京宝塚劇場)に9年おりましたので、この通りを通ると身の引き締まる思いがありまして。2年ぶりくらいに帰ってくるので、緊張感もあります」と語る。田村はオススメのシーンとして「Greased Lightning。映画でも有名な、男性陣が汚い車を綺麗にするぞって歌」を挙げ、男性陣が「かわいいな、すごいポップになったなあ」(内海)、「恥ずかしいなあ」(三浦)と照れる一幕も。田村は同シーンについて「一人ひとりが個性的でかっこいいので、毎度毎度袖から女性陣皆で見て、大好きなところです」と太鼓判を押した。
同作はすでに東京・北千住公演、愛知公演を終え、東京公演はシアタークリエにて11月11日~12月5日、大阪公演は新歌舞伎座にて12月9日~12日、神奈川公演は相模女子大学グリーンホールにて12月17日~12月19日。
舞台写真提供:東宝演劇部