BSフジのドキュメンタリー枠『サンデードキュメンタリー』(毎週日曜12:00~)では、『福島県双葉町~10年目のふたば、ふたたび~』(福島テレビ制作)と『防災の架け橋~釜石の教訓をふるさと静岡へ』(岩手めんこいテレビ制作)を14日に放送する。
『福島県双葉町~10年目のふたば、ふたたび~』(12:00~)は、原発事故から9年が経ち、町の一部で初めて避難指示が解除された福島県双葉町で、町民の過半数が帰還を諦める中、町に戻りたいと思い続ける2つの家族の選択を追う。
「帰還」の道が見えてきた一方で、町民たちには避難生活を続けてきた9年という年月が重くのしかかる。町に帰りたい父親と避難先が新たな故郷となった娘。町の復興に関わりたいと大学に進む女性。避難指示解除の裏で揺れる2つの家族の思いと選択とは…。
『防災の架け橋~釜石の教訓をふるさと静岡へ』(13:00~)に登場するのは、「ふるさとの子供たちの命を守りたい」という強い思いを胸に、岩手から静岡に戻り、元小学校教師の中川優芽さん。勤めていた学校で防災の授業を担当したのだが、そこで自らの力不足を痛感した。いつか来る南海トラフ地震に備え自分にできることは何か。思い悩んだ末、中川さんは大きな決断を下す。
教職を辞め大学院生となった中川さんは、2018年6月に岩手県釜石市へ移住。2年間、震災の教訓と防災教育について研究することになった。東日本大震災の直後「釜石の奇跡」として注目された釜石市。震災前から取り組んでいた津波に対する防災教育により市内約3000人の小中学生が命を守る避難行動をとることができた。
記録の分析や聞き取り調査の結果、中川さんは釜石小学校の「下校時の避難訓練」に着目。研究の成果として、その訓練をふるさと静岡県でも実施しようと思い立つ。中川さんの熱意は教育現場を動かし、ついに静岡県で初めて「下校時避難訓練」が行われた。この新たな取り組みは、今後、静岡県での防災教育にも大きな影響を与えることが期待されている。震災の被災地で奔走し、釜石と静岡の架け橋となった中川さんの2年間に及ぶ活動とその思いを伝える。