オフィス用品や文具などを展開するコクヨが、ニューノーマルな働き方を体感できる「2022 KOKUYO FAIR」を2021年11月4日~12月3日まで東京と大阪で開催。コクヨの働き方の実験場「THE CAMPUS」にて、オープニングイベントが行われた。
コクヨが模索する未来の働き方
本イベントは「be Unique.(ビーユニーク) 働くのミライ」をコンセプトに、ニューノーマル時代のオフィスの在り方を提案。従来のオフィスの概念にとどまらない"働く場"についての未来を描いていくものとなっている。
同社が実践してきたライブオフィスにおける取組の分析結果や今後の課題などを紹介するほか、ショールームでは新製品39品目をはじめとした製品紹介や提案、特設Webサイトではオンラインセミナーなどが実施される。
オープニングイベントはオンライン配信にて開催。基調講演として独立研究者で著述家・パブリックスピーカーの山口周氏と、コクヨ代表取締役社長の黒田英邦氏が対談し、両者の感じている"働くということ"の変化などが語られた。
黒田氏は昨今の働き方の変化について「コロナがきっかけ、というよりもコロナで一気に加速した」と話す。
そして、リモートワークについては「オペレーションの仕事は回るが、プロジェクトの仕事は時間がかかってしまう」といった、業務によってリモートに不向きなものもあると感じており、オフィスの在り方やこれからの働き方をどのように描いていくべきか、さまざまな実験を社内で実施しているという。
最近では、以前では敬遠されていた兼業や副業といった働き方も提案されるようになってきた。
コクヨでは、社内で業務の20%分だけ別の仕事に携わる社内兼業システムを導入しており、それが新しいキャリアへのチャレンジやマンネリ化していた仕事の考え方を変えるきっかけになっているそうだ。
「誰も手を上げないんじゃないか、と思ったが、結果としてやってよかった。新しい働き方として実感している」と黒田氏は語り、より自由な働き方が今後できるようになるのではないかと予測した。
山口氏は「自分たちはこういう会社でありたい、をゼロベースで考える、ある意味タフな時代。自由を与えるとみんな怖がって逃げてしまう。そして自由には責任が伴うもの。与えられた自由の中で、自分が働くことの価値を見出すことが大切」と言い、今まで以上に会社に何が求められているのかをシビアに考えていかなければならなくなっていると話す。
その点で言えば、コクヨは常に新たな働き方へのチャレンジを常に続けている印象だ。
「来るたびに変化があって、フロアごとに実験室みたいな感じ。ワクワクした。もう一度、オフィスに通って働きたいという気持ちになりました」と、山口氏はコクヨのオフィスの印象を語る。
黒田氏は「平等で、均一で、画一的、それを壊していくような感覚です。もっと未来に向けた実験を自分たちでやっていって、未来視点で実証実験をしていきたい。みんなには『お客さんより先に、どんどん失敗しよう』と話している。『ビー・ユニーク』を地で行く会社です」と胸を張った。
働き方の実験結果を受け、さまざまなアップデート
多くの会社がニューノーマルな働き方を求められる中で、オフィスという場所の在り方にも変化を求められている。
フェア会場のひとつでもあるコクヨの東京品川オフィス「THE CAMPUS」は、働き方の実験場として今年2月にグランドオープン。
自社オフィスのほか、来客や地域の人々も自由に利用できるエリアが用意されており、"みんなのワーク&ライフ開放区"をコンセプトに掲げている。
文具などコクヨ製品を扱ったショップのほか、キッチンカーやコーヒースタンド、感性を刺激するアートやイベントなどが用意されている。最近では、近隣オフィスワーカーの憩いの場となっているほか、ベビーカーを押すママなど幅広い方々に利用されているそうだ。
次回は、「ビー・ユニーク」を実践する同社社員の働き方の検証結果と、それら踏まえた新しいオフィス製品について紹介する。