火山のふもとで深呼吸「コロナ禍での妊娠・出産」

妊娠が発覚したのは新型コロナウィルス第2波の真っ盛り、2020年の夏のこと。感染拡大の状況や産後の生活のこと、保育園のことなど、ひととおり逡巡した末に長野の病院で産むことにしました。

東京から移動して2週間は感染拡大防止のため病院に入れません。妊婦健診の予定から逆算して引越しのタイミングを決め、長野に居を移したのは、冬に差しかかった10月の最後の日でした。金曜日、学校帰りの子どもたちを車に乗せて、東京から4時間ぶっ通しで運転して長野の仮住まいのアパートに向かった夜のことは鮮明に覚えています。軽井沢ICで高速を降りて碓氷峠を越えるのですが、車の窓の外は真っ暗な上にまあ寒いこと。慌ててリュックサックから長袖を引っ張り出し、ようやくたどり着いたガランとした仮住まいで段ボールの上にお鍋を載せてご飯を食べました。