2021年11月1日に、日本で『Pikmin Bloom(ピクミンブルーム)』がローンチされました。早くも人気殺到で、街中が花だらけになっています。
そこで早速ですが、『ピクミンブルーム』の遊び方や楽しみ方などをレビューしていこうと思います。
ピクミンと一緒に歩いてマップ一面を花畑に
『ピクミンブルーム』は、『ポケモンGO』や『Ingress』などをリリースしているナイアンティックと、任天堂が共同開発した位置情報ゲームです。画面上で操作するのではなく、実際に街中を移動することで、位置情報と連動したマップのプレイヤーが動いていきます。
ピクミンもプレイヤーに連れ添って歩いていき、移動途中でフルーツやピクミンの苗を見つけたり、花を咲かせたりします。ピクミンの苗は、プランターに植えることで増えていきますが、苗を育てるのにも移動が必要です。
プレイヤーのランクが上がっていくと、一緒に歩いてくれるピクミンの数が増えたり、新しい色のピクミンの苗を育てられたりします。
ピクミンが拾ってきたフルーツからエキスを作り、ピクミンに与えると、ピクミンの頭に花が咲き、花びらを収穫できるようになります。収穫した花びらを、移動中に植えて、マップ一面を花畑にしていくわけです。
ピクミンは、苗を拾ってプランターで育てます。プランターの数は、何度でも使えるスロットが2つ。それ以外に追加スロット用のプランターが4つ用意されています。
追加スロットを使うと一度に育てられるピクミンの数が増えますが、追加プランターは消耗品なので、ピクミンを育てて引っこ抜いてしまうと、消滅します。『ポケモンGO』の「ふかそうち」みたいなものです。
基本的な遊び方は以上です。ピクミンからアイテムを回収したり、花を収穫したり、エキスを与えたりするのは3分くらいで終わります。
アプリを起動していなくても、移動中の活動はスマホのバックグラウンドで行われるので、基本、放置しておけば問題ありません。例えば、『ポケモンGO』をプレイしていても、バックグラウンドではピクミンが花を植えたり、アイテムを拾ってきたりしてくれるわけです。時間を見つけてピクミンたちの世話をしたら、しばらく放置して、ひと息ついたころに確認すると、いろいろ捗っているでしょう。
プレイヤー自身のレベルもあります。一定歩数を歩いたり、ピクミンの苗を育てたり、花を咲かせたりすることがレベルアップの条件。レベルアップすると、隊列に加えられるピクミンの数が増えたり、新しい色のピクミンの苗が登場したり、育てられたりできるるようになります。
移動してピクミンを育てたり、マップに花を咲かせたりする以外にも、やることはあります。
そのひとつがおつかい。ピクミンと一緒に移動すると、街中に落ちているアイテムを見つけることがあります。これを拾ってきてもらうのがおつかいです。
おつかいは、アイテムによって派遣するピクミンの数が変わり、現在位置との距離で所要時間も変わります。ちなみに、おつかいを頼んだ時点の場所から、プレイヤーが遠くに移動してしまった場合、ピクミンは、おつかいを頼んだ場所ではなく、プレイヤーのいる場所まで戻ってくるので、その分、時間がかかるようになっています。
おつかいには、キノコを破壊する「チャレンジ」という項目があります。『ピクミンブルーム』は『ピクミン』シリーズのように原生生物とは戦いませんが、巨大キノコとは戦います。
キノコの数値が大きいほど倒しにくく、時間がかかる仕様です。キノコ討伐には大人数のピクミンを派遣することになるので、ある程度ピクミンの数が増えてから挑戦することがオススメ。倒した時間やキノコの種類によって獲得できるポイントが変わってきます。
ライフログのチェックやフレンドとコミュニケーションする楽しみも
また、それぞれのピクミンには、プレイヤーとの仲良し度が設定されています。エキスをあげたり、おつかいをしてもらったり、チャレンジで使用したりすることで仲良し度が上がっていきます。ハートで表示され、数は最大で4つ。仲良し度が高いピクミンは、チャレンジでより高得点を獲得できるようになります。ピクミンの仲良し度がマックスになると、そのピクミンがみつかった場所に関する「デコアイテム」を見つけてきて、デコピクミンになります。
おつかいやチャレンジは、プレイヤーが移動していなくても、ピクミンが働いてくれるので、仕事先や学校、もしくはそれらから帰宅し、しばらく動かないようなときにお願いしておくと効率的。ほかのアプリを使っていても、バックグラウンドで活動してくれます。
ピクミンが拾ってくるアイテムの中にはポストカードもあります。移動中に拾ってくるほか、チャレンジのバトルで勝利した戦利品としても獲得できます。
ポストカードは、『ポケモンGO』のポケストップの写真を利用したもので、フレンドに贈れるようになっています。また、拾ったポストカードは、ライフログにも掲載。『ポケモンGO』のようにアイテムを贈れるわけではないので、ゲームとしてのメリットはありませんが、フレンドとのコミュニケーション手段として有効でしょう。
ライフログ機能では、1日1回、その日に移動した軌跡を確認できます。毎日の歩数がカウントされ、1週間での平均も表示されます。ポストカードを拾ったことに加えて、スマホのカメラ機能で写真を撮影したことも、ライフログに掲載されます。
ソロプレイが基本の『ピクミンブルーム』ですが、フレンドと一緒に遊ぶこともできます。内容は、フレンド同士のプレイヤーが実際に出会う距離で、「一緒に花植え」をやると、画面上にフレンドが登場し、一緒に花を植えるというもの。ピクミン以外のキャラクターは、自分のアバター「Mii」しか表示されないので、うれしくなる一瞬です。もっと多くのフレンドと集まれば、壮観な画面になることは間違いないでしょう。
初心者でも楽しめるものの、UIはちょっと不親切?
『ピクミンブルーム』は初心者でも安心して遊べる仕様ですが、ことUIに関してはちょっと不親切でわかりにくいとも言えます。
すべての項目が画面に表示されておらず、指でスワイプしないと表示されない項目があるうえ、フレンド登録や現在フレンドになっているMiiを見るのにもひと苦労している人が散見されました。Miiを利用するために、最初からニンテンドーアカウントを使ってしまうと、ナイアンティックのほかのゲームとの連携ができなくなってしまったりするのもわかりにくいところです。
フレンドになって表示される名前がIDだけなのも残念。せっかく現実の友人とフレンドになっても、どのMiiが誰のものかわからなくなってしまいます。『ポケモンGO』では、ニックネームを付けて判別できるようになっていたので、ぜひその仕様を『ピクミンブルーム』でも導入してほしいところです。
また、ナイアンティックアカウントを使うと、『ポケモンGO』や『Ingress』でフレンドになっているプレイヤーが自動で『ピクミンブルーム』のフレンドに登録されてしまうので、いつのまにかフレンドが激増し、管理が難しくなってしまいます。ピクミンは1匹ずつ名前を付けられるようになっているわけですから、フレンドにも名前を付けさせてほしいところです。
ARカメラへのアクセスもイマイチ。メイン画面で笛をタップすると、右側にピクミンアイコンが登場し、ピクミンの管理とARカメラのアイコンが出現します。ピクミンの管理はライフログの画面からでもいけますが、ARカメラは笛からでないといけません。
さらに、中央下段のコンパスアイコンをタップすると、右側のアイコンに探知機のアイコンが登場するのですが、探知機アイコンもコンパス経由でしか登場しないので、わかりにくいと感じました。
慣れればどうってことのないものですが、最初の段階でちょっとつまずくので、もう少しわかりやすくしてほしいところです。
急がず、ゆるく、まったりと楽しみたいゲーム
ひと通りプレイしてみた感想としては、かなりゆるく、そしてまったり遊べる印象です。歩くことでゲームが進行していきますが、『ピクミンブルーム』のために移動するというより、移動のついでに『ピクミンブルーム』も楽しんでおこう程度の感じでした。
ほとんど操作する必要もないので、すでに『ポケモンGO』を楽しんでいる人は、同時にプレイすることもできるでしょう。また、あまりゲームに熱中するタイプでない人も、歩数計の代わりくらいに思ってプレイしても十分楽しめると思います。
また、『ポケモンGO』にもありましたが『ピクミンブルーム』にもAR撮影機能があります。ピクミンが写真に入り込むのですが、『ポケモンGO』のときよりもよりその場にピクミンがいる気がしました。このARカメラだけでも十分楽しめるのは間違いないでしょう。
ゲームとしてみれば、やることも少なく歩くだけですが、それが良いところでもあります。『ポケモンGO』も、ローンチ時と今ではやれることの数は全然違うので、今後、少しずつ要素や項目が増えていくのではないでしょうか。
ただ、やれプレイヤーレベルが上限に達したとか、やれデコがすべて集まったとか、そういうことだけを目的にした生き急ぐようなプレイをせずに、ゆっくりまったり楽しんでいければいいと思います。