突然ですが問題です。この写真に写っている球体は一体何でしょう?
正解は、「チョコボール」……ではなく、「おはぎ」……でもなく、ましてや人間の頭でもなく……なんとコレ、泥団子なんです。
保育士時代10年間の集大成がこれ。
園庭の砂と水だけで作った泥団子。
10年保存しているけどまだツルツル。
(@kobateckより引用)
製作者はフォトグラファーの小林哲朗さん(@kobateck)。写真の泥団子は、保育士として働いていた10年の間で作った最高傑作ともいえる泥団子なのだとか。
園庭の砂と水だけで、こんなにもピカピカの泥団子が作れることに驚きですが、製作から10年以上も経過して、なお輝きを失っていないことにもビックリです。
この芸術的な泥団子には多くのツイッターユーザーが衝撃を受けたようで、ツイートは1.9万件のリツイート、17.3万件のいいねを獲得(11月4日時点)し、多くのリプライも寄せられています。
「チョコボールみたい」
「これ、デパートで買ってきたチョコですって言われたら食べます笑」
「私も保育士なので、よくわかります^_^」
「すごいぞ! そして10年! ますますすごいぞ! 」
「凄い宝物! でも、小峠さんの頭にも見える」
「これはマウスに使うトラックボールですね! 泥と水で作られていたとは、、、」
「それにしても美しい。眺めているだけでお酒が飲めそうです」
また、小林さんと同じように美しい泥団子を作ったことがある、という人も多数見受けられました。
「私も10年前にハマって子供と一緒に作りました。関東ローム層の土から作って口の広い瓶で形整えて、目の細かいシャツやフリース生地で磨いていくと、ワックスかけたみたいに触ってもツルツルになります」
「やったことある 最終的金色にまでなると聞いて一生懸命やったけど最終的隕石みたいになったおもひで」
「うわー、懐かしい。小学低学年の頃作ったなぁ。私もサッカーとか野球するよりもこういった事するのが好きでした」
「私は28年間、保育士として現場で働いていますが、こんな綺麗な団子を作ったことがありません」
製作者さんに聞いてみた
しかし、どうすればこんなに綺麗な泥団子が作れるのでしょうか。今回は小林さんご本人に詳しいお話をうかがいました。
ーーこれまで何個くらい作ったのでしょう?
何個作ったかは正直なところわかりませんが、途中で失敗したのを含めると、300以上はあるかなと思います。ある程度、ツルツルに完成したと思われるクオリティのものは10個くらいです。
ーーどうやってここまでまん丸に、そしてツルツルに作ったのでしょうか? どんな砂場の砂でも作れるのでしょうか?
実は、砂場の砂はサラサラし過ぎているので、こういった泥団子は作れないんです。学校のグランドや公園の地面など、水をかけると泥になるタイプの地面の土だと作りやすいですね。
また、地面が乾燥しているときに、パウダー状の“さら砂”(地域で呼び名が違います)が取れることが重要です。
ーー砂場の砂ではなく、“さら砂”ですか。
さら砂を数時間かけて団子にまぶしていき、ツルツルの元になる粘土層を形成し、ジャージの布など、柔らかい布で磨きます。
このときに団子がボコボコの状態だと、磨いている最中に引っ掛かって表皮が破壊されてしまいます。まん丸が理想ですが、これはいくつも作って慣れるしかないです。
ある程度磨いた後はビニール袋に入れ、時間を置いては取り出してさら砂をかけたり、磨いたりして少しずつ水を抜いていきます。
これを何度か繰り返し、完全に乾燥して光っていれば成功で、光沢は半永久的に保存されます。
ーー半永久的!! すごい……
今回投稿したのはもっとも上手くいった1個ですが、手元にはこの1つしかありません。
ーー今回のツイートが大きな反響を生んでいますが、率直なご感想などはございますか?
泥団子づくりは多くの方が経験したシンプルな遊びですが、大人になってガチでやっても面白いことが伝わっていれば良いな、と思います。
あと、私は現在写真家ですので、このツイートをきっかけに写真の作品も知ってもらえるとありがたいです。
保育士時代、こんなにも美しい作品を生み出した小林さん。現在は写真家に転身し、また新たな美を追求しているということなので、こちらの作品にも注目です!
保育士時代10年間の集大成がこれ。
— 小林哲朗 写真家 (@kobateck) November 2, 2021
園庭の砂と水だけで作った泥団子。
10年保存しているけどまだツルツル。 pic.twitter.com/1gVo86D5je