冷え込みが増すと、ぐっと恋しくなる温泉。そろそろ、温泉にザバーッと入って、極楽気分を味わいたいですよね。ただwithコロナの今は、いい湯&いい宿に加えて「できれば人が少ない場所で!」も重要なポイントです。
今回お送りするのは、そんなニューノーマル時代にぴったりな温泉天国・大分県の「ずらし温泉旅」の体験レポート。
安心・楽しい・癒やされる!しかも女子の心をくすぐる魅力がてんこもり。定番の観光地をずらして楽しむ2泊3日の温泉旅が最高すぎて、すっかりメロメロになりました…。ひと味違う温泉旅行がしたい方は、ぜひ参考にしてください!
1.【10:30】「七島藺(しちとうい)工房ななつむぎ」
9:45着の飛行機で、大分空港へ。まず最初に向かったのは、国東(くにさき)半島の静かな山あいに佇む「七島藺(しちとうい)工房ななつむぎ」です。
ここは日本で唯一の「七島藺」を使って、アクセサリーや雑貨などの工芸品を生み出す、七島藺工芸作家・岩切千佳さんの工房。突然の訪問はNGですが、予約制でワークショップなどを開催しています。
一歩足を踏み入れると、ザラッとした風合いが可愛い「七島藺」の雑貨がずらり!岩切さんの手仕事による工芸作品が、絶妙なバランスで飾られています。
顔を近づけると、甘くて懐かしい草の香りにうっとり。よーく見ると、麦わら帽子にお正月のしめ飾り、2cmほどのミニ草履ピアスまで!世界に一つだけのキュートな雑貨を前に、ドキドキワクワクが止まりません。
「七島藺」とは、断面が三角形のカヤツリ草の一種。割いて使うことで、丈夫な畳表の材料として古くから使われてきました。
ただし、七島藺は植え付けから刈り取り、選別など、ほぼすべての行程が手作業。せっかく手間かけて育てた七島藺でも、どうしても畳表用としては使えない、規格外のサイズの七島藺ができてしまいます……。そんな規格外の七島藺に注目し、おしゃれな雑貨をぞくぞくと生み出しているが岩切さんです。
ちなみに、耐久性は「い草」の5~6倍!おしゃれな上に丈夫な岩切さんの作品は、まさに日常使いにぴったりですね。
それから、岩切さんに教えていただいて驚いたのが、昨今、流行りの「琉球畳」についての話。実は、私たちが目にしているほとんどの「琉球畳」が本物ではないんです!!
というのも、「縁がなく、四角い半畳を市松模様に敷いた畳」=「琉球畳」ではないから。本来の「琉球畳」とは、カタチにとらわれず、縁があっても、一畳タイプであっても「七島藺」で作られたものだけを「琉球畳」と言うそうです。そう、つまり「七島藺」で出来たものこそが本物です!上質な本物にこだわる人は、「七島藺」の畳を家に取り入れてみるのも良いかもしれませんね。
工房を見学した後は、「七島藺」のミサンガ作り体験にもチャレンジしました。一見難しそうですが、みつあみの要領で編み込んでいくと、あっという間に完成。誰でも簡単にできます。
こんなに小さいのに、ちゃんと草のにおいがするから不思議……。心を込めて作ったミサンガは、お守りになりそうな“おおらかな自然のパワー”を感じます。
2.【12:00】「両子河原座」でお蕎麦ランチ
「七島藺工房ななつむぎ」を出発し、わずか5分で到着したのは、おいしいお蕎麦を求めて遠方から訪れるファンも多いという名店「両子河原座」。古民家風の落ち着いた建物で、店内にはジャズが流れています。
両子山の地下水で打ったお蕎麦は、のど越し&歯応えが最高!大分名物とり天もサクッと軽やかで、大満足のランチでした。
3.【13:30】緑に囲まれた神秘のパワースポット「両子寺(ふたごじ)」
次に向かったのは、国東半島の両子山中腹にあるパワースポット「両子寺(ふたごじ)」です。
ここは「全国森林浴の森百選」にも選ばれた場所。爽やかな森林の空気が満ちる中、ゆっくり散策するのが気持ちいい!すぐ横を川が流れていて、石段をサワガニが横切ることも……。まるで「ようこそ」と挨拶しに来てくれているようです。
「両子寺」は昔から子授けや安産のご利益があるといわれ、全国から子授け祈願に訪れる女性の参拝者が後を絶ちません。
広大な敷地には、大きく3つのお堂があります。
・奥の院本殿
・護摩堂(本堂)
・大講堂
まずは、一番大きな護摩堂へ。ここは「九州36不動霊場めぐり」の1番目の札所としても信仰を集めるお堂。お不動さんや六郷満山を開かれた仁聞菩薩(にんもんぼさつ)がまつられています。
お堂の中で目を引くのが、大きなパッチワーク袋!「申し子子授け祈願袋」と呼ばれるこの袋は、全国でもここだけに伝わる子授け祈願の作法。お子さんがいる女性の家へ行き32枚の布をもらい、自分の家のハギレ1枚を足した、合計33枚のハギレを縫い合わせた袋を、午(うま)の日に添え参拝する独自の“ならわし”です。
さすが双子の神様。参拝後に双子が産まれた方がたくさんいる!というから、驚きです。
「護摩堂」から10分ほど。急な石段を上り、山道を登りきった先に「奥の院本殿」があります。荒々しい岩山を背に、めり込んだように建つ「奥の院本殿」。前半分が木造建築、裏側が洞窟になっていて、その中で参拝もできます。
巨大奇岩の強いパワーを感じながら、いざ洞窟へ…。
なんと薄暗い洞窟には「不老長寿になる」といわれる、伝説の湧き水があるんです!しかも、このお水を成分調査したところ、苔の養分となる「ケイ素」が含まれており、健康・美容効果に良い影響があるのだとか。
女性なら見逃せない、なんともミステリアスなお水。ありがたすぎます!
4.【15:30】お気に入りはどーれだ?「恋叶トンネル」で写真撮影
「両子寺」から車を走らせること約1時間。海岸線を走る国道213号には、「恋叶ロード」とよばれるフォトスポットてんこもりの道があります。
その中間地点にある「恋叶トンネル」は、可愛い壁画がたくさん集まったスポット。人が歩いて通れるトンネルなので、お気に入りの一枚を探しながらお散歩するのが楽しい♪
インスタ映えの観光スポットを訪ねたいなら、ここは絶対、外せません。
5.【16:00】縁結びのパワースポット「粟嶋社(あわしましゃ)」
続いては、「恋叶ロード」で人気のパワースポット「粟嶋社」へ。粟島公園の中を歩き、鳥居をくぐって、海岸沿いの神社を目指します。
青くおだやかな海がすぐそこ。岩肌と一体化した白と朱の美しい「粟嶋社」に到着です。
まつられているのは、一寸法師のモデルになったと言われる「少彦名命(すくなひこなのみこと)」。もともとは医療の神様として信仰され、子授けや安産、婦人病などにご利益があったことから、女性の守り神として親しまれてきました。
また「粟嶋社」には、「女性の願いをひとつ叶えてくれる」という言い伝えもあり、縁結びの神様として女性に人気のパワースポットに!
お社の前には、ハート型の石が海中にあり、その岩のくぼみにお祓いされた「願い石」を投げて、中に入ると願いが叶う。という一風変わった願掛けもあります。
せっかくなので、わたしもチャレンジしてみましたが、結果は……残念ながら、海へちゃぷん!
ハート型の石が出現するのは干潮時のみとのことで、次回は潮見表をチェックしてからお出かけしようと思います。
6.【17:00】夕陽の絶景スポット「真玉海岸」
「粟嶋社」から車で約10分。やってきたのは、近年、SNSで「最強の夕陽を見られるスポット」として話題の「真玉海岸」です。
最高の夕陽に感動……のはずが、取材に訪れた日はあいにくの曇り空。太陽が顔を出したのは一瞬でしたが、水平線を見渡せるこの開放感は最高に気持ち良かったです。
ちなみに、もしお天気に恵まれた干潮時であれば、砂浜が縞模様に見えて、オレンジ色の夕陽が干潟に映えるドラマティックな光景が見られるのだとか。この世のものとは思えない、美しすぎる絶景ですよね……。また後日リベンジしなければ!