フリマアプリの普及で、中古品の売買が活発になりました。しかし、過去に素人の手で修理や改造がなされた機器や、新品時とは違う非純正のバッテリーが装着された機器、リコール対象の機器であることを知らずに使うと、火災や爆発などの危険が高まる――。このような中古品にまつわる気になる調査結果が、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)から発表されました。
スマートフォンの普及とともに、フリマアプリやフリマサイト、ネットオークションを利用して家電の中古品を売買する人が増えています。リユースは廃棄するゴミの減少につながりますが、前の所有者の使い方によっては火災やケガなどの事故を招く危険性もある点に注意する必要があります。
実際に、中古品の利用で事故が発生した事例としては、以下のようなケースがあります。
- 中古で購入した電気ストーブ、電源コードが途中で切断され、別のコードをつなぐ改造が行われていた。使用中に接続部が異常発熱し、出火した。
- 中古で購入したコーヒーメーカーが、実はリコール対象製品だった。気づかずに使っていたら、内部配線接続部の不具合で接触不良が生じて異常発熱し、出火した。
- インターネットオークションで入手した電気掃除機に取り付けられていたバッテリーが純正品ではなく、非純正品だった。気づかず充電していると、バッテリーが内部ショートを起こして焼損した。
- 中古住宅に設置されていた換気扇が、設置から長期間(16年)経った製品だった。使用中、電子部品の絶縁部分が劣化し、漏電により発火した。
- 中古で譲ってもらった乳幼児用いすの腰ベルトが正しく取り付けられていなかった。それに気づかず使用したことにより、腰ベルトで幼児の頸部が圧迫され死亡した。
NITEは、中古品を購入する際、以下の点に気をつけるようアドバイスしています。
- 消費者が自分で修理・改造した製品は入手しない、提供もしない
- 製品がリコール対象製品でないことを確認する
- 非純正バッテリーの取り付けの有無を提供元に確認する、提供先に伝える
- 破損や変形、異常動作などの不具合のあった場合は使用しない
- 中古品を入手した際は、付属品が正しく取り付けられているか、汚れがたまっていないか、消耗品の交換が必要かどうか、取扱説明書で必ず確認してから使用する
2016~2020年までの5年間、NITEに通知があった製品事故情報のうち、中古品の事故は321件で、そのうち死亡事故は10件(11人)、重傷事故は14件(14人)あったということです。不具合のある中古家電は生命や財産を損なう可能性があることをしっかり認識したうえで、購入や使用の際はチェックを怠らないようにしましょう。