外為どっとコム総合研究所は、第149回「外為短期投資活動動向調査」結果を発表した。同調査は、2009年6月の第1回調査を皮切りに、外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象として、「投資動向等に関するアンケート調査」を毎月定期的に実施し、2010年8月の第15回調査より、その名称を「外為短期投資動向調査」に改めて行っているものである。

第149回となる今回は、10月15日13時から10月19日24時の期間、外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付して行われた。今回の有効回答数は874件。

問1:今後1カ月間の米ドル /円相場の見通しについてお答えください

  • 「今後1カ月間の米ドル /円相場の見通しについてお答えください」回答

「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が71.3%であったのに対し「円高・米ドル安方向」と答えた割合は16.7%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は△54.6%ポイントとなり、2014年11月以来の高水準を記録。前月の△11.0%ポイントから強気度合いを示すプラス幅が急拡大した。調査期間前後の米ドル/円相場は114.46円前後まで上伸。原油高などを背景とする円安主導で約3年ぶりの高値を付ける堅調な展開であった。10月に入り、レンジ上限と見られていた112円台前半を上抜けたことで一段高を見込む個人投資家が急増したと見られる。

問2:今後1カ月間の米ドル/円相場の予想レートについてお答えください

  • 「今後1カ月間の米ドル/円相場の予想レートについてお答えください」回答

「今後1カ月間の米ドル/円相場の予想レート」については、「1円~3円の米ドル高・円安」が53.4%と最も多く、次いで「±1円で推移」が20.0%、以下「3円以上の米ドル高・円安(12.9%)」、「1円~3円の円高・米ドル安(11.1%)」、「3円以上の円高・米ドル安(2.5%)」の順になった。ヒストグラムの形状は米ドル高・円安方向に大きく傾いており、問1の結果と整合的と言える。また、「3円以上の米ドル高・円安」の割合が前回の3.3%から急増した点が特徴的だ。117円台超えの米ドル高・円安を見込む向きが少なくないことを示している。

問3:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください

  • 「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください」回答

「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が54.5%であったのに対し、「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は17.6%であった。この結果、「ユーロ/円予想DI」は△36.9%ポイントとなり、2013年1月以来の高水準を記録。前月(▼10.6%ポイント)から一転してユーロ強気・円弱気に傾いた。なお、ユーロ/円予想DIのプラスは5カ月ぶりだ。調査期間前後のユーロ/円相場は、約5カ月ぶりに133円台を回復するなど堅調に推移。円がほぼ全面安の様相を呈する中、対ユーロでも一段と円安が進行するとの見方が強まっているようだ。

問4:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください

  • 「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください」回答

「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が57.4%であったのに対し、「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は16.6%であった。この結果豪ドル/円予想DI」は△40.8%ポイントと、前回(▼9.6%ポイント)から大きく上昇して2013年1月以来の高水準となった。調査期間前後の豪ドル/円相場は、資源価格の上昇を背景に85円台へと上伸して約半年ぶりの高値を付けた。原油や石炭、天然ガス(LNG)などは、暖房需要が高まる冬場に向けて一段と価格が上昇するとの見方もあるだけに、個人投資家の豪ドルに対する強気見通しも高まったと見られる。

問5:今後、注目の通貨ペアについてお答えください

  • 買いランキング(上位10通貨)

  • 売りランキング(上位10通貨)

「今後注目している通貨ペア」について尋ねたところ、「買い」で注目の通貨ペアは、米ドル/円が50.7%の回答割合を集めて1位となった。続く2位には豪ドル/円(10.4%)、3位英ポンド円(7.3%)、4位ユーロ/米ドル(5.1%)、5位メキシコペソ/円(4.9%)と続いた。なお、米ドル/円は2位以下に大差を付けて109カ月連続の1位となった。

一方、「売り」で注目の通貨ペアでも米ドル/円が首位をキープしたが、回答割合は24.6%にとどまり、2位のユーロ/米ドル(20.8%)に迫られた。以下、3位トルコリラ/円(10.4%)、4位ユーロ/円(7.8%)、5位英ポンド/円(6.4%)と続いた。

引き続き、米ドル/円をメインの取引対象とする個人投資家が圧倒的に多いものの、「売り」の対象からは外れつつある様子が見て取れる。そのほか、大統領による中銀政策委員の解任騒動で調査期間中に急落したトルコリラが「買い」で注目の順位を6位に下げた一方、「売り」で注目の順位を3位に上げたのが印象的だ。トルコリラ/円は、12円台前半に下落して過去最安値を窺う展開となっているが、個人投資家の押し目買い意欲は低く、戻り売り志向が強まっているようだ。

【調査概要】
調査期間
2021年10月15日13:00~2021年10月19日24:00
調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。
調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。今回の有効回答数は874件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。

※本稿では、第149回「外為短期投資活動動向調査」結果を一部抜粋して紹介しています。(投資情報サイト「外為どっとコム マネ育チャンネル」に全文掲載)