ワクチン接種が徐々に進み、ようやく小康状態を見せ始めた新型コロナウイルス禍。そうはいっても、まだまだ気の抜けない日は続くし、先行きの不透明さに不安を抱いているという人もいるかもしれない。
将来の雇用や収入の不安定さや不透明感を考えた時に、貯蓄は少しでも多い方がいい。その際に、大きく意識される貯蓄額として、まずは1,000万円という目標を掲げている人は多いことだろう。そんな時、いち早く貯蓄1,000万円以上を達成した人が実践していることを聞くのは、大いに参考になるはずだ。
そこで今回は、 貯蓄1,000万円以上のマイナビニュース男女会員224人を対象にアンケート調査を実施。「お金を貯めるためや家計管理のために習慣にしていること」などを聞いた。
Q.あなたは1,000万円以上の貯蓄がありますか?
「はい」(43.8%)
「いいえ」(56.3%)
Q.あなたは、お金を貯めるためや家計管理のために習慣にしていることはありますか?
「はい」(85.3%)
「いいえ」(14.7%)
Q.具体的にどのようなことを習慣にしていますか?(自由回答)
■「節約を心がける」
・「スーパーの値引き品を買いに行く」(28歳男性/食品/その他・専業主婦等)
・「外食を控えて、余計な物は購入しない」(43歳男性/その他/販売・サービス関連)
・「こまめな節約と、異常なまでのケチり」(27歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「割引サービスの食材などを購入している」(41歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「割引率の高いところで、買い物をしている」(48歳男性/半導体・電子・電気機器/事務・企画・経営関連)
・「webチラシで最安の店を確認してから買い物に出る」(58歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「必要以上に使わない。毎月このくらい貯めるというイメージを持つ」(54歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「無駄なものは買わない。服や靴は捨てたら新しいものを買う。物を増やさない努力」(35歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「不要なものは買わない。家電等は壊れるまで買い替えない。新しいものには飛びつかない」(55歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「常にチラシを確認したり、値引き商品を購入している」(53歳女性/その他電気・電子関連/事務・企画・経営関連)
・「タバコ、酒をやめた。家庭菜園をして、自給自足をした。買い物の回数を制限した」(56歳男性/医療・福祉・介護サービス/メカトロ関連技術職)
・「エクセルで家計簿。外食は控え、自炊。車は10万円台の中古の軽」(37歳男性/精密機器/技能工・運輸・設備関連)
・「極力、モノを持たない。買う時には本当に必要かどうか、よく考える」(59歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「一点豪華とゆうか、『コレは』ってゆう時以外はグッと我慢で、結構、全てに節約生活をしています。たま〜に開放します」(55歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「衝動買いをせず、欲しいと思ったものも3日間は買うかどうか冷静に考える期間を設けて、最終的に購入するか判断しています」(52歳男性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
・「家計簿をつけて、要らないモノは買わない。欲しいものがあっても少し時間をおいて考えてから、それでも欲しければ買う」(41歳女性/医療・福祉・介護サービス/事務・企画・経営関連)
・「極力ミニマリストになるように努力して、必要最小限のものしか持ちません。あとは必要なことをしっかりコントロールして生活すれば、貯金なんて楽勝です」(52歳男性/電力・ガス・エネルギー/営業関連)
■「家計簿をつける/毎月の収支を把握する」
・「預金の管理をまめに行う」(58歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「預金残高や、毎月の支出を把握している」(58歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「家計簿アプリでお金管理をする」(40歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)
・「毎月、銀行口座の残高を把握している」(37歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「家計簿というほどではないが、使った額をメモして管理している」(51歳男性/半導体・電子・電気機器/事務・企画・経営関連)
・「日常的に収支の管理を行ったり、クレジットカードによる明細管理を行っている」(32歳男性/リース・レンタル/営業関連)
・「お金のフロー、ストックを月次で管理している」(47歳男性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)
・「家計簿とはまではいかないが、細かく何を買ったかなどを書くようにしています」(36歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/事務・企画・経営関連)
・「『お金のコンパス』等を使って、収支や預金管理をしている」(44歳男性/農業協同組合/技能工・運輸・設備関連)
・「キャッシュレスですが、使ったお金がわかるようにしている。先取り貯蓄」(41歳女性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)
・「毎週、一週間の買い物内容を家計簿につけ、また、収入に対する収支予定を毎月計画(家賃、保険料など固定費を収入から差し引き、支出の予定を決める)する」(52歳男性/サービス/IT関連技術職)
・「家計簿ソフトを使って毎月の収支を管理して、無駄な出費が無いかを確認しています」(54歳男性/その他/技能工・運輸・設備関連)
・「いつでも残高を確認できるように、アプリに統合している。また管理する手間を省くために、色々な金融機関に作った口座を整理した」(51歳男性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)
■「計画的に貯蓄をする」
・「一定の額を貯金している」(46歳女性/不動産 事務・企画・経営関連)
・「すぐ、ネット定期貯金にする」(49歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「毎月決まった金額を預金している」(42歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「どんな事情があろうとも、必ず給与から一定の金額を貯金に回す」(35歳女性/建設・土木/事務・企画・経営関連)
・「カード引き落としの貯蓄型の保険に加入して、強制的にお金を積み立てている」(59歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「貯めるお金は給料日に引き出して、すぐに貯蓄用の口座に入れる」(44歳男性/食品/事務・企画・経営関連)
・「毎月積み立て等、まず貯蓄に一定額が貯まるようにしている」(59歳女性/化粧品・医薬品/その他技術職)
・「お釣りを必ず1円単位で受取り、50円と5円のお釣りは別の袋に入れ貯金し、年末に貯金している」(33歳男性/教育/専門職関連)
・「毎月貯金をしていますが、出費に変動が多く、ここ一年はプラスマイナス0です」(47歳女性/サービス/事務・企画・経営関連)
・「夫婦揃って、給与が入ったら収入の2割を先ず貯金額と決めて、封筒を別にして貯金をするようにしています。そのうち毎月1万円ずつを旅行資金として分けていますが、コロナ禍のせいで旅行に行けずたまる一方です。皮肉です」(49歳男性/ホテル・旅館/事務・企画・経営関連)
■「投資をする」
・「こまめに定期預金や投資を行う」(54歳女性/総合電機/事務・企画・経営関連)
・「毎月の給与は全額、株に投資している。常に大きな目標を持つ」(40歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
・「毎日、株価インデックスをチェックする」(53歳男性/総合電機/事務・企画・経営関連)
・「日経などの市況データを必ず見るようにしています」(58歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「投資記録をノートに残している」(40歳男性/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連/販売・サービス関連)
・「株の配当を含めた収支を、ノートに記入している」(49歳男性/医療・福祉・介護サービス/その他・専業主婦等)
・「現金はなるべく投資に回すようにしています。ふるさと納税は各種のポイントで支払うようにして、現金支出を減らしています」(49歳男性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
・「資産の増減、株式配当等をエクセルにまとめる。資産の目標額を年始に設定する」(43歳女性/化粧品・医薬品/その他技術職)
・「生活資金を差し引いた残りは全て証券会社に入金して、その時々の最良と思われる金融商品を購入しています」(52歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
■「ポイ活をする」
・「ポイント活動を積極的にしている」(36歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「株主優待、クーポン、ポイントなどを使ってお得に買い物をする。家計簿をつければ、家計簿つけるのがめんどくさいので買い物しなくなる」(41歳男性/広告・出版・印刷/営業関連)
・「毎日ポイントを貯めて、そのポイントを株や現金に替えている」(47歳男性/広告・出版・印刷/技能工・運輸・設備関連)
■「その他」
・「夫婦な共働きなので、片方の収入を手をつけないように生活している」(35歳男性/輸送用機器/販売・サービス関連)
・「家計簿をつけていること。ほとんどがカード決済なので、上限を設けて使える金額を限定している」(45歳男性/その他/専門職関連)
・「習慣としては、お金を循環させるように意識・行動しています。節約はエネルギーが内向きになりますので、もっと節約する現実を創ってしまいます」(52歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「支払いや生活費のために仕方なく普通預金口座を使用していますが、利息に期待できない中、多少なりとも上乗せが欲しいと考え、普通預金のすべてを利率も銀行の普通預金よりも若干よく、しかもペイオフが無いという安心感がある証券会社の口座へ移動しています。いつでも銀行口座へ戻せるし、手数料もかからないので活用しています」(59歳男性/教育/事務・企画・経営関連)
■総評
調査の結果、マイナビニュース会員のうち、1,000万円以上の貯蓄がある人は43.8%だった。そのうち、お金を貯めるためや家計管理のために習慣にしていることがある人は、9割近い85.3%だった。
具体的にどのようなことを習慣にしているかを聞いたところ、主な回答として「節約を心がける」「家計簿をつける/毎月の収支を把握する」「計画的に貯蓄をする」「投資をする」「ポイ活をする」などが寄せられている。
今回は、一つの回答の中で複数の習慣を挙げてくれている人が多かったが、なかでも「家計簿」について言及する人が目立った。
例えば、「毎日家計簿をつける。投資している資産価値を毎日確認する」(50歳男性/その他/その他・専業主婦等)、「毎日、家計簿をつけています。年間の貯金額を決めている」(53歳男性/不動産/その他・専業主婦等)、「家計簿をつけていて、ひと月に使用できる金額が余ったら貯金しています。できるだけ自炊するようにしています。必要なものかどうかしっかりと考えてから購入しています」(38歳女性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)などとなる。
節約をするにも貯蓄をするにも、あるいは投資をするにも、まずは自身の収入と支出を正確に把握することが重要と考えている人は多い。そして、その第一歩となるのがまさに「家計簿をつける」ことだろう。最近はパソコンやスマフォで簡単に使える家計簿アプリなども普及していて、家計簿に対するハードルは以前よりグッと下がっているという事情もありそうだ。
そのほか、本文中で触れた以外の回答としては、「タンス貯金」(46歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)、「帰宅後、財布の中を整理するようにしています」(47歳女性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)、「財布に現金が2万円以上になると預金する」(58歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)。
「毎月株主優待をゲットしている」(39歳男性/公益・特殊・独立行政法人/公共サービス関連)、「封筒にお金を分けて使う」(56歳男性/輸送用機器/営業関連)、「省エネ運転」(52歳男性/コンピューター機器/IT関連技術職)「親が管理している」(35歳男性/その他/メカトロ関連技術職)などのユニークなものが寄せられている。
今回の調査では、貯蓄1,000万円以上のマイナビニュース会員の大多数が、貯蓄や家計管理のために習慣にしていることがあることがわかった。やはり、きちんと貯蓄ができている人は、それに見合うだけの地道な努力をしている。今回は、そんな堅実な実態がうかがえるアンケート結果となったのではないだろうか。
調査時期: 2021年9月9日
調査対象: 貯蓄1,000万円以上のマイナビニュース男女会員
調査数: 224人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません